米国に「河野談話見直しを懸念」して欲しい日経

2013年1月8日付 日経新聞夕刊にこういう記事がありました。

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http://www.nikkei.com/article/DGKDASGM0800Y_Y3A100C1EB1000/
米報道官「歴史、対話で解決を」 安倍政権に懸念
2013/1/8付日本経済新聞 夕刊
【ワシントン=吉野直也】

「米国は歴史認識の問題について友好的な方法で、対話を通じて解決するよう望んでいる」。
米国務省のヌランド報道官は7日の記者会見で、安倍政権が旧日本軍の従軍慰安婦の強制連行を事実上認めた「河野談話」など過去の歴史認識の見直しを検討していることに懸念を示した。
「日本ほど米国に近い同盟国はない」と指摘しつつも「東アジアすべての国が歴史認識や領土の問題を対話を通じて解決するよう注視したい」とも語った。
米政府は歴史認識をめぐる日韓両国の関係悪化がオバマ政権のアジア太平洋地域重視の戦略を直撃することか
ら、日韓双方に自制を促してきた経緯がある。

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米国務省サイトは記者会見の記録を公開しています。
この記事の”米国務省のヌランド報道官は7日の記者会見 ”は、こちらにあります。

米国務省2013年1月7日(月)記者会見 ヌランド報道官
http://translations.state.gov/st/english/texttrans/2013/01/20130107140706.html#axzz2InParHvi

この中で、日経記事の該当部分はここです。

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QUESTION: Yes. The question about – it’s Japan, that the new Japanese administration is talking about reviewing the so-called Kono Statement on the comfort women issue, and that this is thought to have ripple effects for the Japan-Korea alliance – I’m sorry, Japan-Korea relations. And the question is: Is the U.S. concerned that these tensions that could come up
with the review of the Kono Statement could have a bleed-over to trilateral relations between U.S.-Japan in particular but also U.S.-Japan-Korea relations?

質問:はい。日本について質問です。
日本の新政権は慰安婦問題についての河野談話を見直しを検討していますが、これは日韓関係に影響するのではないでしょうか。失礼します、日韓関係についてです。
質問は、河野談話の見直しによって生じる緊張が、米日関係だけでなく米日韓3国間関係に悪影響を及ぼしかねないことに、米国は懸念しますか?

MS. NULAND: Well, with regard to the issue at hand, we continue to hope that the countries in the region can work together to resolve their concerns over historical issues in an amicable way and through dialogue. As you know, we have no closer ally than Japan. We want to see the new Japanese Government, the new South Korean Government, all of the countries in Northeast Asia working together and solving any outstanding issues, whether they are territorial, whether they’re historic, through dialogue. Okay?

ヌランド氏:この問題について、我々は、この地域の国々が、対話を通して友好的に歴史問題の懸案解決にむけて協力することを望んでいます。 ご承知の通り、日米ほど近い同盟はありません。日本の新政権、韓国の新政権、北東アジアの諸国が協力して重要な問題に取組むことを望んでいます。領土問題にしても、歴史問題にしても、対話を通してです。 よろしいでしょうか。

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シリア、ヨルダン、北朝鮮、パレスチナ、クエート等に関する記者からの質問が続いた後、会見の最後の方で、ある記者がこの質問をしています。

記録からは記者の所属はわかりませんが、質問で” Japan-Korea ”という言葉を使っているのと、この後に日本の外務大臣の訪米について質問しているので、日本人記者だと思われます。韓国人記者だったら”Korea-Japan ”と表現するでしょう。

ヌランド報道官自ら河野談話見直しについて語ったのでなく、質問に答えた形です。
日経の記事には ”過去の歴史認識の見直しを検討していることに懸念を示した” とありますが、質問側が「懸念するか?」と訊ねたわけです。

その答えは上記のとおり、日韓で話し合ってくれ です。

日経のこの記事は、『米報道官に安倍政権に懸念してほしいと願う日本メディアの記事』であり、河野談話見直しについてのネガティブキャンペーンと見ても良いのではないでしょうか。

皆さん、この記事変だな、と思ったら元の情報を確認することをお勧めします。

One thought on “米国に「河野談話見直しを懸念」して欲しい日経

  1. 石川直幹 says:

    日経は経済版朝日と言われています。
    デフレ、超円高の白川方針を援護し、中国を利することに余念のない反日新聞ですね。


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