Category Archives: 地方議会での慰安婦論争

議会での慰安婦論争5-西東京市議会議事録より

地方議会によっては、議事録が検索サイトで簡単に調べられます。

討論ではありませんが、西東京市市議会会議録検索システムhttp://asp.db-search.com/nishitokyo-c/dsweb.cgi/ から抜粋したものです。慰安婦意見書についての反対意見ご紹介します。

平成22年第2回定例会(第6日目) 本文 2010.06.21

◯議長(浅野高司君)  次に、議員提出議案第20号についての討論を行います。
 討論の通告がありますので、発言を許します。
◯12番(小林たつや君)自民党
  議員提出議案第20号 「慰安婦」問題について、国が誠実な対応をすることを求める意見書の提出に反対の立場で、西東京自由民主党市議団を代表し、討論に参加いたします。
 今回提出の意見書、上段部分、1993年の河野官房長官談話の一部抜粋については、「われわれはこのような歴史の真実を回避することなく、むしろこれを歴史の教訓として直視していきたい。われわれは、歴史研究、歴史教育を通じて、このような問題を永く記憶にとどめ、同じ過ちを決して繰り返さないという固い決意を改めて表明する」というのが正しい河野談話であります。正しい河野談話については共感すべきものがありますが、平成5年のこの談話から既に15年がたち、その後、多くの研究・調査がなされ、河野談話とは食い違う事実もあらわれてきております。
 意見書提出者は以下の事実を御存じでしょうか。まずはその1つとして、さきの談話以降、旧日本軍による強制連行があったという事実に関する証拠が見つけられなかったということ。この件については、日本国家、軍が行った行為ならば、必ず明証があり、それを示す文書が残っているはずであります。発令者と受令者及びそれに関する事務を取り扱う各方面機関に文書や記録がなければおかしいはずですが、吉見義明氏ですら完全な証拠をつかめていません。それから、韓国済州島でみずから慰安婦狩りをしたという吉田という男の証言はでたらめであったこと。また、日本テレビのドキュメント番組で元慰安婦とされる女性が話しているシーンの字幕が恣意的にかえられていたこと。
 視点を変えると、300年もの間オランダから支配されてきたインドネシアを日本軍が解放し、母国語を統一し、教育を受けさせ、武器を持たせ、敗戦後はオランダ再支配の動きに対し、インドネシア軍に自分たちの武器を渡し、2,000人の日本軍兵士たちが帰国せずインドネシア独立のために現地に残り、ともに戦い、そのうち1,000名余りが命を落としたこと。そのインドネシアでは、一般人の40年分の年収に当たる賠償金200万円を提示し、元慰安婦の募集をかけた者たちがおり、そのせいで当時インドネシアでは2万人しかいなかった日本兵に対し、2万2,000人の慰安婦が名乗りを上げたということを。
 また、村山首相時代、アジア諸国に対し謝罪外交に出たとき、マレーシアのマハティール首相から謝罪は要らないと言われ、恥をかいたことを。韓国に至っては、1965年の日韓基本条約で、戦後処理に関し、これをもって最終的な解決とすると言い、総額8億ドルの援助資金を受けたことを。
 大東亜戦争という国の命運をかけた戦いを白人支配からの脱却の聖戦と信じて幾多の優秀な人材が戦陣に散っていったさきの大戦において、東京裁判という戦勝国の弾劾に遭いながらも歯を食いしばりこの国を再度立て直し、現在の繁栄をもたらした多くの先人たちの存在。ここまで頑張ってきたことに対し敬意を払うことはあっても、事実と違うことで糾弾するようなことがあってはならないと私は思っております。
 この問題について、一緒に問題にされますアジア諸国に対しての侵略については、国の責任としては当時の欧米列強と同罪程度の侵略的罪はあると思っております。戦後賠償については、既に国家間により終了しているものであり、個人が戦時下のことについて国に提訴することはおかしいと思います。
 元慰安婦問題に関しては、軍による強制連行はなく、現地人業者による強制連行があった事実が明らかにされております。また、衛生管理面等での民間業者に対するものと同様の関与はあったと思われております。
 意見書中段の国連人権機関からの勧告に関しては、謝罪外交しかできなかった日本政府の弱腰外交が招いたものであり、国家間の勢力争いにこの問題が利用されてしまったという悲しい事実であると認識しております。
 また、意見書下段1については、今まで述べてきたとおりでありますが、慰安婦の問題について、真相究明を行うことに反対するものではなく、むしろいいかげんな報道や歴史的事実と異なる部分を騒ぎ立て民意を違う方向へ向かわせようとする者たちへ鉄槌を加える意味も含め、真実の究明を強く望んでおります。
 2についても、正しい歴史を検証し、教科書問題も含めた自虐的な歴史観を捨て、真の歴史を次代に伝えていきたいものであると考えております。
 しかし、この意見書に関して、慰安婦問題をどの国のこととも確定しておらず、全体的な問題としてとらえており、今まで述べてきましたとおり、歴史的事実と違う論点のもとに、強いて言えば感情的な観点からの提出と推測されます。
 慰安婦と言われる方々の心身の深い傷には深く同情いたします。単に戦時下という異常事態のなせるわざと言い放つこともできないことであるということも認識しております。それゆえに、論理的、客観的な歴史検証を行い、そこには事実以外の恣意的な行為が含まれることなく、それでも強制があったのであれば、初めてそれ相応の対応をするべきであろうという意見を付して、私の反対討論といたします。
◯議長(浅野高司君)  ほかに討論ありませんか。
     〔「なし」と呼ぶ者あり〕
◯議長(浅野高司君)  討論なしと認めます。これをもって討論を終結いたします。
 これより議員提出議案第20号 「慰安婦」問題について、国が誠実な対応をすることを求める意見書を採決いたします。
 本案は原案のとおり決することに賛成の方の挙手を求めます。
     〔賛成者挙手〕
◯議長(浅野高司君)  挙手多数であります。よって議員提出議案第20号は原案のとおり可決されました。

