議会での慰安婦論争 1 – 大阪堺市議会議事録より

地方議会によっては、議事録が検索サイトで簡単に調べられます。

堺市議会会議録検索システム http://www12.gijiroku.com/sakai/ から抜粋した慰安婦についての討論部分をご紹介します。

平成22年 3月25日議会運営委員会(1)-03月25日-01号

◆水ノ上 委員  (大阪維新の会堺市議会議員団)
議員提出議案第26号日本軍「慰安婦」問題について政府に誠実な対応を求める意見書の、まず題名、日本軍「慰安婦」問題というものはどういう問題でしょうか。

◆城 委員  (日本共産党)
かつての大戦における日本軍による女性に対する性の問題で、慰安婦という女性の性の関係で非常に悲痛な思いをされ、被害を与えたという問題です。

◆水ノ上 委員  慰安婦というのは、第二次世界大戦中、日本軍だけにあった制度でしょうか。日本軍だけにあった制度でしょうか。

◆城 委員  慰安婦制度があったかどうか、私は定かではありません。日本にあったことは事実であると思います。

◆水ノ上 委員  もちろん日本には、慰安婦、慰安所というのがございました。でも、世界じゅう、世界の軍隊、特にヨーロッパの軍隊でも慰安所というのはありました。第一次世界大戦でもありました。第一次世界大戦のときに、日本は向こうのヨーロッパ戦争を見て、そこで慰安所があるのを知って日本軍にも取り入れたというふうに聞いております。もともと日本軍が発明したものでもなければ、やり始めたものではない。ですから、現に第二次世界大戦、ドイツでもロシアでも慰安婦というのはありました。
 その中で悲痛な思いをした女性は世界じゅうにおったでしょうけれども、日本軍の慰安婦だけを問題視される、特に日本軍の従軍慰安婦を問題にされる理由は何かあるんでしょうか。

◆城 委員  時の政府、日本軍によってそうしたことが行われたという事実はあるということで、当然これは責任があると思います。

◆水ノ上 委員  日本軍がどういうふうな関与をしたというふうにお考えでしょう。

◆城 委員  日本軍がですか

◆水ノ上 委員  そうです。いかがですか。

◆城 委員  政府と日本軍による慰安所の設置ということです。

◆水ノ上 委員  慰安所の設置をして、慰安婦というのは、このときは公娼制度があって、いわゆる売春で、それは違法ではなかった。日本国内でもありましたように世界じゅうにもそういうなのが、軍隊の中にもそういうのがありました。それは確かです。軍隊の中であった。ところが、特に日本軍によって何か悲痛な、特にその方々が悲痛な思いをしたというのがあるんでしょうか。

◆城 委員  実際に被害に遭われた方の証言から、それはもう事実でありますし、実際ですね、そうしたことが事実であるということも証明されていると思っております。それが日本軍、時の政府、そしてそのことに対して補償、償い、陳謝という問題で、この意見書を出させていただいているというふうに考えています。

◆水ノ上 委員  軍と性の問題というのは非常に難しい問題で、ずっともう有史以来、軍のあるところにはそういう女性への暴力なり、そういう慰安所なりがつきまとっている問題でして。
 ただ、日本軍は、この中でアメリカ下院とかEU、いろいろ問題視されているということになっておりますけれども、日本軍だけが何か慰安所で女性に対して性奴隷という悲痛な思いをさせたというようなことがあるのかどうか。特に日本軍だけそういう思いがあるのは、どういったところにあるんでしょうか。

◆城 委員  いや、日本軍だけという限定はしておりません。日本政府としてということですから、ほかのことについてどうこうという点で言えば状況がいろいろあるかと思いますけども、これは日本軍と政府における、私たちは犯罪という認識をしていますから。それで言えば、この意見書との関係で言えば、諸外国ではこの問題についてもいろいろ関心が高まりながら議決もどんどん進んでいっているという状況の中で、その点で言えば日本の認識は相当おくれているという認識をしてます。

◆水ノ上 委員  今、政府と日本軍の犯罪とおっしゃいましたけれども、犯罪性はどこにあるんですか。

◆城 委員  当時、軍と政府によって一方的に、それは内容で言えば証言からも明らかだというふうに思いますけれども、当時、素人であった方々が強制的にそのような状況に置かれていったというのは事実だろうと思っております。

◆水ノ上 委員  強制的に連れていったのは、だれが連れていったんですか。

◆城 委員  軍と政府による、そのときのですね。そのときの、戦争というのは非常に、常識、人権も無視されるというような状況があるというのは、もう皆さんもご承知のとおりだと思うんですね。自分の意思ではどうにもできないという、そういう働くのが戦争やというように思うんです。そういう中から強制力が働いたと思います。

◆水ノ上 委員  強制力。だから、軍や政府、官憲が連れていったということですか。

◆城 委員  連れていったという部分もあると思います。

◆水ノ上 委員  このEU、このアメリカの下院で議決され、オランダ下院、EUの議会とかあるんですが、]
その中で言われているのが日本が性奴隷にした、強制的に連行したという恥ずべき行為です。実際、その描写もあるわけですね
。なおかつ、河野談話、その2つ。
 そもそも、この日本軍慰安婦が出てきたのは1980年代の後半、89年に吉田清治という人間が、83年ですか、
「私の戦争犯罪・朝鮮人強制連行」という本を発表して、その中に済州島に実際行って自分が強制連行してきたと、
泣く泣く女性をトラックに入れて運んだというような証言をしているんですね。この吉田清治ってご存じですか。
吉田清治さんを知らないですか。この吉田清治さんは共産党員ですよ。

