【記録】国連 自由権規約 日本政府団発言 2014年7月15・16日ジュネーブ

動画より文字起こし

発言者 山中 修 外務省 人権人道課長 
<2014.7.15/16 自由権規約委員会 ジュネーブ>

本規約は我が国が同規約を締結する以前に生じた問題に対して遡って適応されないため慰安婦問題を同規約の実施状況の報告において取り上げる事は適切ではありませんが、2008年10月第94回会期自由権規約委員会の審議および日本の報告書にたいする最終見解に留意し、我が国の取り組みについて述べることといたします。

また、貴委員会から出されたご質問には、性奴隷慣行との不適切な表現がある点ご指摘させていただきます。

日本は先の大戦にいたる一時期、多くの国々とりわけアジア諸国の人々に対して多大な損害と苦痛を与えました。これまで日本政府はこうした歴史の事実を謙虚に受け止め、改めて痛切な反省と心からのお詫びの気持ちを随時表明するとともに先の大戦における内外の全ての犠牲者につつしんで哀悼の意を繰り返し表明してまいりました。

慰安婦問題に関しては、安倍総理は筆舌に尽くしがたい辛い思いをされた方々のことを思い非常に心を痛めております。この点についての思いは歴代総理と変わりありません。

一方慰安婦問題を含め先の大戦にかかる賠償ならびに財産及び請求権の問題につきましては、日本政府は米英仏等45か国との間で締結しましたサンフランシスコ平和条約及び二国間条約等にしたがって誠実に対応してきていることであって、これらの条約等の当事国との間では元慰安婦の方々も含めて個人の請求権の問題につきましては、法的に解決済です。

特に韓国との間では日韓請求権協定第2条1が両締約国は両締約国及びその国民の財産権利及び利益並びに両締約国及びその国民の間の請求権に関する問題が1951年9月8日にサンフランシスコで署名された日本国との平和条約第4条Aに規定されたものを含めて完全かつ最終的に解決されたこととなることを確認する、と規定しております。

それでもなお日本は慰安婦問題が多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた問題であることから、日本政府及び日本国民のお詫びと反省の気持ちをいかなる形で表すかにつき、国民的な議論をつくした結果、1995年7月19日、元慰安婦の方々に対する償いの事業などを行うこと目的に国民と政府が協力してアジア女性基金を設立いたしました。

具体的には同基金は、韓国、フィリピン、台湾の元慰安婦の方々に対し償い金をお渡ししました。また同基金は上記のそれぞれの国において、医療福祉支援事業も実施しており、インドネシアにおいては高齢者の為の福祉施設整備のための財政支援を実施し、オランダにおきましては先の大戦中、心身にわたり癒しがたい傷を受けた方々の生活状況の改善を支援するための事業に財政支援を行いました。

政府は同基金の事業に必要な資金として総額約48億円の拠出を行い、元慰安婦の方々への医療福祉支援事業や国民からの募金に基づく償い金の支給等の基金事業に対して最大限の協力を行ってきました。更に償い金が提供された際、その当時の総理大臣は政府を代表して自筆の署名を付した謝罪と反省を表明した手紙をそれぞれの元慰安婦の方々に直接送りました。

アジア女性基金はインドネシアでの事業が終了したことを受け、2007年3月に解散いたしましたが、現在も同基金のフォロー事業アップが行われています。

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<2014.7.16 自由権規約委員会 ジュネーブ>

問22に関しマジョディナ委員からご質問がありました。昨日回答サマリーにおいて申し上げたことを全ては繰り返しませんが、マ委員ご指摘のサンフランシスコ平和条約及び他の二国間条約につきまして重要な日韓請求権協定が言及されておりませんでしたので、当該協定第2条一項の規定をここで読み上げさせていただきます。

同規定では、同締約国は両締約国及びその国民の財産権利及び利益並びに両締約国及びその国民の間に請求権に関する問題が、1951年9月8日にサンフランシスコ市で署名された日本国との平和条約第4条Aに規定されたものを含めて完全かつ最終的に解決されたこととなることを確認する、とされています。