議会での慰安婦論争4-国立市議会議事録より

地方議会によっては、議事録が検索サイトで簡単に調べられます。

国立市議会会議録検索システム http://asp.db-search.com/kunitachi-c/ から抜粋した慰安婦についての討論部分をご紹介します。

2009.12.18 : 平成21年第4回定例会(第6日)

◯議長【高原幸雄君】 日程第17、議員提出第6号議案日本軍「慰安婦」問題に対する国の誠実な対応を求める意見書案を議題といたします。提出者から提案理由の説明を求めます。3番、上村議員。
                〔3番 上村和子君登壇〕
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◯3番【上村和子君】こぶしの木
 それでは、日本軍「慰安婦」問題に対する国の誠実な対応を求める意見書案に対しての趣旨説明を行いたいと思います。
 今回の意見書案は、前9月議会で出されたものと全く同じ内容になっておりますので、内容の読み上げにかえまして、趣旨説明として、従軍慰安婦問題に関して、この間の経過を御説明したいと思っております。
 1991年に韓国の当事者による訴訟が起きました。それを受けまして、1991年から1993年の8月まで日本政府は調査を始めました。その第1次調査、第2次調査を踏まえて、1993年河野内閣官房長官が談話として、以下のような内容の見解を示しております。1.従軍慰安婦に対しては、広範な地域にわたって慰安所が設置されたこと。2.数多くの慰安婦が存在したことが認められたこと。3.慰安所は当時の軍当局の要請により設置されたこと。4.本人の意思に反して集められた事例が多くあったこと、このようなことを調査の結果認めました。そして、我々はこのような歴史の真実を回避することなく、むしろこれを歴史の教訓として直視し、歴史研究、歴史教育を通じて永く記憶することにとどめ、同じ過ちを決して繰り返さないことを誓うというような談話を発表いたしました。
 しかし、それ以降、日本の国会議員等の公人によるその談話を無効にするような動きが相次ぎました。そのことを踏まえて、2007年にはアメリカ、オランダ、カナダ、EUなどの議会において、日本政府に対し、慰安婦問題の責任を認め、公的に謝罪することなどを求める決議が採択されています。また、2008年にはフィリピン議会並びに韓国及び台湾の議会でも採択され、国連でも国際的な人権擁護機関からも早期に解決を求める勧告がなされています。国際社会は慰安婦問題を現在に通じる重大な人権侵害と認識し、日本政府が誠実に対応することを要請しているのです。
 今回、国立市議会で意見書案を出しましたのは、さきの衆議院選挙において政権交代をいたしました。東アジアとの友好をうたう鳩山政権に、ぜひこの件に対する誠実な対応を、国立市議会としても期待して、意見書を提出したいと思います。よろしく御審議の上、御賛同のほどをお願いいたしまして、私の趣旨説明にかえさせていただきます。
◯議長【高原幸雄君】 説明が終わりました。質疑を承ります。18番、井上議員。
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◯18番【井上 健君】 たちあがれ日本
1点質疑させていただきます。日本軍「慰安婦」問題というんですけれども、ちょっとわからない点があるんですけれども、これは日本軍が慰安婦を集めたということですか。
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◯3番【上村和子君】 私が勉強したところによることを発表してよろしいですかね。日本軍による従軍慰安婦という存在はなかったという説がここになって出てきております。しかし、この説というのは真実ではないということを伝えたいと思いますけれども、実は、もしかしたら井上議員はもう既に御承知かもしれませんけれども、軍の慰安所というのは将兵の性欲を処理するために軍が設置した兵たん附属施設であった。この兵たん附属施設というのは、兵たんというのは戦闘部隊の後方支援に当たるものです。