◆城 委員  いや、知らない。

◆水ノ上 委員  1947年、下関市の市議会議員選挙で、吉田清治さん、共産党から立候補しております。この方が。いや、共産党員。

◆城 委員  そんな事実は、私は認知しておりません。

◆水ノ上 委員  調べてください。それは事実ですから。

◆城 委員  いや、調べるつもりはない。

◆水ノ上 委員  そうですか。その方がそういう本を書いて、後日、これはうそだったと言っているんです。創作だったと、この本は。

◆城 委員  その事実も、私は認識はしておりません。

◆水ノ上 委員  そうですか。要は共産党と、この人は共産党員かどうか知りません、共産党と密接な関係があったこの人間が、そういう「私の戦争犯罪・朝鮮人強制連行」というのを書いて、その方は韓国に行って謝罪もし、碑も建て、ここで自分がこういうことをやったということを言った。その後、済州島に行った学者たちが行って調査したら、そんな事実は全くない。済州島の人たちも、そういうことがあればわかっているはずだと、それはもう完全に捏造だと。それで、そういうところを突き詰めたら、その本人はうそだったと、創作だったと認めたわけですね。その方は何でそういうことを言うたんやというたら、これはある本では、もう一度選挙に出るために目立つためにそういうことを言うたということを言ってるわけですね。もともと、そのでっち上げからこの慰安婦問題というのは始まっているんです。
 今でも、それ以外に強制、証言はいろいろあります、本人が連れ去られたという証言はいろいろありますけれども、目撃者は私は存じておりません。あの子が連れていかれたという目撃者は一人も私は知りません。証言は、確かに連れていかれたという証言は幾つかある。
 ですから、今のEUとかそういうアメリカの下院の、そういう日本軍が強制的に連れていったという描写はすべてこの吉田証言によっているわけです。うそだと本人が言うてるにもかかわらず、ひとり歩きして、今でもその描写が使われて日本が悪者にされている。ですから、日本軍慰安婦問題といいますけれども、もともとは共産党と密接に関係のあった者のでっち上げから始まっているんです。

◆城 委員  そういう勝手な解釈はやめてください。

◆水ノ上 委員  いやいや、これは調べてください。

◆城 委員  調べるつもりもない。

◆水ノ上 委員  いやいや、違う。調べてくれというか、勝手な解釈ではありません。

◆城 委員  議題とは関係ない。議題とは関係ないです。

◆水ノ上 委員  いやいや、あらゆる角度からこれを審議するということですわ。もともとそういうところから発して、共産党の皆さんがこの意見書を出している。言うたら、マッチポンプで、自分でやっておいて、火をつけて、こんなふうに。

◆城 委員  事実認識が誤っているんと違いますか。

◆水ノ上 委員  いやいや、事実認識1回してください。休憩とってもいいですよ、本当に

◆城 委員  いや、そんなするつもりはないです。

○小郷 委員長  かなり時間がたっておりますので、特に時間を設けておりませんけども、とりあえずこの議論をまとめていただきたいというように思いますが、どうですか。

◆水ノ上 委員  きょうはもうとことん審議を尽くすつもりで来ておりますので。この間の山口委員のあれでは、もう十分な審議を尽くしていただきたいというふうに前の答弁のときにもおっしゃっています。だから、十分な審議を尽くした上でやりたいと思います。
 この点については非常に大事なことで、共産党さんから出されたということ、そういう意図があるんか。
 あと、河野談話ですけれども、これはまた後で山口委員に対してお聞きしたいと思いますけどね。河野談話では、16人の証言によって従軍慰安婦が強制的に連行されたというふうになっているんですけれども。ここでは、この意見書では1993年の河野洋平官房長官談話と矛盾した対応をとらないこととなっているんですが、この官房長官談話は16人の証言から出てきた談話ですが、この16人の証言は一切公開されていません。それで、矛盾した対応をとらないことといいますけれども、河野官房長官談話というのはどんな談話でしたか。ちょっとお聞きしたいと思います。

◆城 委員  基本的には歴史事実を認めるということと、謝罪をするということが基本ではないかと思います。私、ちょっとそのものを持っていませんので、具体的な最終の内容は今ちょっとわかりませんけども、そういうことやったと思います。

◆水ノ上 委員  この河野談話の一番ネックは官憲が関係したという、政府官憲がそういうことに関与したということが非常に大きな問題。だから、それが世界じゅうのそういう議会、議決で問題になっているわけです。女性が悲痛なことというよりも、官憲が関係というか関連をしたという、その官憲が関係をするということが事実かどうかというのは、これは全く証明されていないんです。その16の証言がもし公開されればはっきりすると思いますけれども、一切非公開となっている。その中で、河野談話だけがひとり歩きをして各地でこういう日本に不利になるような議決をしている。そこに大きな問題があって、私は、河野談話のもとになったこの16人の証言がオープンにならん限り、この慰安婦問題というのは原則的に解決できないと思います。ですから、河野談話のもとになった証言をオープンにせよという意見書なら私はいいと思うんですが、もう河野談話ありきで話しするのは非常におかしいと思います。

