千葉県我孫子市議会に質問状を出しました

H23年2月15日付で回答が届きました

我孫子市議会議事録(平成22年3月定例会(第1回)-03月23日-05号)より。「慰安婦問題の解決を求める」として日本は謝罪すべきであるとの請願書が各地の議会に提出されています。

以下、我孫子市議会での討論。久野議員の質問に毛塚議員はまともに答えられないようでした。

久野晋作議員のブログから当日の様子  http://shinsaku.seesaa.net/article/144514418.html

◆久野晋作 (無所属 ・ 政策グループあびこ) 

政策グループあびこの久野晋作です。個人の政治信条にのっとりまして、総務企画常任委員長に1点お伺いいたします。
 委員長報告のとおり、請願第29号、日本軍「慰安婦」問題の早期解決をはかるよう、日本政府への意見書を提出することを求める請願については、可否同数のため、委員長裁決により可決すべきものとされました。そこで、その判断に至った理由や根拠について、委員長の見解を5点お聞きしたいと思います。よろしいでしょうか。
 1点目、請願の表題につきました日本軍「慰安婦」の名称の妥当性について。
 2点目、請願理由で引用されています謝罪の必要性等についての根拠とされているアメリカ合衆国下院121号決議の内容、及びその内容についての見解をお披瀝ください。
 請願要旨の3点目、請願要旨の公聴会の開催についての見解について。だれを、どのように、いつ呼び、開催をするのか。
 4点目、請願要旨の公式な謝罪及び補償についての見解について。
 5点目、請願要旨の歴史教科書への記載についての見解について。何をどう書くのか。その論拠をどこに置くのか。
 以上の点について、委員長の見解をお聞かせください。よろしくお願いいたします。
◆総務企画常任委員長 毛塚和子(公明党 ) 

久野議員の質問に対してお答えをいたします。
今、5点について質問がごさいましたが、ちょっと書きとめられない分もございまして、私といたしましては、この委員会で可否同数という結果になりまして、私、委員長の裁決ということになりまして判断をさせていただきましたが、まず、1点目の名称が妥当かという部分に関しましては、早期解決を図るように意見書を出していただきたいという部分だと思いますが、1979年の第34回国連総会において女子差別撤廃条約が採択をされ、日本は批准をしております。
そういうことから以前にも談話とかいろいろございましたけれども、いろいろな御意見もあると思います。
先ほど御報告いたしましたけれども、委員会でも、本当にそういう事実があったのかという御意見もありました。
ただ、私は、さまざまな御意見はあろうかとは思いますが、真実の部分については早期解決を図る必要があるのではないかという判断で可とさせていただきました。
あともう一点、謝罪の必要性の内容ということですので、これは今の部分でも、事実の部分に関しては謝罪をする必要があるかと思います。
いろいろな問題はあるかと思います。ただ、実際にそういう被害に遭われた方たちにおいては、謝罪をする必要があるのではないかという判断をいたしました。
それから、公聴会についてという御質問だったかと思いますが、どういう方法でやるかという部分に関しましてはちょっと国のほうでの対応になるかと思いますので、ここに関しては私もまた研究をしていきたいと思っております。
公式な補償っておっしゃいましたですかね。     (「謝罪」と呼ぶ者あり)
謝罪と補償という部分に関しましては、以前にアジアで基金のあれをやっていたかと思うんですね。
そこのところで動きはあったかと思うんですが、そのところですかね。ちょっと歴史教科書の部分に関しましては、私の会派でも、私個人的にも、ちょっとここに関しては疑問符なんですね。どうなのかなという部分がありました。
ここの部分についてはちょっと首をかしげる部分もありましたけれども、最終的には可という判断をさせていただきました。
 御存じかと思いますが、平成4年の3月議会で我孫子市議会におきましても、従軍慰安婦などの戦後補償を求める決議案を賛成多数で可決した経緯がございます。
そういうもろもろを勘案して、私としては可と表明をさせていただきました。
○議長(沢田愛子君) 再質疑を許します。久野晋作議員。

◆久野晋作

毛塚委員長、御答弁ありがとうございます。
 1点だけ、全体について御丁寧に御見解いただきましてありがとうございました。
2点目で質問しました、いわゆるEU、またアメリカ、オランダ、カナダ、こういう諸外国の名前が並び、この決議文を請願では理由の1つとされています。
国連でのそういった内容も引いておりますけれども。主に冒頭にあるアメリカの決議文、この内容についてお披瀝をいただきたいと申したんですが、お手元にもしあれば、また、その内容をきちんとそしゃくというか御解釈、御理解の上、御賛成というか、委員長として可を表明されているのかというところをちょっとお聞きしたいなと思いました。
 あとの点につきましては、個人的に討論でさせていただきたいと思います。