 この裏づけとしては、なぜ慰安所が軍が設置した兵たん附属施設であったかというと、1937年9月29日の制定の「野戦酒保規程改正」というのが行われております。野戦酒保規程改正というのは、戦闘になったときに戦闘部隊は先に行くわけですけれども、その後方支援の施設、これを兵たんと言ったそうです。この兵たんに物品を販売する酒保と呼ばれる物品販売所を軍が設置するわけです。この設置責任者は部隊長なんですが、日露戦争のときに「野戦酒保規程」というのが生まれるんですけれども、これを日中戦争が始まったときに日本軍は改定します。その改定の中に、第1条に物品の販売する酒保の中に慰安所を設置するということを付記しました。追加したわけです。これがまず1つの検証となっています。それ以降、兵たん附属施設として慰安所が設置された。この慰安所は、その後、ここを取り仕切るのは民間業者に任せますが、その民間業者を軍属にするという規定も出されました。すなわち軍属という形で女性たちを集めてくる。募集に関して、そこの民間業者に頼んだりしています。しかし、慰安所の設置の管理者は部隊長であったということをもって、ここは公式に従軍慰安婦というのは日本軍が設置した、部隊長によって管理された、そこで行われていたというふうに解することができるということです。
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◯18番【井上 健君】 今の話を聞きますと、日本軍が直接慰安婦を集めたということではないんですね。
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◯3番【上村和子君】 日本軍が集めたということではなくて、まず最初に慰安所という記述が出てくるのは、さっき言った正式には慰安所なんですけれども、実は当時、日本の中には公娼制度というのがあります。公娼制度というのは公の公娼制度ですから、それに伴っての名簿というんですかね、貸座敷とか、引手茶屋とかいうそうですが、「娼妓取締規則」という国の法律があります。それに伴って、そういう仕事をする場合には本人が警察に出頭して名簿に名前を書いて、それでやめるときも自由意思でやめられるというようなものがありました。しかし、慰安所に連れていかれた慰安婦たちに対しては、それが全く適用されていなかったということです。しかしながら、適用されていないけれども、こういった人たちに対して、業者はちゃんとやるようにというような、陸軍の副大臣というんですかね、それの通知が出されています。公娼制度にのっとっていないのに、軍がそのことに対してスムーズにその人たちが募集にこたえるように業者を後押ししたという記録がございます。そのことによって集められた人たちに対しては、警察ではなく憲兵が管理しております。しかも、名簿をつくっていないということで、そういうことで憲兵がそこで直接管理するということは、既に軍隊に関する事務募集であったということが、学者の中ではそういう解釈が成り立っているということです。ですから日本軍が直接募集に関与したということが言えるということです。
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◯18番【井上 健君】 今のお話を聞きますと、日本軍が直接じゃなくて、民間業者が現地で集めたというふうにとれると思いますけれども、それでよろしいですか。
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◯3番【上村和子君】 勝手に、当時の戦争下において、野戦とか、そういうところに民間業者が自分の営利のために軍のそばに慰安所をつくることは現実的に不可能です。商売する目的のために。ですから、さっき言いましたように、軍が設置した慰安所の中で取り仕切る。ほかの議会の審議を読むと、いわゆる指定管理制度みたいに公がつくるんだけれども、そこの部分の人員の募集等とか、取り仕切りを民間業者に任せると。しかし、これは軍の慰安所であるということで、それは変わらないという、そこで管理をしていたわけです。ですから、そこで民間業者が取り仕切っていたからといって、民間がやったと言い切れないということです。
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◯議長【高原幸雄君】 ほかに。
                 (「なし」と呼ぶ者あり)
 なければ質疑を打ち切り、討論に入ります。23番、小沢議員。
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◯23番【小沢靖子君】日本共産党
 この意見書案に賛成をしてまいりたいと思います。
 このような「慰安婦」問題ということは、到底許されるべきものではございません。したがって、この慰安婦問題に、今政府が本当に誠実に対応するかどうかということは、戦争を遂行するために女性の性が利用されるという人権侵害が、二度とないようにするという日本政府の意思表示となるということをこの意見書では述べておりますが、私は、同時に、このような事態を生み出す戦争というものを二度と起こしてはならないと、日本国憲法で掲げられているその意思表示でもあるのではないかと考えます。