◆城 委員  この内容をお話しするときに、事実関係、諸外国とのことをお話しすると思うんですけども、女子差別撤廃委員会という国連の機関の委員会がありまして、去年の7月20日から8月7日までということで委員会の最終見解というのを出しているんですね、出しておると思うんですね。その中でも紹介してますけども、委員会は、「慰安婦」の状況に対処するために締約国がいくつかの措置を講じたことに留意するが、第二次世界大戦中に被害者となった「慰安婦」の状況の恒久的な解決策が締約国において見出されていないことを遺憾に思い、学校の教科書からこの問題への言及が削除されていることに懸念を表明すると、これは日本に対してですね。委員会は、締約国が「慰安婦」の状況の恒久的な解決のための方策を見出す努力を早急に行うことへの勧告を改めて表明するというような内容になっております。この取り組みには、被害者への補償、加害者の訴追及びこれらの犯罪に関して一般国民に対する教育が含まれているという問題も含まれている点で言えば、世界的にはこういう認識が当然ということになっているという認識をすべきではないかなというふうに思います。

◆水ノ上 委員  そのもとになったものは、吉田証言と河野談話だけなんです。だけとは言いませんけれども、そういう部分つきの証言はあったかわかりませんけれども。もうそれが、ヨーロッパも慰安所があり慰安婦がいました。その中で、日本軍だけをターゲットにして、政府にそういう誠実な対応を求めろと、国連やそういうところと呼応してやるのも非常に私は問題だと、このように思います。そういうことをすべきやない。もっと真相を究明してしかるべきだと思います。その中で、うその吉田証言がどれだけそれに影響を与えているか、まだ明らかにされていない河野談話がどれだけこういう議決に影響を与えているか、それを徹底的に追求してからやるべきだと私は思います。
 それ
ともう一つお聞きしたいんですが、すべての被害者への1日も早い尊厳回復と言いますが
、すべての被害者、これは一体何人ぐらいの被害者がいると思っているんですか。

◆城 委員  今現在では、ちょっと資料もありませんのでわかりません。

◆水ノ上 委員  いや、すべての被害者ですからね。大体どのぐらいだというのも頭になく、こういう文書をつくるんですか。

◆城 委員  いや、被害者に対しましても、今問題になっているのは被害者が高齢になってきてどんどん亡くなっていっているという。この解決せずして命を絶っていっているという、みずからと違いますよ、高齢化しているという、こういう現状を見たときに1日も早くという点でありますから、今現在何人の被害者というのは認識していません。

◆水ノ上 委員  被害者というのはどういう考え方ですか。

◆城 委員  そういう行為をさせられた方と。

◆水ノ上 委員  慰安所に。

◆城 委員  そうそう。

◆水ノ上 委員  そしたら、このすべての被害者というのは、国籍はどういう国籍ですか。

◆城 委員  いや、国籍は別に関係ないと思います。人間として、人間としてだと思います。

◆水ノ上 委員  大体、それなら慰安所にいらっしゃった方全員が被害者とおっしゃるんやったら、大体何人ぐらいでしょう。

◆城 委員  いや、それはちょっと認識してません。そのことをきちっと、この解決するという立場に立って、どのような被害がどの程度あったのかということで、その気になって政府も含めてきちっとやるべきだと私は思います

◆山口 委員 クリエイティブ フェニックス
 今、水ノ上委員のほうから、るる歴史考証的な見解の違いが述べられておりますけれど、ここは議運に付託されておりますのでそういう質疑も結構かと思うんですが、慰安婦問題につきまして、いきなりこういう細かな点について知ってるんか、知ってないのか、数字は何ぼやというような議論というのは、非常にセンシティブな問題でありますので、公式にこれは議事録に残っていきますのでね。そういったものというのは、るる我々も、そういった歴史考証とか、水ノ上委員のような考え方がこの世の中にも確かにあるということを踏まえた上で今回の意見書を提出しているわけです。
 前回の議会で継続審査になったときにですよ、今あなたがおっしゃっているようなことは各会派に対してやっぱり働きかけるべきだったと私は思う。今回の提案されている共産党の原案にしましても、我々が出した修正案はまだ議題に上っておりませんけれども、そういった中で、いろいろな考え方がある中で、各会派がきょうの日までにという期限で議論し、お互いがいろいろと考えた上できょう出してきたんです。ですから、そういったことを踏まえた上で、ご意見はるるあるでしょうけれども、じゃ水ノ上委員はこの意見書に対して賛意を表明されるのか、反対であるのかということを、きょうは議会で、できたら簡潔に表明をしていただけたらと思うんですけれど。

◆水ノ上 委員  この日本軍慰安婦問題、この問題の本質がわからない。私自身は、こういう問題についての、先ほども申し上げたとおり、その経過といい、今言われている結果といい、事実に基づかない、基づくかどうかもわからないことでつくられていることに対して賛成も反対もできない。だから、皆さんにお聞きしているという立場です。もちろん、批判的な意味でもありますよ。
 ただ、こういう問題は決して日本軍だけの問題じゃないのに、なぜ日本軍だけがそれを悪者にされてやるか。世界じゅうであるじゃないですかと思います。女性の人権を守る、私はこれは大事やと思います。それはもちろん大事やと思う。しかし、日本の名誉とか、いわれもなき汚名を着せられることについては耐えがたいと思うから、ここで議論をしている。
 ですから、すべての被害者といって、どのくらいの方々が慰安所におったかわからない。その中で、その議論すらできないんと違いますか、すべての被害者を何でも一くくりにして、どういう被害者がどこにどれだけおったか。韓国では20万人が強制連行されたなんていう説もあるんです。慰安所には日本人もおったし、他の台湾人も、台湾の人らもおったし、ほかの方々もおると。日本の慰安婦の方々は全く声を上げてない。