また、性奴隷との表現は不適切である旨改めて指摘させていただきます。

日本政府の謝罪についてのご指摘もありましたが、日本政府は元慰安婦の方々に対するお詫びと反省の気持ちを表した1993年の内閣官房長官談話、元慰安婦に対する総理の手紙を始め様々な機会に心からのお詫びの気持ちを表明してきております。

このような立場を踏まえつつ、日本政府は本件の問題の対応につき国民的議論をつくした結果、元慰安婦の方々の現実的な救済のため、アジア女性基金の実施する事業に最大限の協力を行ってきたところです。

政府といたしましては基金の事業を通じて表された日本国民の気持ちに理解が得られるよう今後とも最大限努力していく考えであり、同基金のフォローアップを行っていきます。

最後に河野談話の検証や軍による強制性についてもご指摘がありましたのでお答えします。

今回の検証作業に置いて、河野談話の作成過程において当時の日本政府は一連の調査の結果として、いわゆる強制連行は確認できていないとの認識で一貫していたことが認められました。

一方当時の日本政府はそうした前提に立ちつつ強制性について政府としての一定の認識を示すという対処方針で臨んでいたことが確認されました。

その結果、日本政府は当時の朝鮮半島は我が国の統治下にあったことを踏まえ、慰安婦の募集、移送管理等の段階を通じてみた場合、いかなる経緯であったにせよ、全体として個人の意思に反して行われたことが多かったとの趣旨で、甘言強圧による等総じて本人たちの意思に反して、という表現になったものです。

いずれにしましても、今回の検討作業の結果をもって河野談話を見直す必要はないと考えており、現菅官房長官からも河野談話の見直しはしないとの我が国の立場を改めて述べております。

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一点だけ今マ委員からご指摘された点、1926年奴隷条約第一条の奴隷制度の定義については我々もしっかりと検討いたしました。その結果として日本政府としては我が国が抱えている慰安婦問題を性奴隷の問題と認識しておらず、一般的に申し上げると、当時の国際法上、1926年条約の定義に当てはまるものという風には、慰安婦制度がそうした定義されている奴隷制度であるとは理解しておりません。それを前提に我々としては不適切な表現であると指摘させていただいたものです。

以上

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自由権規約委員会 日本の人権状況に関する審査の最終見解
Concluding observations on the sixth periodic report
of Japan*
CCPR/C/JPN/CO/6 ダウンロード

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<参考ニュース>
産経 2014.7.28
【歴史戦 第4部 利用される国連(下)前半】
声を上げた保守系市民「慰安婦の実像知って」
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140728/plc14072807580003-n1.htm

【歴史戦 第4部 利用される国連(下)後半】
反論不在の「空白の22年」、築かれた“左派系の牙城”崩す時
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140728/plc14072812130008-n1.htm

産経 2014.7.27
【歴史戦 第4部 利用される国連(中)】
「慰安婦=性奴隷」生みの親は日本人弁護士 実態とかけ離れた慰安婦像独り歩き
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140727/plc14072713000007-n1.htm

産経 2014.7.26
【歴史戦 第4部(上)前半】 
「性奴隷」明記に立ち上がった主婦 「お金もらったのでは」
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140726/plc14072609200010-n1.htm

【歴史戦 第4部(上)後半】
恣意的に利用される国連 日本の異議一蹴「河野談話と矛盾」
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140726/plc14072614180013-n1.htm

産経 2014.7.25
「理解されず残念」 国連委の慰安婦見解、官房長官会見
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140725/plc14072518570025-n1.htm

産経 2014.7.25
「慰安婦」日本に矛盾 強制連行「ない」のになぜ「河野談話」? 国連委
http://sankei.jp.msn.com/world/news/140725/erp14072509150005-n1.htm

zakzak 2014.07.18
【痛快!テキサス親父】国連人権委は学級会以下だ NGOが捏造した議案を精査なし (1/2ページ)
http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20140718/dms1407181140001-n1.htm

zakzak 2014.07.18
日本政府、慰安婦問題で反転攻勢 国際的人権会合で「性奴隷は不適切」
http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20140717/dms1407171205013-n1.htm

産経 2014.7.16
「『性奴隷』は不適切な表現だ」 日本政府代表、国連で表明
http://sankei.jp.msn.com/world/news/140716/erp14071611570002-n1.htm

