Daily Archives: December 29, 2015

「軍の関与」とは? 連合軍翻訳通訳部局(ATIS)調査レポートより

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アジア女性基金資料の資料 http://www.awf.or.jp/pdf/0051_5.pdf のPDF上の164-192ぺージ

ALLIED TRANSLATOR AND INTERPRETER SECTION
SUPREME COMMANDER FOR THE ALLIED POWERS
RESEARCH REPORT
SUBJECT:AMENITIES IN THE JAPANESE-ARMED FORCES I.G.No. 6310 B.I.D.No.1228
DATE OF ISSUE: 15 November 1945

から 軍の規則の箇所をご紹介します。
「当時の軍の関与のもとに、多数の女性の名誉と尊厳を守る努力した」のではないでしょうか。

レポートの画像とPDFはこちら

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慰安所に関する軍の規則
(1943年2月 フィリピン・マニラ)

1945年11月15日、連合軍翻訳通訳部局(ATIS, Allied Translator and Interpreter Section)というところが「日本軍のアメニティー(娯楽、便益)について」というリサーチレポートを作成しました。その中に慰安所の項があり、マニラの慰安所に関する日本軍の規則(1943年2月制定)を英訳掲載しています。

その規則を読むと、慰安婦の意志を尊重し、慰安婦や兵士の健康を気遣い、現代、否現代以上に、衛生面の管理、慰安所におけるマナーが求められていたことがわかります。
たとえば、慰安所設立について事業主は軍の許可を得なければなりませんが、その際慰安婦の履歴書の添付が求められています。これにより、慰安婦の年齢の確認や前職等経歴が判明し、規則にある未成年者の雇用の原則禁止の適則性や慰安婦就業の意志確認がなされていたことと思われます。

又、慰安婦が過重労働で病気になった場合には、その治療費は事業主が7割、慰安婦が3割の負担をすることが規定されています。(これは慰安婦供給が不足し、過重労働になりがちであったことが背景にあるのかもしれません)

定期健診、避妊具の使用、消毒剤等の備付、日々の入浴の勧め、部屋の清掃、果ては部屋の十分な換気や採光にいたるまで規定されています。

兵士側に対しても、避妊具の使用はもちろんのこと、兵士の尊厳にふさわしい行動(騒いだりしてはいけない等)が求められています。

ATTSは次の通り、「結論」としてこれらの厳格な規則は、マニラだけでなく慰安所のあるところではいずれの地域にも適用されていたことが記されています。

1、リサーチレポート結論
○多くの部隊が駐屯するところはいずれにおいても厳格な規則に従い軍当局の許可を得て慰安所が設立されている。
○定期的な性病検査が実施されている。

2、慰安所に関する軍規則(1943年2月)
①パート1 「一般規則」
○慰安所の設立、休止、閉鎖については軍の許可を得なければならない。
○慰安所の利用は兵士、軍関係者に限る。
○他。
②パート2 「事業計画」
○慰安所経営の計画については、定められた様式で事業概要を軍に申請し、許可を得た場合には、職員、慰安婦等について履歴書を添え軍に登録すること。
○人員の変更、増減については許可を求め、健康診断を受けること。
○契約満了後も慰安婦を再雇用できる。ただし健診により不適切と判断された慰安婦については軍は帰国を取り計らう。
○慰安所のマネジャーは各部屋にたんつぼ、トイレ等に殺菌剤や薬剤を備えつけ、待合室に料金表、慰安婦名を掲示する事。
○他
③パート3 「営業」
○軍、軍関係者以外の入場は拒否する。
○営業時間、料金は本規則で決められ、慰安所が決めることはできない。
○マネジャーはすべての収入に関して責任があり、様式に従い収入報告を行う。
○慰安婦の収入の半分はマネジャーに割り当てられる。
○慰安婦の食住等基本生活についてはマネジャーが責任を持ち、その他個人的生活品は慰安婦が自分で賄う。ただし過重労働で慰安婦が病気になった時は治療費の7割をマネジャーが負担する。過重労働かどうかは軍医の判断を基本とする。
○可能な限りマネジャーは慰安婦に対し貯金を奨励する。ただし月30円を限度とする。
○月に1日は従業員の休日に充てること。
○他
④パート4 「衛生管理」
○慰安婦は週に1度、他の従業員は月に1度健診を受けること。費用はマネジャーの負担とする。
○健診結果が陽性の者は就業してはならない。他の感染症も同様とする。
○マネジャーは性病予防のため避妊具を提供し、慰安婦や客に使用させること。
○マネジャーは性病予防のため、トイレその他に殺菌剤を備付、部屋は常に清潔に保ち、必要箇所を消毒し、コンドーム使用しない客は拒否し、日々の入浴、清潔なベッド、採光・通気について等衛生管理をすること。
⑤パート 5 「規律」
○規則が守られているかどうか、軍の担当者は査察を適宜行う。
○慰安所では食事、アルコールを提供してはならない。客の持ち込みも禁止する。
○酩酊者、アルコール保持者、迷惑者は入場が拒否される。
○レストランの利用常連者は、ビール2杯まで、兵士にふさわしくない行動を控え、すべての家具銃器を大切に扱い、軍事の話題を避けること。
○慰安所の常連客は、利用料金を軍票にて前払いし、騒いだり大声で歌ったり迷惑行為を控え、コンドームを装着し更に洗浄を行い、慰安婦にキスしてはならず、軍の安全に関する事項を遵守すること。
○上記の違反は営業取消しを伴う。
⑥パート 6 「特別クラブ用規則」
○特別クラブとは将校、高級軍属のための食料店、レストラン、慰安所をいい、本規則はマニラ管区に適用される。
○利用者は身分証明証を携帯し、携帯しないものは入場を拒否される。現地の人の入場
を避けるため、憲兵の協力を仰ぐ。
○晩餐会、宴会を企画する者は所属部隊の責任者、日時をあらかじめ申告すること。
○原則として未成年者を慰安婦として雇ってはならない。特殊な状況においてはメイドとして雇うことはできる。その場合も含め、未成年者を雇用する場合は許可を得なければならない。
○その他に関してはすべて、認可レストラン、慰安所の規則と同様である。

ATIS 文書 No. 17910, ATIS Bulletin No. 1863
他の場所や南部地域兵舎における規則が記載されている。
内容はだいたいマニラの規則と同じ。

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↓このぺージの左段 9.BROTHELS から先が軍規則についての説明
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