◆山口 委員  上げてますよ。

◆水ノ上 委員  わずかです。

◆山口 委員  わずかですけど、上げています。

◆水ノ上 委員  その中で、そういう人権も考えて、もう幅広く、ヨーロッパにもおったわけです。

◆山口 委員  そうです。

○小郷 委員長  水ノ上委員、今いろいろ議論していただいていますけども、私としては、聞いておったら、この議論はいつまでたっても決着がつかないというふうに思いますので。もう一定かなり時間がたちましたので、私としては、水ノ上委員の言うてる主張もよく理解はできますし、あなたのお考えで、質問をし、十二分に理解した上でやりたいということはわかるわけですが、できれば修正案も出ております。それで、この案に対してどうなのか、こういうふうな、そろそろ議論をできればしていただくようにお願いしたいというふうに思います。何も抑する気はありませんから。よろしいですね。
 かなり時間たちました。時間も決めてませんけれども、一定15分、30分程度、委員会の発言時間をめどにというふうなことで進めさせてもらいたいというふうに思います。

◆水ノ上 委員  今の共産党さんに対する質疑はもう、これで。

◆西林 委員  大阪維新の会
この記の中の3、慰安婦問題の責任を認め、公式謝罪と補償を行うことというのがありますけれども、
この補償というのは一体何を考えておられるんですか。

◆城 委員  まず謝罪することが大事でありますし、
あと被害者が相当高齢になっているという、そういうこと。今まで迷惑かけたという、こういう補償だという意味です。

◆西林 委員  だから、それは何ですか。

◆城 委員  それは、賠償金なり、何という名前にしたらいいんかわかりませんが。
私は謝罪をして、そしてそれに対する賠償だというふうに私は思います。

◆西林 委員  その謝罪というのは、先ほど、この1番にも書いてはりますけれども
、当時の官房長官という公の立場にある方がそのような発言をされてますけれども、
それが公式な謝罪にはならんということなんですか。何回せえと言うんですか。

◆城 委員  ならんと思ってます、はい。政府がきちっと機関として認めるということが大事、
それをまた世界に発信をするということが大事だと思います。

◆池田 委員  この意見書の本文の最後の部分なんですけど、この慰安婦問題に関する記述もさることながら、
これを解決すること自体が現代における女性への暴力を初めとする女性たちをめぐる諸問題の解決に大きく寄与するというような
ロジックになっておりますけど、これはどういう意味合いで書かれておられるんですか。

◆城 委員  性暴力の最たるものだというふうに思うんですね、当時の慰安婦問題という点でいえば。
そういうことからすれば、ここをやっぱりきちっと解決しないと、女性差別等の問題についても、
ここが根幹になるんじゃないかなというふうに考えています。
 今は、男女共同参画ということで国の取り組みもしていますけども、
そういった中にもこういう問題もきちっと位置づけることが私は大事だなというふうに考えています。

○小郷 委員長  修正案も、次に出ております。できましたら、
共産党さんに対するこの原案に対しての質問についてはここで終わって、次に進みたいと思いますけど、よろしいですか。
   (「異議なし」の声起こる)
 それでは、そのようにいたします。

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△平成21年議員提出議案第26号 日本軍「慰安婦」問題について政府に誠実な対応を求める意見書に対する修正案
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○小郷 委員長  それでは、本日付で山口委員及び吉川委員から提出されました議員提出議案第26号に対する修正案を議題といたしたいと思います。
 提案理由の説明を求めます。
◆山口 委員  お手元に配付させていただいておりますとおり、平成21年議員提出議案第26号日本軍「慰安婦」問題について政府に誠実な対応を求める意見書に対する修正案といたしまして、ここに表記しておりますとおり修正をさせていただき、共産党さん案を存分に尊重し、各会派との調整のもと、公明党の皆様とともに共同提案をさせていただいております。文面のとおりでございます。よろしくお願いいたします。

                                 平成22年3月25日

議会運営委員会
 委員長 小郷 一 様
                        提出者
                         委員  山 口 典 子

                         委員  吉 川 敏 文

                修正案の提出について

 下記の修正案を別紙のとおり会議規則第66条の規定により提出する。

                     記

      「平成21年議員提出議案第26号 日本軍「慰安婦」問題について
      政府に誠実な対応を求める意見書」に対する修正案

 
      「平成21年議員提出議案第26号 日本軍「慰安婦」問題について政府に誠実な対応を求める意見書」に対する修正案

 平成21年議員提出議案第26号 日本軍「慰安婦」問題について政府に誠実な対応を求める意見書を次のように修正する。

 表題中「日本軍」を削る。
 本文を次のように改める。
 かつての戦争において、日本が近隣諸国の人々に多大な被害を与えてから、64年が経過する。しかし、いまだに戦争被害の傷は癒されていない。
 平成19年(2007年)7月にはアメリカ下院議会が、「旧日本軍が女性を強制的に性奴隷にしたことを公式に認め、謝罪するよう日本政府に求める決議」を採択している。
 そして、アメリカの議会決議に続いて、オランダ、カナダ、EU議会などでも同種の決議が採択され、国連などの国際的な人権擁護機関からも早期解決を求める勧告が出されている。
 わが国においては、平成7年(1995年)7月19日、日本政府のイニシアチブにより、「女性のためのアジア平和国民基金」(アジア女性基金)が設立され、国民から寄せられた募金総額5億6500万円余は、フィリピン、韓国、台湾における285名の元「慰安婦」に「償い金」として届けられたという経緯があった。
 しかし、平成21年(2009年)7月には国連女性差別撤廃委員会第44会期の最終見解においても、第37項では「慰安婦」の状況に対処するために、日本政府がいくつかの措置を講じたことに留意するが、第二次世界大戦中に被害者となった「慰安婦」の状況の恒久的な解決策が見出されていないことを遺憾に思い、学校の教科書からこの問題への言及が削除されていることに懸念を表明するとしており、さらに第38項においては、日本政府が「慰安婦」の状況の恒久的な解決のための方策を見出す努力を早急に行うことへの勧告が改めて表明された。
 よって、国及び政府においては、「慰安婦」問題の真相究明、被害者の尊厳回復とともに、女性に対する暴力などの今日なお存在する女性の人権侵害の解決に向け、誠実な対応をされるよう要望する。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 平成22年3月29日
                                    堺 市 議 会

