女子差別撤廃委員会89セッションの対日審査会に参加したスイスのなでしこ仲間から、所感をいただきましたのでここにご紹介します。彼女は前回2016年の対日審査会にも参加してくださいました。
国連 女子差別撤廃委員会89セッションについては、活動の記録と関連資料をご参照ください。
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女子差別撤廃委員会89セッション 対日審査会
Committee on the Elimination of Discrimination against Women (CEDAW) 89 th session
(17October 2024 10:00〜13:00 15:00〜17:00 )
上記審査会における所感 大坪明子 2024年10月24日
当日、日本政府代表団代表は岡田恵子内閣府男女共同参画局長であったが、関係省庁から派遣されたメンバーには女性が多かった。恐らく「女性がちゃんと活躍しています」ということをアピールするためであろう。尚、そこそこ大きな会場は8割方埋まっていた。
上記の件について感想を一言で述べれば、毎度毎度のことではあるが、最初から最後まで不愉快であった。「よくもまあ、いけしゃあしゃあと偉そうに!いったい何様のつもり?」である。議長と委員たちの「日本を正しい方向に導いてあげなくちゃ。」と言わんばかりの態度が鼻につく。この場ではいつも、実に瑣末なことも大真面目にネチネチと追求されるので大変疲れる。
審査会終了後には左派のメンバーが満面の笑みで議長や委員たちを取り囲む。いかにも親しそうに謝意を伝えているのだが、この親密度はいったい何なんだろう。以前に何回か会っているとしか思えない。委員たちも快く記念撮影に応じ「喜んでくれて嬉しいわ。これからも頑張るわね。」という感じで応えていた。まあこういう輩がいる限り、委員たちはこれからも日本に対して余計なお世話をし続けるであろう。
いったい、この場に送り込まれた議長や委員たちは、どのような基準で選ばれているのであろうかと毎回思う。なぜなら、日本担当の委員たちが日本のことを良く勉強しているとは到底思えないからだ。(だからこそ、左派にとっては扱いやすくて都合が良い。)もっとも、委員たちにとって日本がどういう国なのかということは関心がないのだろう。自分たちが気に入らない点を是正するように圧力をかける事しか興味はないのだ。自分たちが気に入る形とは、最終的には「世界を同じ色に染め上げる」ことであろう。
また、彼らはNGOから入手した情報をキチンと検証しているとも思えない。ある委員は「私が受けた情報によると〜」と、サラリと述べたが、それはどこのNGOからの情報ですか?それは信頼できる内容なんですか?と問いたかった。このインチキっぽさにはいつもうんざりする。慰安婦という高給取りが性奴隷に化けた原因の一つはここにあるからだ。さらに、ある若い女性委員は「すべての女性が輝く社会を!」などとほざいていたが、すべての女性が輝いてしまったら世の中は眩しすぎて目を開けていられなくなる。国連さん、女性が家庭で母として輝いているんじゃいけないんですか?と、またもや問いたいところであった。
それから、なんといっても耳障りだったのが、当審査会では「差別!差別!」と、いとも安易に「差別」という言葉が使われることだ。この「差別」という言葉は実に曲者である。彼らは女性は不当に「低く扱われている」とか「尊重されていない」という意味で使っているのであろうが、女性は二重にも三重にも社会から(はっきり言って男性から)守られている。なぜ女性は守られているのか。答えは簡単だ。女性は子供を産むからだ。
ここで、日本における幾つかの数字を挙げる。いずれも男性の方が数字が大きい。
1、男 171、5cm —————————-女 157、5cm
2、男 45kg—————————————女 27kg
3、男 1、285、352人——————女 588、791人
4、男 14、362人—————————女 6、890人
5、男 12人—————————————女 0人
6、男 5、043人——————————女 1、214人
さて、これらの数字は何の数字でしょうか?
