議会での慰安婦論争5-西東京市議会議事録より

地方議会によっては、議事録が検索サイトで簡単に調べられます。

討論ではありませんが、西東京市市議会会議録検索システムhttp://asp.db-search.com/nishitokyo-c/dsweb.cgi/ から抜粋したものです。慰安婦意見書についての反対意見ご紹介します。

平成22年第2回定例会(第6日目) 本文 2010.06.21

◯議長(浅野高司君)  次に、議員提出議案第20号についての討論を行います。
 討論の通告がありますので、発言を許します。
◯12番(小林たつや君)自民党
  議員提出議案第20号 「慰安婦」問題について、国が誠実な対応をすることを求める意見書の提出に反対の立場で、西東京自由民主党市議団を代表し、討論に参加いたします。
 今回提出の意見書、上段部分、1993年の河野官房長官談話の一部抜粋については、「われわれはこのような歴史の真実を回避することなく、むしろこれを歴史の教訓として直視していきたい。われわれは、歴史研究、歴史教育を通じて、このような問題を永く記憶にとどめ、同じ過ちを決して繰り返さないという固い決意を改めて表明する」というのが正しい河野談話であります。正しい河野談話については共感すべきものがありますが、平成5年のこの談話から既に15年がたち、その後、多くの研究・調査がなされ、河野談話とは食い違う事実もあらわれてきております。
 意見書提出者は以下の事実を御存じでしょうか。まずはその1つとして、さきの談話以降、旧日本軍による強制連行があったという事実に関する証拠が見つけられなかったということ。この件については、日本国家、軍が行った行為ならば、必ず明証があり、それを示す文書が残っているはずであります。発令者と受令者及びそれに関する事務を取り扱う各方面機関に文書や記録がなければおかしいはずですが、吉見義明氏ですら完全な証拠をつかめていません。それから、韓国済州島でみずから慰安婦狩りをしたという吉田という男の証言はでたらめであったこと。また、日本テレビのドキュメント番組で元慰安婦とされる女性が話しているシーンの字幕が恣意的にかえられていたこと。
 視点を変えると、300年もの間オランダから支配されてきたインドネシアを日本軍が解放し、母国語を統一し、教育を受けさせ、武器を持たせ、敗戦後はオランダ再支配の動きに対し、インドネシア軍に自分たちの武器を渡し、2,000人の日本軍兵士たちが帰国せずインドネシア独立のために現地に残り、ともに戦い、そのうち1,000名余りが命を落としたこと。そのインドネシアでは、一般人の40年分の年収に当たる賠償金200万円を提示し、元慰安婦の募集をかけた者たちがおり、そのせいで当時インドネシアでは2万人しかいなかった日本兵に対し、2万2,000人の慰安婦が名乗りを上げたということを。
 また、村山首相時代、アジア諸国に対し謝罪外交に出たとき、マレーシアのマハティール首相から謝罪は要らないと言われ、恥をかいたことを。韓国に至っては、1965年の日韓基本条約で、戦後処理に関し、これをもって最終的な解決とすると言い、総額8億ドルの援助資金を受けたことを。
 大東亜戦争という国の命運をかけた戦いを白人支配からの脱却の聖戦と信じて幾多の優秀な人材が戦陣に散っていったさきの大戦において、東京裁判という戦勝国の弾劾に遭いながらも歯を食いしばりこの国を再度立て直し、現在の繁栄をもたらした多くの先人たちの存在。ここまで頑張ってきたことに対し敬意を払うことはあっても、事実と違うことで糾弾するようなことがあってはならないと私は思っております。
 この問題について、一緒に問題にされますアジア諸国に対しての侵略については、国の責任としては当時の欧米列強と同罪程度の侵略的罪はあると思っております。戦後賠償については、既に国家間により終了しているものであり、個人が戦時下のことについて国に提訴することはおかしいと思います。
 元慰安婦問題に関しては、軍による強制連行はなく、現地人業者による強制連行があった事実が明らかにされております。また、衛生管理面等での民間業者に対するものと同様の関与はあったと思われております。
 意見書中段の国連人権機関からの勧告に関しては、謝罪外交しかできなかった日本政府の弱腰外交が招いたものであり、国家間の勢力争いにこの問題が利用されてしまったという悲しい事実であると認識しております。
 また、意見書下段1については、今まで述べてきたとおりでありますが、慰安婦の問題について、真相究明を行うことに反対するものではなく、むしろいいかげんな報道や歴史的事実と異なる部分を騒ぎ立て民意を違う方向へ向かわせようとする者たちへ鉄槌を加える意味も含め、真実の究明を強く望んでおります。
 2についても、正しい歴史を検証し、教科書問題も含めた自虐的な歴史観を捨て、真の歴史を次代に伝えていきたいものであると考えております。
 しかし、この意見書に関して、慰安婦問題をどの国のこととも確定しておらず、全体的な問題としてとらえており、今まで述べてきましたとおり、歴史的事実と違う論点のもとに、強いて言えば感情的な観点からの提出と推測されます。
 慰安婦と言われる方々の心身の深い傷には深く同情いたします。単に戦時下という異常事態のなせるわざと言い放つこともできないことであるということも認識しております。それゆえに、論理的、客観的な歴史検証を行い、そこには事実以外の恣意的な行為が含まれることなく、それでも強制があったのであれば、初めてそれ相応の対応をするべきであろうという意見を付して、私の反対討論といたします。
◯議長(浅野高司君)  ほかに討論ありませんか。
     〔「なし」と呼ぶ者あり〕
◯議長(浅野高司君)  討論なしと認めます。これをもって討論を終結いたします。
 これより議員提出議案第20号 「慰安婦」問題について、国が誠実な対応をすることを求める意見書を採決いたします。
 本案は原案のとおり決することに賛成の方の挙手を求めます。
     〔賛成者挙手〕
◯議長(浅野高司君)  挙手多数であります。よって議員提出議案第20号は原案のとおり可決されました。

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