○小郷 委員長  提案理由の説明が終わりました。
 これに対しての質疑はありませんか。

◆水ノ上 委員  これ、さっきも同じことですけど、慰安婦問題、「日本軍」を削るということですね。慰安婦問題がどういうことかというのは一文もここにないんですが、これでは慰安婦問題の核心、こういうものが慰安婦問題というのは触れなくて、慰安婦問題という表題だけというのは意見書としておかしくないですか。
◆山口 委員  いや、日本軍慰安婦とか従軍慰安婦とかという表記でされてきておりました。自民党政権時代には従軍慰安婦問題として公式に取り扱われておりましたが、実際に被害者の女性たちのほうから、決して従軍ではない、強制連行されたんだというケースもあるということで、今は日本軍とか従軍とか、慰安婦とも言わない人たちもあります。もっと厳しい言葉で言えば、「当時の日本軍によって性奴隷とされた」という表記もあるため。
 それと、もう一つの理由につきましては、これを例えば英語に直した場合に、一般的に現代の中で日本軍と言ってしまったら、これが自衛隊も含まれるというような誤解を招くおそれもあるという見解をお持ちの会派もありまして、一般的に慰安婦問題とさせていただきました。

◆水ノ上 委員  いや、そうではなくて。慰安婦問題はいいんですけれどもね。慰安婦問題がどういう問題か、慰安婦問題とは何ぞやというのが。

◆山口 委員  慰安婦問題というのは、戦争という国家的暴力、そのときの政府について、女性の性というものが兵士を慰めるため、兵士を士気するためという形で、あるいは民族浄化の名のもとに敵軍の兵士が敵国の女性を強制的に強姦、暴行して殺したり、自分の民族の子どもをはらませたり、そういった行為に関して総合的に、私はこれを慰安婦問題だというふうな理解をしております。ここに書く必要はないと認識しておりますから書いておりません。

◆水ノ上 委員  慰安婦問題がどういうものだということを定義せずに、慰安婦問題について誠実な対応を求める意見書というふうに出すのはおかしいんじゃないですか。慰安婦問題が何かわからないじゃないですか、これで。

◆吉川 委員 クリエイティブ フェニックス
 私どもは広くこの慰安婦問題というのをとらえておりまして、いろんな今議論されている中身もございました。当然、先ほどおっしゃった河野談話についても認識をしておるんですが、広く日本国内で、あるいは世界で、このことが議論をされている、このことも一つの慰安婦問題だというふうに思っているんです。
 少し先走って考えを述べさせていただくと、そういうふうなさまざまな、先ほど慰安所があったということもおっしゃっていました。世界のいろんな国が同じことをやっているじゃないかと、なぜ日本軍だけがというとらえ方ではなくて、そういう事実を世界もつくったかもしれないけれども日本もつくってしまった、そのことをまず認識して、そのことに対して日本政府として、先ほどおっしゃった真相究明も当然やる姿勢を見せないといけないでしょうし、敷衍して言うならば、今世界になお存在するそういう女性の人権侵害の解決に向けて日本が積極的にリーダーとなって、その問題を解決していかないといけない、その一つの象徴しての言葉としての慰安婦問題というふうに我々はとらえておりますけれども。

◆水ノ上 委員  全く理解できん。この慰安婦問題という表題という以上は、今山口委員がおっしゃったことを、慰安婦問題がこういう問題だと、こういうことを日本がしてきたから、こういう批判を受けているんやと。それに対して日本の政府はその真相究明と被害者の尊厳回復をせえと言うならわかるけれども、そういう日本軍慰安婦問題というものを、この言葉だけで内容を説明せずに意見書を出されても、全くこれは意見書の意味がない。
 まず、今そういうふうに山口委員がおっしゃったんやったら、そこを書いて、慰安婦問題とはこうやと、それからじゃないんですか。

◆吉川 委員  この修正案の文書に書いていますように、世界がいろんな認識を示しているということも一つの慰安婦問題だと。こうした事実を、それを総括して慰安婦問題だというふうにこの意見書は述べていると我々は認識しているんですけども。

◆水ノ上 委員  慰安婦問題もいろんなとり方がありまして。ですから、そのとり方があるんですから。だから、ぼかすんじゃなくてはっきりと提案者が言うべきだと。
 例えば官憲が関係して連れていったとか、そういう日本軍の慰安所の女性たちが、それは強制的に働かされて悲痛な目に遭ったんだと、そういう具体的といいますか、そういう慰安婦問題というのは何の問題かというのがわからんのに、ただ他の国でそういう議決がされて、日本を非難する議決がされて、慰安婦に対する議決がされた。そういうことを書いて、そういうことから日本も、国・政府もやらなあかんというのは、僕は筋としては違うと思う。まず、慰安婦問題とは何ぞやというのをはっきりしてほしい。そうでないと議論もできない。どう思います。