◆毛塚和子君

久野議員の再質疑にお答えをいたします。
 アメリカでの決議文につきましては、申しわけございませんが、勉強不足でお答えすることができません。
ただ、私といたしましては、先ほど述べましたように、国連の女子差別撤廃条約を日本が批准しているという部分に関しまして、これに準ずるという部分でしょうか、この辺のところをちょっと御紹介させていただきます。
 批准をした、採決をした経緯なんですが、第2次世界大戦は、世界の人々に改めて戦争の悲惨さを思い知らせました。
このような悲劇を二度と繰り返すことがないようにとの考えから設立された国際連合は、人種、性、言語、または宗教による差別なく、すべての者のために人権及び基本的自由を尊重するように助長、奨励することについて国際協力を達成することというのが国連憲法第13条で述べられております。国連の経済社会理事会により設置された人権委員会及び婦人の地位委員会を中心として、基本的人権の尊重、男女平等の実現について、積極的な取り組みが行われています。
そういう中で、男女平等に関する条約には、経済的、社会的、及び文化的権利に関する国際規約、また市民的及び政治的権利に関する国際規約、婦人の参政権に関する条約等がございますが、人権委員会及び婦人の地位委員会を中心とする努力にもかかわらず、女子に対する差別が依然として広範に存在していることから、こういう女子に対する差別の撤廃に関する制限というのが採択をされている経緯がございます。
 そういう中で、本当に申しわけないんですが、アメリカの決議文は見ておりませんけれども、勉強をこれからさせていただきますが、まずはこの事実の部分に関してはしっかりと謝罪をしながら早期解決をしていく必要があるという部分で可を表明させていただいたということを重ねて申し上げたいと思います。


意見書

日本軍慰安婦問題に関する意見書

 

  終戦から既に64年が経ちますが、いまだに人々の戦争被害の傷は癒されていません。そして、直接の被害者のみならず、その子孫も親世代が傷つき癒されていないことで心痛んでいます。日本軍「慰安婦」問題は、その象徴的なものです。

 

 2007年にはアメリカ、オランダ、カナダ、EUなどの議会において、日本政府に対し、「慰安婦」問題の責任を認めて公式に謝罪することなどを求める決議が採択されています。2008年には、フィリピン、韓国、台湾の議会で採択され、国連などの国際的な人権擁護機関からも早期解決を求める勧告が出されています。国際社会は「慰安婦」問題を現在に通じる重大な人権侵害と認識し、日本政府が誠実に対応することを要請しています。また、日本国内では、2008年の宝塚市を初めとして、2009年12月船橋市と国立市など、全国15の市議会が、政府に日本軍「慰安婦」問題解決を求めて議決をしております。このように、2010年8月に「韓国併合」100年を迎えるに当たり、この問題を次世代に持ち越すべきではないとの意見が、今全国で広がっています。

 

 政府が過去の戦争における女性への人権侵害を公式に認めることは、アジアの人々の戦争被害の傷を癒し、和解して平和的に共存していく今後の道筋をつくることになります。

 

 被害者の訃報が相次ぐ中、一日も早い被害者の尊厳の回復を目指すことが望まれます。

 

 我孫子市議会は、わが国が下記3点を実現することによって、憲法前文にありますように「平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めている国際社会において、名誉ある地位を占め」ることができるよう、切に希望致します。

  1.日本軍「慰安婦」被害者出席のもと、国会で公聴会を開くこと。

  2.日本軍「慰安婦」被害者に対して、公式に謝罪し、補償すること。

  3.日本軍「慰安婦」問題を歴史教科書に記述すること。

 

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 内閣総理大臣

外務大臣  宛

                                                   千葉県我孫子市議会

 

質問状

我孫子市議会 様

質問状

『日本軍慰安婦問題に関する意見書』について

平成23年1月31日

 

平成22年第1回我孫子市議会定例会にて可決された『日本軍慰安婦問題に関する意見書』について、我孫子市議会及び意見書案を提出された議員先生方にお尋ねいたします。

この意見書は、苦しい歴史を生きたアジア各国の女性に配慮した内容で、我孫子市が平和と人権と女性を大切にする自治体であることが理解できます。この意見書が周知されることを望みますが、文中疑問に思う箇所がございますので、質問させていただきます。

 

質問

1.『日本軍慰安婦問題に関する意見書』は(別添1)の通りで間違いございませんでしょうか。間違いなければ次にお尋ねします。

 

2. 意見書は、『日本軍「慰安婦」被害者に対して、公式に謝罪し、補償すること。』として、補償を切に希望しています。

ご存知のこととは思いますが

・慰安婦が日本に賠償を求める裁判は最高裁にて何度も原告敗訴している。(別添2)

・第二次世界大戦時に関する賠償問題は、サンフランシスコ平和条約(1952年4月28日発効)にて、日韓については日韓基本条約(1965年6月22日締結)にて、締結国間で決着済み。(別添3)

・ソウル行政裁判所は、韓国人の個別補償は日本政府ではなく韓国政府に求めなければならないことを2009年8月14日、韓国民に明らかしている。

・日本政府は元慰安婦支援事業「アジア女性基金」に48億円を支出。(別添4)