1、平均身長 2021年 文科省
2、平均握力 2018年 スポーツ庁
3、働き盛り世代(50代60代)の死亡者数 2011年〜2020年 厚労省
4、自殺による死亡者数 2022年 警察統計
5、消防職団員の殉職者数 2019年 総務省
6、東大に在籍する学生数 2020年 文科省
危険な仕事は主に男性が従事している。殉職者は圧倒的に男性が多い。これが現実だ。しかし、彼らはこの現実を意図的に無視する。国連は「国会議員や大学教員における女性の割合を上げろ。」とは言うが「自衛隊員や危険物取扱者における女性の割合を上げろ。」とは言わない。「女性だけど」と「女性だから」を巧みに使い分ける。これは自称弱者の常套手段である。
さらに、国連は大学の入学試験にまで口を出す。「理工系の女子学生の割合を上げろ。」というものであるが、国連は日本政府に具体的にどのようなことをしろとは決して言わない。ここが彼らの姑息なところであるが、ハッキリ言えば女性に下駄を履かせろということ。つまり「女性受験者に加点をする」か「女性枠を設ける」ということである。これって随分無茶苦茶な勧告じゃないですか?
2018年に東京医科大学が女子の合格者を減らすために、一部の男性受験者に加点するなどの調整をしたことを公表したが、東京地方裁判所は「性別による不合理な差別を禁止した教育基本法と憲法14条の趣旨に反する。」という判決を出した。これの逆バージョンをやれと言うことですよね。国連さん、男性への「性別による不合理な差別」は問題とされないのでしょうか?
日本には女子大学は山のようにある。女子大学はすでに女性枠である。理系に限っていえば、国立では御茶ノ水女子大学と奈良女子大学には理学部がある。(公立の群馬県立女子大学と福岡女子大学には理学部はない。)また、私立では東京女子医科大学があり、津田塾大学には数学科、同志社女子大学には薬学部がある。従って、共学の大学において女子学生の割合を上げる必要はない。
国連さん、日本はちゃんとやってます。優れた理系の女性には早くから学問の場が開かれている。1913年(大正2)に、黒田チカ(1884−1968)と牧田らく(1888−1977)と丹下ウメ(1873ー1955)が日本で女性として初めて東北帝国大学に入学。その後、チカは1929年(昭和4)にウメは1940年(昭和15)に博士号を取得。チカの2年前1927年(昭和2年)には保井コノ(1880−1071)が東京帝国大学から博士号(理学博士)を取得。
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また、議長は「日本は先進国なのに女性は地位が低い。」と鬼の首を取ったように発言したが、ビビることはない。女性の地位が高い国(?)はどうせ「女性枠」を設けているのだから。
「女性議員比率の国際比較」出典:内閣府男女共同参画局
1位 ルワンダ61% 2位 キューバ53% 3位 ニカラグア52% 4位 メキシコ50% ニュージーランド50% アラブ首長国連邦50% 7位 アイスランド48% 8位 コスタリカ47% 9位 アンドラ46% スウェーデン46%ーーーそして164位日本10%
1位のルワンダは164位の日本より安心して暮らせる国ですか?ルワンダでは「フツ族」と「ツチ族」との紛争(1990年〜1993年)で約100万人が死亡。死者の大半、逃亡者の大半、囚人の大半が男性という状況に陥った。その結果、人口の8割を占めていた女性が国政に積極的に参加することになった。2位のキューバは1959年の革命が原因。3位のニカラグアは1979年の革命が原因。
女性の議員が増えれば国民は幸せになれるんですか?これは別に「女性の地位が高い低い」「国民の幸不幸」の問題とは関係ないと思いますけれど、日本人の皆さん、どのように思われますか?
さらに、ここで婚外子の比率も合わせて挙げます。出典:経済協力開発機構2019年(ただし数字は2016年のもの)
1位 チリ73% 2位 アイスランド70% 3位 メキシコ67% 4位 フランス60% 5位 スロベニア59% 6位 ノルウェー56% エストニア56% 8位 スウェーデン55% 9位 デンマーク54% 10位 ポルトガル53%ーーー日本2、3%
アイスランド、メキシコ、スウェーデンは上と重なっていますが、日本人の皆さん、あなたは婚外子に生まれたかったですか?そのうち国連から「日本は婚外子の割合をもっと上げろ!」という勧告が出される日が来るかもしれません。
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最後に、ここで今一度、先に挙げた男女比較に注目していただきたい。働き盛り世代の死亡者数と自殺による死亡者数は、男性は女性の2倍以上である。このことに目を向けて、何とか減らせるように努力することの方がよっぽど意味があると思う。それと同時に、このような会議に使う金と時間があるのなら、被災地に回してもらいたいと強く願う。「勧告」と言えば聞こえが良いが、実際は「いちゃもんをつける」なのだから。
以上