 そこで、1から3まで掲げられております、被害者出席のもと、国会で公聴会を開くこと。また、「慰安婦」問題の責任を認めて、政府は公的に謝罪すること。さらに問題解決のために政府は被害者の名誉回復を図ること。いずれも賛成ですが、これに加えまして、やはり政府は補償も行っていくと。謝罪と同時に償いも行っていくということが必要でないかと考えております。
 2000年10月30日には国会で日本共産党と民主党、社会党とともに、「従軍慰安婦」問題解決促進法案というのを提出しております。残念ながら、この時点では可決されておりませんが、新しい政府のもとで、このような意見書を出して、そしてぜひ政府が新たな対応をしていただくということを心から要望いたしまして、この意見書案に賛成です。
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◯2番【松嶋寿延君】 自由民主党新政会
この意見書案には反対の立場で討論をいたします。
 もちろん、私はこの年齢ですので戦争を知らないわけですので、この慰安婦の存在につきましても事実がわかりません。書物や文献を通じてしか判断することはできないんですが、先ほど上村議員からも説明がありましたけれども、私が知る限りでは、やはり国家が国家の意思として慰安婦に関与したと確信を持てる書物や文献に出会ったことはありません。解釈の違いもあるかと思うんですけれども、国家が国家の意思として関与したとは私には到底思えません。
 それで、慰安婦とは何だったのかということを、先ほど上村議員がおっしゃられたような形で事実を解明していかなければならないとは思うんですが、よく性犯罪の被害者は二度人格をじゅうりんされると言われます。1回目は当然被害に遭ったとき、2回目は裁判で言いたくもないこと、聞かれたくもないこと、そして思い出したくもないことを、事実を証明するためにいろいろと聞かれて、証明していかなければなりません。そのような作業を行う際に、果たして事実として出てくることが、日本国民、大方の同情を得られて、日本国がこのような対応をすべきだという判断になるのか。私は甚だ不安といいますか、これまでも国論を二分するような激しい論争が起きます。それはむしろ慰安婦の方々にとっても悲劇を生む結果になりかねないと思いますので、非常にこの問題は慎重に扱わなければならないと思っていますので、この意見書案には反対いたします。
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◯14番【生方裕一君】 民主党
この意見書案に賛成の立場で討論いたします。
 特に注目すべきは、この意見書案の本文の最後から2行目にあります河野内閣官房長官談話ということです。御存じだと思いますが、河野内閣官房長官談話というのは、平成5年8月4日に発表されたものです。要約しますと、先ほど説明があったとおり、政府として慰安婦の存在を認め、旧日本軍の関与のもとに多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけたとし、政府としておわびと反省を表明したものです。そして、国として、そのおわびと反省をどのようにあらわすか、今後真剣に検討するということを表明しています。このことをかんがみれば、1、2、3については、そのためには必要なものだと思います。
 また、今、他の議員が被害者の二次被害を心配されていましたが、被害者である当事者の方々はそういう思いをしてでも、本当はそういう思いはしたくないけれども、そこまでしても事実を解明したい、名誉を回復したい、尊厳を回復したいというお気持ちがあるわけでありますから、その気持ちも大切にしてあげなくてはいけないということをつけ加えておきます。
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◯18番【井上 健君】 この日本軍「慰安婦」問題に対する国の誠実な対応を求める意見書案には反対の立場で意見を言わせていただきます。