◆吉川 委員  この問題を、我々は国及び政府に対して要望を申し上げるわけなんですが、今おっしゃったように慰安婦問題というのは定義できない部分もたくさんある。実は我々も、この修正案をつくる過程で2ページも3ページも文章をつくった経緯もあるんです。でも、それでも、要するに言葉として、全部これが慰安婦問題という定義をはっきりさせたものはない、ないというか表現し切れない。したがって、こういう文章にならざるを得なかったということもご理解いただきたいんですが、そういうことも含めて、この問題の真相究明をするという政府の姿勢を、我々は求めたいという意見書にしなければならないんじゃないかというふうに考えておるんですけどね。

◆水ノ上 委員  下から3行目の、国及び政府においては、「慰安婦」問題の真相究明と書いていますね、真相究明。慰安婦問題の真相究明というのはどういうふうな意味なんでしょう。何を真相究明するんでしょう。

◆吉川 委員  まず、事実をしっかりと認識し、日本政府として正式にこの事実に対しての見解を表明された場所はないと我々は認識しております。公明党自身も、それを公明党の姿勢として発表したこともない。しかし、そういうさまざまな世界でこれが問題視されているということに対して、その事実がまずあったのかどうかというところまでさかのぼって、そこから今何をしなければならないのかということも含めて、そしてそのことについてどう考えるのかということも含めて、それをはっきりさせるという姿勢を示していることが、私は真相究明だというふうに考えております。それはちょっと山口委員と意見が違うのかもしれませんが、我が会派としてはそういうふうに考えています。

◆水ノ上 委員  私は、まず慰安婦問題という意味が。他のこういう、時系列でそれを出されて、それをもって真相究明と言うても、なかなかもうぴんとこないと思います。
 ただ、先ほど共産党さんにも言ったこと、同じことを繰り返しても何ですけれども。ただ、どのくらいの被害者がいるのか。例えば韓国の人、台湾の人、いろいろおるけれども、その民族にどれだけの人がいたのか、そういうこともご存じでしょうか、どうでしょう。

◆吉川 委員  私どもが修正案を出させていただいたのは、共産党さんが出された意見とは違うと、したがって修正案を出したということでございまして、共産党が出された意見書では、やっぱりこのままでは我々は同意できない、だから修正案を出させていただいたと。

◆水ノ上 委員  先にそこを聞くべきでした。済みません。修正案を出された理由を聞くのを忘れていました、済みません。まずは共産党さんが出されて、修正案を出された。共産党さんのどこがあかんと修正出された、そこを聞くのを忘れてました。済みません、申しわけない。

◆吉川 委員  それは、この修正案に書いてあるとおり、共産党さんがこの1、2、3、4というふうに出されていますけれども、我々はそれに真相究明という部分では同意できる部分もありますけれども、同意できないという部分もありますので、最終この修正案の文案に書かれている趣旨でということなんです。

◆水ノ上 委員  この修正案の1行目、かつての戦争において、日本が近隣諸国の人々に多大な被害を与えてから、64年が経過する。しかし、いまだに戦争被害の傷は癒されていない、こういう歴史観、いろんな歴史観がある。そういう面もあるけれども、日本が貢献した面もあるということ。
 まず最初に、もうこういう文章が来た段階で、私なんかはこれはもう全然受け付けないわけです、あと何があっても。歴史観が違うから。いい、悪いは違いますよ、皆さんでもいろいろ違う。それで、もう他の議会がこうなっておるだとか言われて、まさにそういうところから始められたら、日本を攻撃するための意見書というふうにしか見えないわけです。
 先ほど申し上げたとおり、慰安婦の真相究明、もうその以前の河野談話の真相究明は、私は絶対必要やと思う。自民党時代は、あれは出せなかった。ですから、民主党にかわって、ぜひあれを出してもらって、それで専門家の方々に見てもらって、それこそ真相究明してもらったら事実が判明するだろう。そこからだと思うんですね。それ、もう河野談話がひとり歩きして、政府が認めたからということで各世界じゅうの議会がこれをやるわけです。まずそこからやること、そういう意味でも真相究明というのが出ている、反対じゃないんですけれど、そういう意味では。ただ、この慰安婦問題という全体をとらえた場合、それで出だしの、日本が多大の被害を与えたということからして、流れからして、私はもうこれは賛成できない。ここは意見言う場所ではありませんけれども。

○小郷 委員長  わかりました。もう時間もかなりたちました。制限時間は特に規約にはありませんけども、打ち切ります。打ち切って、次に入りたいと思います。
 討論に入りたいと思います。討論は、議員提出議案第26号の原案及び修正案を一括して行います。
 ご意見はありませんか。

