南モンゴル ダイチンさん 国連人種差別撤廃委員会 参加報告

国連ジュネーブで行われた人種差別撤廃委員会96期(8/6-30)の対中国審査会とNGO会合(8/10,13)に参加したオルホノド・ダイチンさんからの報告をご紹介します。

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2018年9月2日
オルホノド・ダイチン
南モンゴルクリルタイ(世界南モンゴル会議 Southern Mongolia Congress)

 

国連人種差別撤廃委員会に参加して
「文書の提出」「直接参加」の意義を知りました

今回、国連の人種差別撤廃員会に参加したのは、私にとって初めての、しかも大変勉強になる体験でした。「国連」についても、どこか抽象的な、遠いイメージしかなかった私は、直接その場に参加して、今後の運動についての多くのヒントと、これまでの自分たちの考え方についての反省点を見出しました。

まず、国連に提出した文書は、アジア自由民主連帯協議会事務局が中心に、私たちがこれまで人権報告書として発表してきた南モンゴル(内モンゴル自治区)の人権侵害状況を簡潔にまとめて英訳したものです。このような文書を出しても、どの程度効果があるものか、正直私の中ではあまり期待していなかった面もありました。

しかし、人種差別撤廃員会の委員の方々は、提出した文章を、とても丁寧に読んでくださっていました。NGOとのランチタイムの交流会でも、また、委員会の本会議でも、委員の人たちは、提出されたNGOからの沢山の資料を基に、中国側に適切な疑問を呈していましたし、また、NGOと委員の人たちもとてもフランクに議論し交流していました。

ここで実感したのは、私たちのモンゴル運動の英語力の乏しさでした。いい悪いではなく、このような会議の場は事実上英語で会話がされます。チベットの代表団も、ウイグルの代表団も、英語で丁寧にコミュニケーションを取っていました。私は英語が全くできないため、その場に入っていくことができず、藤木さんや田口さんなど、サポートしてくださる方がいたからようやくスピーチできたとはいえ(半分は藤木さんに読んでもらいましたが)ここでもっと自分に英語力があれば、委員の方々やほかのNGOともより深い関係が作れたのにと残念に思いました。この点は、モンゴルの運動の中で、もっと真剣に考えねばならない問題でした。

私は日本の歴史問題について語る知識はありませんが、これまで、日本の中の、主として日本の過去を批判する人たち(その中には純粋な人もいるでしょうが、正直、日本のことは厳しく言うのに、現在進行形の中国政府の私たちモンゴル人やチベット、ウイグルへの弾圧には全く沈黙を守る理解できない人もいます)は、おそらく国連の場に、英語のできる活動家や学者をたくさん送ってきて、国連の様々な委員会と深い交流を長年してきたのではないかと思います。逆に言えば、私たちモンゴル人がもっともっと国連に、毎年資料を提出し、出来ればいろいろな委員会に出席して影響を与えることが大切で、国連という場を、外から批判したり、また抽象的に論ずるよりも、まずそこに何らかの参加をしていかねばならないことがわかりました。まだまだ私たちの力では足りないのですが。

今回の人種差別撤廃委員会で、私の知る限り、世界ではじめて、南モンゴルの問題が中国に対し勧告されました。モンゴルの土地が不当に奪われ、それに対する正当で平和的な抗議が弾圧されていること、モンゴル語教育が事実上廃され、モンゴル人が自分の民族の言葉を学ぶ権利が奪われていること、これは人種差別に当たるという勧告がなされたことを、私は大きな一歩と思います。この成果は、山本優美子さん、藤木俊一さんら、日本の皆様の善意と、英語面でのサポートなくしてできなかったことです。ここに深く感謝の念を評させていただきます。

以上

モンゴルの民族衣装で会議に参加
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会議に臨んで真剣に予習
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会議の様子
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CERD session

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< 参考 資料 >

◆ 人種差別撤廃委員会96期 中国 最終見解書
Concluding observations on the combined fourteenth to seventeenth periodic reports of China
ADVANCE UNEDITED VERSION 30 August 2018
https://tbinternet.ohchr.org/Treaties/CERD/Shared%20Documents/CHN/CERD_C_CHN_CO_14-17_32237_E.pdf

◆ アジア自由民主連帯協議会 (Asian Solidarity Council for Freedom and Democracy)が委員会に提出したレポート
Situation of Violation of United Nations Convention on the Elimination of All Forms of Discrimination in People’s Republic of China

◆ 人種差別撤廃委員会96期 サイト
CERD – International Convention on the Elimination of All Forms of Racial Discrimination
96 Session (06 Aug 2018 – 30 Aug 2018)
http://tbinternet.ohchr.org/_layouts/treatybodyexternal/SessionDetails1.aspx?SessionID=1196&Lang=en

One thought on “南モンゴル ダイチンさん 国連人種差別撤廃委員会 参加報告

  1. HIROKO says:

    ご報告有り難うございます。
    肉体的、精神的共に、本当にお疲れ様でした。
    非常識な人達の相手は、常識的な人間には、大変な苦痛です。
    ご報告内の感想やご意見には賛同致します。
    モンゴルの方の感想の、英語力の必要性は私や、この件で憤りを感じてる日本人は痛感してます。
    それで、なでしこさんやテキサスさん、マイケルさんを矢面に立たせてしまい、申し訳有りません。
    参考ご意見は、一応私も外務省にメールしました。
    まだまだ長い戦いになりますが、これからは防御では無く、(韓国の蛮行への)攻撃に転じましょう、と。
    どうせ泥沼なら、相手も引き摺り込まなければやってられ無いと感じます。
    本当の加害者が被害者ぶってる事には、もう我慢出来ません、と。
    勝手なお願いですが、どうぞこれからも、可能な限りで、ご活動を宜しくお願いします。


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