 この意見書案の内容を読みますと、いかにも日本軍が直接やったかのような誤解を受けるのではないかと思います。また、河野談話が今言われたように書かれてありますけれども、実際に河野さんが講演会の際に、強制連行についてこういうふうに語っているんです。「女性を強制的に徴用しろといいますか、本人の意思のいかんにかかわらず連れてこいというような命令書があったかと言えば、そんなものは存在しなかった。調べた限りは存在しなかったということは申し上げていいと思うんです。資料がなかったということは、事実としてはっきりさせておかなければいけない」。河野さん自身が講演会でこのように述べているんです。ですから、これはいかにも河野さんがこれを認めたような内容が書いてありますけれども、事実とは違っているのではないかということもありますので、事実確認もされていないと、証拠ですね。実際の証拠なり、そういうものがあるのかというと、確認されていないというようなことがありますので、この意見書案には反対いたします。
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◯7番【重松朋宏君】 みどりの未来
この意見書案には賛成の立場で討論します。
 アジア太平洋戦争の終結から来年で65年、日本の植民地支配と侵略戦争の事実の究明、それから謝罪と補償をないがしろにしてきたということは、決して過去の問題ではありません。たとえ国際法上に国交を回復した国家間の補償の問題にけりがついていたとしても、真相究明と被害者個人への謝罪、名誉回復、補償は立法府の責任と使命であると考えます。これまでも国立市議会は原爆症認定の抜本改善、中国在留邦人への新たな支援、国籍要件で年金制度から排除されてきた外国人高齢者・しょうがいしゃの福祉的救済など、過去の戦争と植民地支配にかかわる被害者救済、生活支援を決議してまいりました。国会でも、今、シベリア抑留者や空襲などの民間戦傷者、そして、軍隊慰安婦当事者を救済し、真相究明する法案が準備されていると聞いております。被害者が存命中の今しかありません。慰安婦当事者が名乗り出てから20年、政府が公式に認めてから15年がたってしまいました。
 9月議会では、同じ文面の意見書案が超党派の女性議員の連名で提案されておりました。国立市議会として画期的なことであり、敬意を表したいと思います。残念ながら、9月議会では採決されず、今回は前回と異なる提案者の顔ぶれとなりましたけれども、提案された有志議員の方々の思いを酌み取った上で賛成していきたいと思います。
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◯4番【板谷紀子君】 生活者ネット
賛成の立場で討論いたします。
 先ほども趣旨説明がありましたけれども、1991年に1人の韓国人女性が旧日本軍によって自分自身が従軍慰安婦として扱われた事実を実名で公表いたしました。このことを契機に、ソウルの太平洋戦争犠牲者遺族会の会員35名が日本政府を提訴したことは、皆さんの御記憶にもあることと思います。戦争そのものが残虐な行為なのだから仕方がないと言われるでしょうか。戦後40年以上たってから記憶から抹殺したいほどのおぞましいみずからの体験を公にした彼女の心を思うと、私は同じ女性として胸がつぶれる思いです。お金をもらっていたのだからとか、売春だったのだからなどという人もいるようですけれども、日本政府のしてきた行為にきちんと向き合うことのできない国は未成熟で恥ずかしい国であると言わざるを得ません。
 1996年国連の人権委員会では、日本政府に対して、慰安所制度の国際法違反、それから書面による公開での謝罪、元慰安婦への個人補償、そしてすべての資料公開など6項目の勧告を行っております。その一方で、国内では慰安婦制度そのものがなかったかのような動きもあり、これも見過ごすわけにはいきません。先ほど事実確認もされていないかのような発言がございましたけれども、刻々と変わってございます。教育の現場におきましても過去の過ちをしっかりと子供たちに伝えていく義務があります。教科書からこうした歴史の事実を削除するような事態になることも、従軍慰安婦問題と向き合っていない象徴ではないでしょうか。このような行為を正当化するようでは、どうしてどうやって子供たちに秩序や礼儀を教えることができるというのでしょうか。この意見書案は勇気を持って歴史の真実を伝えようとした女性たちの悲鳴を多くの人々に受けとめてほしいと願うものです。よって、本意見書案を賛成といたします。
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◯11番【中川喜美代君】 公明党