21 thoughts on “【記録】国連 自由権規約 日本政府団発言 2014年7月15・16日ジュネーブ

  1. nao says:

    【慰安婦問題】 「辛い記憶を世界に知らせたい」米国画家カヴァロ氏、ニュージャージーで慰安婦画展覧会!!
    http://blog.livedoor.jp/nico3q3q/archives/68190521.html

    【ニューヨーク=ニューシス】ノ・チャンヒョン特派員=「慰安婦ハルモニらは私の祖母も同然です。その方々のつらい記憶を世の中に知らせたいです。」

    米国の‘慰安婦肖像画家’として良く知られるスティーブ・カバロ(Steve Cavallo)画家がニュージャージーで慰安婦被害ハルモニを招待して特別展示会を開くと‘グローバル・ウェブ・マガジン’ニュース(www.newsroh.com)が伝えた。カバロ画家は3日から21日までニュージャージー、ティネクに位置する‘Nabi Museum of the Arts’で個展‘私たちが血を流した多くの傷から(From Many Wounds We Bleed)’を開催する。

    4日予定されたオープニング行事にはイ・オクソン、カン・イルチュルの二人の慰安婦被害者ハルモニが参加する予定だ。また、慰安婦問題に関心を持つ韓人らをはじめ、米国の政治家や各界各層の市民が集まってハルモニらとの座談形式の行事も進行される。

    二人のハルモニは韓国ナヌムの家と日本軍‘慰安婦歴史館’、国際平和人権センターの主催で先月21日から来る7日までロサンゼルスとワシントンDC、ニューヨークを訪問、日本軍の蛮行と日本政府の非良心的な姿勢を叱責している。

    続く

    http://www.newsis.com/ar_detail/view.html?ar_id=NISX20140802_0013085577


  2. まり says:

    ひとつ、日本にとってよい(と思われる)前進です。

    朝日新聞のオンライン版の記事で、慰安婦問題の検証をしていますが、そこで以下の記事が掲載されました。

    韓国で強制連行の証拠として使われた吉田証言が「虚偽だった」との結果を掲載しました。これは世界に「朝日の記者のねつ造であった」とお詫びする必要があると思います。

    http://www.asahi.com/articles/ASG7L71S2G7LUTIL05N.html

    「読者のみなさまへ
    吉田氏が済州島で慰安婦を強制連行したとする証言は虚偽だと判断し、記事を取り消します。当時、虚偽の証言を見抜けませんでした。済州島を再取材しましたが、証言を裏付ける話は得られませんでした。研究者への取材でも証言の核心部分についての矛盾がいくつも明らかになりました。」


  3. nao says:

    【マンハッタン近郊に慰安婦碑=地元主導、市長も式典出席-米】

    4日、米ニュージャージー州ユニオンシティーに設置された従軍慰安婦の記念碑。右は元慰安婦のイ・オクスンさん
     【ニューヨーク時事】ニューヨーク市近郊のニュージャージー州ユニオンシティーの広場で4日、旧日本軍従軍慰安婦の記念碑除幕式が行われた。広場はハドソン川を隔ててマンハッタンを見渡す場所にあり、米同時テロの記念碑も設置されている。慰安婦の碑・像は5月末のバージニア州フェアファクス郡に続き、全米で7件目。

     新たな慰安婦碑は地元の文化財団などの主導で設置された。除幕式にはスタック市長や州議員、女性活動家らが出席。市長は「このような過ちを繰り返してはならない」とあいさつした。(2014/08/05-08:36)



  4. 2014年8月6日水曜日
    国連のピレイ人権高等弁務官をググってみたら、
    以前からちょっとアレな人だった・・・ 
    http://ianhumondai.blogspot.jp/2014/08/blog-post_6.html
    ナバネセム・ピレイって方、以前から
    http://ja.wikipedia.org/wiki/イクオリティ・ナウ
    イクオリティ・ナウ(Equality Now)は、フェミニズム系の国際人権団体である。
    イクオリティ・ナウは、ニューヨークの本部の他、ロンドンとナイロビに支部がある。
    2009年に、日本の成人向けゲームソフト「レイプレイ」に対する
    抗議キャンペーンを開始した際には、ニューヨーク本部が声明を出し、
    イギリス支部がイギリスの報道機関に日本ユニセフ協会を紹介するなど、
    密接な連携が取られている。