という事実がございます。

これらの経緯がある中で、我孫子市議会が切に希望する『補償』とは具体的にどういうものなのか説明願います。

 

3.地方自治法第99条には『普通地方公共団体の議会は、当該普通地方公共団体の公益に関する事件につき意見書を国会又は関係行政庁に提出することができる。』とありますが、この意見書が我孫子市の如何なる公益に関する事件であるか説明願います。

 

以上3点につき、ご多忙とは存じますが、我孫子市議会及び意見書案を提出された議員先生方に平成23年3月1日までに郵送にて回答いただきたく、お願い申し上げます。

回答が出来ない場合、または遅れる場合も同期日までに郵送にてご連絡いただけますよう重ねてお願い申し上げます。

以上

別添2,3,4

(別添2)

 

< 慰安婦関連裁判 最高裁 原告 敗訴 一覧 > 

 

韓国太平洋戦争犠牲者遺族会訴訟(金学順、他)

最高裁決定 2004/11/29 上告棄却  原告敗訴

 

釜山「従軍慰安婦」女子挺身隊公式謝罪・補償請求訴訟(関釜裁判)

最高裁決定 2003/3/25 上告棄却「上告理由となる憲法違反はない」 原告敗訴

 

フィリピン「従軍慰安婦」国家補償請求訴訟

最高裁決定 2003/12/25 上告棄却  原告敗訴

 

在日韓国人元「従軍慰安婦」謝罪・補償請求訴訟(宋神道)

最高裁決定 2003/3/28 上告棄却「上告理由となる憲法違反はない」 原告敗訴

 

オランダ人元捕虜・民間抑留者損害賠償訴訟

最高裁決定 2004/3/30 上告棄却  原告敗訴

 

中国人「慰安婦」損害賠償請求訴訟(第一次)

最高裁決定 2007/4/27 上告棄却  原告敗訴

 

中国人「慰安婦」損害賠償請求訴訟(第二次)

最高裁決定 2007/4/27 上告棄却  原告敗訴

 

中国山西省性暴力被害者損害賠償等請求訴訟

最高裁決定 2005/11/18 上告棄却  原告敗訴

 

台湾元「慰安婦」損害賠償・謝罪請求訴訟

最高裁決定 2005/02/25 上告棄却  原告敗訴

 

以上

――――――――――――――――――――――――――

(別添3)

 

日韓基本条約  (1965年6月22日 締結) 

財産及び請求権に関する問題の解決並びに経済協力に関する日本国と大韓民国との間の協定 

 

第二条

1 両締約国は、両締約国及びその国民(法人を含む。)の財産、権利及び利益並びに両締約国及びその国民の間の請求権に関する問題が、千九百五十一年九月八日にサン・フランシスコ市で署名された日本国との平和条約第四条(a)に規定されたものを含めて、

完全かつ最終的に解決されたこととなることを確認する。

 

―――――――――――――――――――――――――

(別添4)

< 日本政府 から国連 女子差別撤廃委員会への アジア女性基金に関する報告 >  

外務省 http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/josi/pdfs/hokoku06.pdf より

 

女子差別撤廃条約実施状況  第6回 平成20年4月

4.アジア女性基金について

 

91.2003年の第4・5回日本政府報告審査を受け女子差別撤廃委員会より出された

いわゆる慰安婦問題に関する最終コメントを踏まえ、以下のとおり報告する。

 

92.日本政府は、1995年7月に設立された「女性のためのアジア平和国民基金」

(通称「アジア女性基金」)の行う事業に対して最大限協力してきた(基金設立以降20

05年度末まで、約48億円の予算を支出)。

 

93.基金は、フィリピン、韓国、台湾において、国民の募金を原資として、一人あたり

200万円の「償い金」をいわゆる元慰安婦に支払うとともに、政府拠出金を原資として

医療福祉支援事業(約5億1千万円)を実施した。その際、本問題に改めてお詫びと反省

の気持ちを表す内閣総理大臣の手紙がそれぞれの方々に届けられている。これらの事業は

2002年9月までに終了した。

 

94.また、オランダにおいては、オランダ側といわゆる元慰安婦の支援の在り方につい

て協議した結果、生活状況の改善を支援するための事業を実施(総額2億4500万円相

当)した。

 

95.インドネシアにおいては、インドネシア政府の意向を尊重し、いわゆる元慰安婦を

支援する事業として、高齢者社会福祉推進事業(高齢者のための施設整備事業)に対し、

総額3億8千万円規模の支援が実施されている。本事業は2007年3月までに終了した。

 

96.アジア女性基金は今日的な女性問題の解決にも取り組んできており、国際フォーラ

ムの開催、NGOが行う広報活動の支援、調査研究事業、女性へのカウンセリングの実施、

メンタルケア技術の研究などにも積極的に取り組んできた。

 

97.アジア女性基金は2007年に解散したが、政府としては、基金を通じたこれまで

の国民及び日本政府の取組の説明に引き続き努力していく。

 

以上

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