当方の見解を無視した一方的な決定に厳重に抗議する
-映画「主戦場」上映について-
NPO法人KAWASAKIしんゆり映画祭
実行委員会代表 中山 周治 殿
川崎市市民文化振興室室長 山崎 浩 殿
市民文化振興課課長 田中 智子 殿
令和元年(2019年)11月4日
ケント・ギルバート 藤岡信勝
藤木俊一 山本優美子
11月2日付け朝日新聞夕刊などが報じたように、川崎市で開催中の「KAWASAKIしんゆり映画祭」で慰安婦問題を扱ったドキュメンタリー映画「主戦場」(デザキ監督)の上映が一旦中止になったのち、一転して本日4日上映されることになりました。
私たちはすでに10月31日、川崎市役所内の記者クラブで記者会見を行い、映画「主戦場」によって人権を侵害された被害者の立場から、この映画を上映しないように強く求めました。ところが、その後も上映する流れがつくられつつあることを知り、翌日の11月1日午後5時過ぎに、NPO法人KAWASAKIしんゆり映画祭実行委員会の中山周治代表と川崎市に対し、上映するか否か最終決定する前に「双方の見解を聞く公開討論の場を設けよ」との趣旨の公開質問状を提出しました。
しかし、それらの当方の要求を徹底的に無視して、一方的に上映が決定されてしまいました。手続き的に重大な欠陥のあるこの決定は正当性がなく、絶対に承服できません。
一転して上映するにいたる決定的な転機は、10月30日の「しんゆり映画祭で表現の自由を問う」と題する「オープンマイク・イベント」であったことは明らかです。3時間に及ぶこの集会では、中山代表に対する激しい吊し上げが行われました。実行委員会はこの糾弾に屈したといわれてもしかたのないものです。
この集会を提案し、司会まで務めたのは、なんと映画祭に作品を提供している配給会社の社員でした。彼らは利害関係者です。集会には事前に「シナリオ」がつくられており、結論ありきの場が設定されたのです。「主戦場」の配給会社東風の社員とデザキ監督も同席し、それぞれ2回も発言しています。その彼らを訴えているのですから、私たち被害者も出席して発言する権利が当然あります。
公開質問状に書いた通り「制作者側の見解だけを聞いてものごとを判断するのは、自由で民主的な社会のルールに違反」します。実行委員会は中立性を完全に喪失しており、公金を支給されるNPO法人として失格です。私たちは貴NPO法人と川崎市の責任が今後厳しく問われる事態になったことをお伝えいたします。
以上
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<参考ニュース>
共同通信 11月4日(月)
一度中止の慰安婦映画上映、川崎 「表現の自由守れ」と監督
https://this.kiji.is/564069039717467233?c=110564226228225532
日刊スポーツ 2019/11/5
「主戦場」上映に監督「勝利」も提訴藤岡氏“乱入”
https://www.nikkansports.com/general/nikkan/news/201911040000978.html
朝日新聞 2019年11月4日
映画「主戦場」、⼀転上映で列 反対派が舞台上る要求も
https://www.asahi.com/articles/ASMC444XXMC4UTIL00F.html
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<参考サイト>
映画「主戦場」被害者を支える会
https://punish-shusenjo.com/wp/
映画「主戦場」上智大学研究不正事件の全体像
https://rinri.punish-shusenjo.com