◆西林 委員  自民党堺市議団、自民党・市民クラブを代表いたしまして、今提案されております「慰安婦」問題について政府に誠実な対応を求める意見書についての意見、討論をさせていただきたいと思います。
 今回、市民の方々から堺市議会に対して慰安婦問題について意見書提出の要望がありました。これまでの日本政府は、慰安婦問題に関して、平成3年12月以降、全力挙げての調査を行い、平成4年7月、平成5年8月の2度にわたりまして調査結果を発表、資料を公表し、内閣官房において閲覧に供してきました。また、平成5年の調査結果の際に表明した河野洋平官房長官の談話において、多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた問題であるとして心からのおわびと反省の気持ちを表明し、以後、日本政府は機会あるごとに元慰安婦の方々に対するおわびと反省の気持ちを表明してきました。
 慰安婦問題が多数の女性の名誉と尊厳を傷つけた問題であることから、日本政府及び国民のおわびと反省の気持ちをいかなる形であらわすかにつき、国民的な議論を尽くした結果、平成7年7月19日、元慰安婦の方々に対する償いの事業などを行うことを目的に財団法人女性のためのアジア平和国民基金が設立されました。日本政府は、この問題に対する道義的な責任を果たすという観点から、同年8月、アジア女性基金の事業に対して必要な協力を行うとの閣議了承を行い、アジア女性基金が初期の目的を達成できるように、その運営経費の全額を負担し、募金活動に全面的に協力するとともに、その事業に必要な資金を拠出するなど、アジア女性基金事業の推進に最大限の協力を行ってきました。また、日本政府は、女性に対する暴力などの今日なお存在する女性問題を解決すべく積極的に取り組んでいくことも将来に向けた日本の責任であると考え、アジア女性基金が行ってきた女性問題の解決に向けた諸活動に政府の資金を拠出するなどの協力も行ってまいりました。
 国際的には、我が国の慰安婦問題に対する以上のような取り組みは、平成9年8月、国連人権委員会の下部機関である差別防止・少数者保護小委員会において、本問題の解決に向けてこれまでなされた前向きの処置であると評価する旨の決議もされております。さらに、平成10年のクマラスワミ報告書にも、我が国の慰安婦問題に対する取り組みを歓迎すべき努力と評価しており、本問題に関する日本のこれまでの取り組みに対し国際社会が一定の理解を示していると考えられます。今日的な女性問題に関する国際的な相互理解の増進という観点からも、これは大きな意義があると考えております。
 しかしながら、さきの大戦において不幸なことに直面した女性はこれだけでは当然ありません。何よりも、多くの日本人女性が、中国大陸、太平洋諸島において女性として最悪の辱めを受けたことは紛れもない事実としてあります。中でも、沖縄戦などにおいて、米兵による日本人女性に対する辱めは、人権上絶対許されるものでなく、いまだ陳謝の言葉すらありません。また、我が国は、北朝鮮による拉致問題という人間の尊厳、人権及び基本的自由の重大かつ明白な侵害である重要課題にも直面いたしております。
 もとより、歴史認識は、国や人種、宗教が変わればその評価も変わるということが世界の常識ではありますが、日本人として同じ日本人が受けた許せぬ問題に毅然として対応できていないにもかかわらず、他国からの圧力により、日本政府の解決すべき課題を誤った方向に進めてしまう決議要請には賛同できないということを申し上げまして、討論とさせていただきます。

◆水ノ上 委員  今までずっと質問をしてきましたので、改めてということでもないんですが、でも、改めてお願いしたいと思います。
 もともと、この慰安婦問題は吉田清治という詐話師の「私の戦争犯罪・朝鮮人強制連行」という著書が出されたところから始まります。それで、この方が韓国に行き、謝罪をし、そういう証言をした。それをもとに韓国は映画をつくったりして、それが世界に発信されて、そのイメージが非常に強くついた。しかし、この方は、それは創作であると認めたものであります。ということで、うそから始まった問題だと思います。
 その後、慰安婦と言われる方々が、証言が出てきました。しかし、その証言も、当初はキーセンに売られたと言いながら、証言がころころ変わる、どれが正しい証言かわからないということもございました。また目撃者というのも、私の知る限りございません。ですから、何のそういう確定的な事実がなく、この問題が進められたと。
 なおかつ、河野談話、河野官房長官、当時の官房長官の談話が、河野官房長官の歴史観と、それと韓国政府との交渉、なおかつ16人の元慰安婦と言われる方の証言をもとに出されたわけです。その中には、官憲によってこれを進めたこともあるという河野官房長官の談話がある。吉田証言と、それから付随する映像または証言の中身、それと河野談話が相まって現在の慰安婦問題が進められ、日本軍の相手をした慰安所、慰安婦だけが悪者にされてきたわけでございます。
 そういう歴史的事実から、私は、事実からかんがみますに、今回出されている慰安婦問題の意見書については、もともと慰安婦問題ということから私は賛成はできませんし、この共産党さんの出されているものについては、河野談話と矛盾した対応をとらないと、河野談話自体がどうか怪しいのに、それと矛盾した対応をとるのは言語道断とも言っております。
 また、修正案が出ておりますが、先ほど来議論しましたが、慰安婦問題という定義がはっきりしていない。何を解明するのか。その解明も、そのことも提言されない中でこういう意見書を出されても、効力といいますか、そういうものはないだろうと。
 ですから、私は求めるべきは、今までの、先ほど申し上げたとおり、吉田証言が今の世界の議決にどれだけ影響があるか、また河野談話が影響があるのはわかっておりますが、河野談話の真相究明をすることがこの慰安婦問題の核心であり、その後、日本軍の慰安婦が是か非かということを判断されるべきだと思いますので、この意見書については反対の表明をいたします。