私ども公明党は、この1993年の河野内閣官房長官談話を支持いたします。河野談話では、やはりこの問題を多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた問題であるとして、心からのおわびと反省の気持ちを表明し、以降日本政府は機会あるごとに元慰安婦の方々に対するおわびと反省の気持ちを表明しています。したがって、これからも公的謝罪は必要なことであると考えます。戦争という時代をつくり、従軍慰安婦と言われる女性たちが人権を傷つけられました。そこに多くの被害者を出しているという事実を直視しなければなりません。
 この件については、広義の問題と狭義の問題に立て分けて議論する向きもありますが、被害者にとっては何らの意味も見出すことができる議論ではないと考えます。その身に受けた事実は取り消すことができないものであるからであります。私は女性として、過去の日本が犯した女性の人権を踏みにじる行為に怒りを覚えます。当時の事実関係を詳細に調査し、日本軍がどのようにして慰安婦問題に関与していたのか。そのことによって、従軍慰安婦と言われる女性たちがどのような扱いを受けたのかを明らかにしなければ、解決の道筋を見出すことはできないと考えます。日本政府が1991年以降、その努力を重ねてきていること及びアジア女性基金の事業に協力したことは評価します。問題解決のための手法の一つとして、国会での公聴会の開催は有意義なものであると思います。この意見書の3項目めの被害者の名誉回復においては、公的謝罪をもってそれに充てるものとしたいと考えます。
 以上の観点から、本意見書案には賛成いたします。
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◯22番【池田智恵子君】 つむぎの会
この慰安婦ということについては、さまざまな見解がこれまでも述べられてきたと思います。きょうのこの議場でも賛成する人たちは、基本的に河野談話を例にさまざまな議論がされたことも述べられましたし、反対の方の御意見からすれば、それは本当に日本政府がやったのか。日本軍が行ったのか。そういうことになりますが、私いろいろ調べれば調べるほどたくさんのことが、全世界的に行われてきたことが出てきます。今、手元にあります50ページの資料の中からも幾つか読み上げたいことがあります。それで一つは、陸軍本部軍事監室『後方戦史(人事編)』1956年、148ページに記載。士気高揚はもちろん、戦争という事実に伴う避けることのできない弊害を未然に防ぐことができるだけでなく、長時間にわたる報われない戦闘によって後方との行き来が絶えているため、この性に対する思いから起こる生理作用による性格の変化などによって、うつ病その他の支障を招くことを予防するために本特殊慰安隊を設置させた。慰安所の設置と背景の一部分ですね。また、現地への輸送に対しては、旧日本軍は業者が慰安婦らを船舶などで現地に送る際には、彼女らを特別に軍属に準じた取り扱いにし、渡航申請に許可を与え、日本政府が身分証明書等の発給を行ったりした。軍の船舶や車両によって戦地に運ばれたケースも少なからずあり、現地に置き去りにされた事例もあったという。また、朝鮮戦争中はドラム缶に女性を一人ずつ押し込んでトラックに積んで前線を移動して回っていた等々、もう読み上げたくないたくさんのことがあります。そして、慰安婦を求める兵士の数と比較して、慰安婦の数が不足ぎみであったために、元慰安婦らの証言によれば、戦況次第では、1日に10人以上の兵士との性行為に従事する場合も少なくなかった等々、このような人たちに自由は全く与えられていなかった。そして、一部には、先ほども出ましたが、お金も受け取っていた。並びに朝鮮、韓国においても募集行為を行っていました。その募集の書類等チラシもここにありますけれども、そのようなたくさんの事実も明らかであります。
 このような中で、やはり相対的に見ますと、じゃあ、相手の国も何だというような声が少し聞こえてきましたが、やはりこれは戦後処理の一つとして、対象になった方々の高齢化、また長い年月の苦痛の日々を思い、私たち一人一人がどうしっかりと平和に向き合うのか、戦後に向き合うのかということを考え、一日も早くこの対応にきちんと臨んでほしいと強く要望しまして、採択といたします。
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◯議長【高原幸雄君】 ほかに。
                 (「なし」と呼ぶ者あり)
 なければ討論を打ち切り、採決に入ります。
 お諮りいたします。本案に賛成する方の挙手を求めます。
                   〔賛成者挙手〕
 挙手多数。よって、本案は原案のとおり可決することに決しました。