    共同設立者ナバネセム・ピレー(Navanethem Pillay)は
    現在国連人権高等弁務官を務めるなど国際連合との結びつきも強い。

    また日本のフェミニズム団体ポルノ・買春問題研究会の元共同代表である
    角田由紀子も理事を務めているなど、他国の人権団体との連携も密である。

    国連の高等弁務官がガチガチの左翼系だったんですね。
    これじゃ、日本の保守系の主張をどうやって通すか
    日本政府もあげてよほど根気よくやらないと、難しいでしょうね。
    国連もNGOがグルなんですも
    ピレイ弁務官以外にも、どうやら似たようなバックボーンの職員はいそうですね。


    • 日本市民 says:

      ここに、ピレイが出した声明が掲載されています。
      ===
      http://www.ohchr.org/EN/NewsEvents/Pages/Media.aspx?IsMediaPage=true&LangID=E
      Japan’s approach to the issue of “comfort women” causing further violations of victims’ human rights – Pillay
      ===
      ttp://sankei.jp.msn.com/world/news/140806/kor14080620450005-n1.htm
      国連人権高等弁務官、慰安婦問題で「強い遺憾」
      2014.8.6 20:45 [「慰安婦」問題]
       【ベルリン=宮下日出男】国連のピレイ人権高等弁務官は6日、日本の慰安婦問題について、日本政府の対応が不十分と強い遺憾の意を示した上、「包括的で公平、かつ永続的な解決策を追求するよう求める」との声明を出した。
       ピレイ氏は慰安婦を「性奴隷」とした上で、この表現を否定する主張や、それに反論しない政府の対応に懸念を表明。慰安婦問題は「歴史でなく現在の問題」であり、「正義と償いが実現しない限り、これら女性への人権侵害は続く」と強調した



  5. 平成5年の河野洋平官房長官談話が、慰安婦募集には
    「甘言、強圧によるなど、本人たちの意思に反して集められた事例が
    数多くある」としているのは、「立場に矛盾がある」と指摘した。

    産経 2014.7.25
    「慰安婦」日本に矛盾 強制連行「ない」のになぜ「河野談話」? 国連委
    http://sankei.jp.msn.com/world/news/140725/erp14072509150005-n1.htm

    これに日本政府は、この際、当時の民法に定められた家族制度
    http://ja.wikipedia.org/wiki/家制度
    により、家長である父や兄が娘に慰安婦業者に売り、前金を受け取り、
    後は娘に黙っていたか、言葉を濁して伝えためだと言うべきだった。

    朝鮮半島と日本においては、ほとんどがこのケースですよ

    どこの親が娘に面と向かって、「おまえを慰安婦という売春に売った」と
    言いますか?という話。
    「慰安婦業者がたいした仕事じゃないと言っている」とか言葉を濁して
    娘に伝えたか、あるいは黙っていてため、娘にしたら強制連行されたと
    思っていたというのが実情でしょうね。

    そういうのを慮ったのが河野談話だが、これが欧米人には理解できない。
    日本からしたら、立場は何も矛盾していない。

    意志に反してもなにも女とくつ下が強くなったといわれたのは戦後のこと。
    日本のこういう、当時の親の意志に子が従うというしきたりは
    欧米人には理解できないでしょう。
    それが、当時の日本の強さの基礎でした。
    家族は国家の基本でしたから。

    そうはいっても
    貧困ゆえに親が子を慰安婦業者に売るのはやはりつらいことでした。


  6. J says:

    朝日新聞が「吉田調書」報道で誤り認め謝罪

    http://thepage.jp/detail/20140911-00000016-wordleaf?pattern=1&utm_expid=90592221-19.XoCGP-hPQ2e1OuAHR0YT7g.1&utm_referrer=http%3A%2F%2Fnews.yahoo.co.jp%2Fpickup%2F6130923

    The damage caused by false reporting
    Errors in Asahi Shimbun’s comfort women articles defamed Japan’s reputation

    http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/41617


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