◆城 委員  私どもの意見書に対する修正案を出されましたので、修正案についての意見を申し
上げたいというふうに思います。
 この意見書につきましては、さきの12月議会で動議が出されまして、ぜひ多数で議決、できれば全会一致で議決したいと、そのための協議をしたいということで継続審査となりました。私どもはそれを受け入れて、この間協議をしながら進めてきたつもりです。
 この出されております意見書ですけども、私どもの出した分と、先ほど吉川委員が言われた違う部分もあるという、こういうこともありましたけども、1つは「慰安婦」問題の真相究明、被害者の尊厳回復とともに、女性に対する暴力などの今日なお存在する女性の人権侵害の解決に向け、誠実な対応をされるようという、こういう内容になっております。私どもは、1つは被害者の声に耳を傾け真相を究明すること、このとおりだというふうに思います。この点では一致をしているというふうに思います。
 それと、慰安婦問題の責任を認めて公式謝罪と補償という、これは議論のあるところかもしれませんけれども、私どもは、被害者の尊厳回復という点では当然こういうものも含まれると、こういう解釈もしております。
 それと、過ちを繰り返さないため学校教育で史実を教えるということがありますけれども、この修正案の文案にも書かれておりますように、平成21年9月、先ほど紹介しましたけども、7月に国連女性差別撤廃委員会第44会期の最終見解においてという条項の中で、この38項においてという、慰安婦の状況の恒久的な解決のための方策を見出す努力、方策を見出す努力、これを早急に行うと。こういう点でいえば、この女性差別撤廃委員会の最終見解によれば、これも先ほど紹介をしました委員会は、締約国が「慰安婦」の状況の恒久的な解決のための方策を見出す努力を早急に行うことへの勧告を改めて表明すると。さらに、この取組には、被害者への補償、加害者の訴追、及びこれらの犯罪に関する一般国民に対する教育が含まれると、こういう点もこの修正案の中にも、この文案の中に、これは紹介ですけども、表明されたという紹介をしているという点では一定の評価をするというふうに考えております。
 そうした中で、総じて考えた場合に、さきの継続審査となったこの経過と、意見の違いがあったとしても、最大公約数でこの問題を一歩でも進めて堺市議会として一定の意見を表明する、あと国に求めていくというのは非常に大事だろうと思います。そういう点では、この修正案に同意したいと思います。

○小郷 委員長  ほかにご意見はありませんか。
   (「なし」と呼ぶ者あり)
 ご意見なしと認めます。
 これより採決を行います。まず、議員提出議案第26号に対する修正案を採決いたします。本件は、修正案のとおり可決することに賛成の委員の挙手を求めます。
   (賛成者挙手)
 挙手多数であります。よって、本修正案は可決されました。
 以上で、本会から付託されました案件の審査を終わります。
 これをもって議会運営委員会を閉会いたします。
〇午前11時58分閉会

 
 ┌───────────────────┬───────────────────┐ │委員長        小 郷   一 │                   │ ├───────────────────┼───────────────────┤ │委員         池 田 克 史 │                   │ ├───────────────────┼───────────────────┤ │委員         水ノ上 成 彰 │                   │ └───────────────────┴───────────────────┘

 
 〇審査結果報告
                                 平成22年3月25日
堺市議会議長
 星 原 卓 次 様
                           議会運営委員会
                           委員長  小 郷   一

            議会運営委員会の審査結果報告について

本委員会に付託された案件は、審議の結果次のとおり決定したので、会議規則第74条の規定により報告します。
                     記
┌───────┬───────────────────────────┬────┐│ 番   号 │          件     名          │ 結 果 │├───────┼───────────────────────────┼────┤│ 平成21年 │日本軍「慰安婦」問題について政府に誠実な対応を求める意│別紙のと││ 議員提出議案 │見書                         │おり修正││  第26号  │                           │して可決│└───────┴───────────────────────────┴────┘

 
      「平成21年議員提出議案第26号 日本軍「慰安婦」問題について政府に誠実な対応を求める意見書」に対する修正案

 平成21年議員提出議案第26号 日本軍「慰安婦」問題について政府に誠実な対応を求める意見書を次のように修正する。

 表題中「日本軍」を削る。
 本文を次のように改める。
 かつての戦争において、日本が近隣諸国の人々に多大な被害を与えてから、64年が経過する。しかし、いまだに戦争被害の傷は癒されていない。
 平成19年(2007年)7月にはアメリカ下院議会が、「旧日本軍が女性を強制的に性奴隷にしたことを公式に認め、謝罪するよう日本政府に求める決議」を採択している。
 そして、アメリカの議会決議に続いて、オランダ、カナダ、EU議会などでも同種の決議が採択され、国連などの国際的な人権擁護機関からも早期解決を求める勧告が出されている。
 わが国においては、平成7年(1995年)7月19日、日本政府のイニシアチブにより、「女性のためのアジア平和国民基金」(アジア女性基金)が設立され、国民から寄せられた募金総額5億6500万円余は、フィリピン、韓国、台湾における285名の元「慰安婦」に「償い金」として届けられたという経緯があった。
 しかし、平成21年(2009年)7月には国連女性差別撤廃委員会第44会期の最終見解においても、第37項では「慰安婦」の状況に対処するために、日本政府がいくつかの措置を講じたことに留意するが、第二次世界大戦中に被害者となった「慰安婦」の状況の恒久的な解決策が見出されていないことを遺憾に思い、学校の教科書からこの問題への言及が削除されていることに懸念を表明するとしており、さらに第38項においては、日本政府が「慰安婦」の状況の恒久的な解決のための方策を見出す努力を早急に行うことへの勧告が改めて表明された。
 よって、国及び政府においては、「慰安婦」問題の真相究明、被害者の尊厳回復とともに、女性に対する暴力などの今日なお存在する女性の人権侵害の解決に向け、誠実な対応をされるよう要望する。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 平成22年3月29日
                                    堺 市 議 会

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