議会での慰安婦論争3-箕面市議会議事録より

地方議会によっては、議事録が検索サイトで簡単に調べられます。

箕面市議会会議録検索システム http://www3.city.minoh.osaka.jp/discuss/index.html から抜粋した慰安婦についての討論部分をご紹介します。

平成21年  6月 定例会(第2回)-06月22日-02号

○議長(牧野芳治君)  次に、日程第40、議員提出議案第13号「「慰安婦」問題に対する国の誠実な対応を求める意見書」を議題といたします。
 議案を朗読いたさせます。事務局長 中腰勇雄君
 

◎事務局長(中腰勇雄君) 
  (議案朗読)
○議長(牧野芳治君) 提案者を代表して、松本議員から提案理由の説明を求めます。18番 松本 悟君
◆18番(松本悟君)民主党
 ただいま上程されました議員提出議案第13号「「慰安婦」問題に対する国の誠実な対応を求める意見書」につきまして、提案者を代表して、提案理由のご説明を申し上げます。
 なお、説明につきましては、まことに勝手ながら本文朗読をもってこれにかえさせていただきますので、ご了承くださいますようお願い申し上げます。
 議員提出議案第13号
 「「慰安婦」問題に対する国の誠実な対応を求める意見書」
 かつての戦争において、日本が近隣諸国の人々に多大な被害を与えてから、64年が経過する。しかし、いまだに戦争被害の傷は癒されていない。
 平成19年(2007年)7月にはアメリカ下院議会が、「日本軍が女性を強制的に性奴隷にしたことを公式に認め、謝罪するよう日本政府に求める決議」を採択している。そして、アメリカの議会決議に続いて、オランダ、カナダ、EU議会などでも同種の決議が採択され、国連などの国際的な人権擁護機関からも早期解決を求める勧告が出されている。
 日本政府としては、平成5年(1993年)8月に、当時の河野洋平官房長官が、「お詫びと反省の気持ちを申し上げる。そのような気持ちを我が国としてどのように表すかについては、今後とも真剣に検討すべきもの」という談話を発表しているが、何ら進展していない。
 よって、政府においては、河野談話に矛盾しないよう「慰安婦」問題の真相究明を行い、被害者の尊厳回復に努め、誠実な対応をされるよう要望する。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
 平成21年6月22日
                  箕面市議会
 以上のとおりですので、何とぞよろしくご審議の上、ご採択賜りますようお願い申し上げます。
○議長(牧野芳治君) これより質疑に入ります。質疑はありませんか。
  (“なし”の声あり)

○議長(牧野芳治君) ないようでございますので、これにて質疑を終了いたします。
 お諮りいたします。本件については委員会付託を省略いたしたいと存じます。これにご異議ありませんか。
  (“異議なし”の声あり)

○議長(牧野芳治君) ご異議なしと認めます。
 よって、本件については委員会付託を省略することに決しました。
 これより討論に入ります。討論の通告がありますので、順次発言を許します。

22番 内海辰郷君

議員提出議案第13号「「慰安婦」問題に対する国の誠実な対応を求める意見書」について、反対意見を申し上げます。
 地方自治法第99条は、議会は当該普通地方公共団体の公益に関する事件につき、意見書を関係行政庁に提出することができると定めています。この公益に関する事件の解釈があいまいであり、広範囲なため、地方議会における意見書の乱発という事態を招いています。
 議会運営の教科書によりますと、地方議会の意見書提出権は、当該団体の公益に関する事件で重要なものについて、住民代表の議会として傍観するのではなく、何らかの意思を公的に表明することを目的として認められたものであり、100条調査権の発動と同程度の慎重さで意見書案の是非を審議すべきとうたわれています。とりわけ外交問題については、地方団体の事務ではなく、国で論議すべき事項であり、一般的には地方議会での意見書になじまないと指摘されています。(傍聴席より呼ぶ者あり)黙れよ。しっかり聞け。
 1960年代、日韓条約やベトナム戦争で意見書が乱発されたことに、当時の自治省から慎重な態度をとるべきとの通達がされています。外交に関してあえて意見書を採択する場合は、次の2つに限るべきだと存じます。
 米軍基地が存在しているような実際上の公益に関する問題が地方自治体に存在する場合と、つい先日採択した北朝鮮の核実験抗議、あるいは先ほどの核兵器使用禁止・廃絶のような全市民的な合意が得られ、緊急性、必要性があるものに限定すべきであると思います。
 冷静に考えてほしいんです。わかりやすく言えば、外交に関しては右から左、全く相反する考え方があります。今回、この意見書が通れば、市民の中の右から、左から、次々に出てくる可能性があります。住民のニーズをしっかり議論するところで、そんな国政のことにエネルギーを費やすことがあってはならないと私は思います。
 文教常任委員会で川上議員から発言がありましたが、この意見書採択を進めようとするある市民が、市内小・中学校を訪問して、教職員組合の組合員に面談を申し入れた事実が報告されていました。この種のことが今後も引き起こされる心配があります。
 今回の意見書は、文字どおり外交に属するものであります。国会で純粋に論議されるべきものであり、意見書として取り上げることに、そのことに疑問を覚えます。市民全体の合意が得られるものと、このことは到底思えません。私は、地方議会のあり方の原則を何より大切にしたいと思っています。
 今、私ども地方自治体は、地方主権、地方分権をめざし、できるだけ権限、財源を地方に移し、国は外交、防衛、安全保障、基本的社会保障や経済政策などに事務を限定すべきと主張しています。地方のことは私たち地方に任せなさい。国会は国政のことに専念しなさい。そう主張している者が、国政すべてに口を挟んでいくのでしょうか。守備範囲を間違えてはならないのです。筋を通す、軸をぶらさない、そんな日本語は死語になってしまったのでしょうか。
 最後に、意見書を議論する幹事長会議に参加する資格のない私から、まことに僭越とは存じますが、一言申し上げます。
 中央の政党から地方の政党へ、意見書のひな形がおりてくる。それを取り上げて、定例会ごとに3本、4本の意見書が採択されていく。それを受けた中央の関係行政機関では、この形式的な意見書がたなざらしにされていると仄聞します。意見書の乱発は、みずからの権威をおとしめることになっていないでしょうか。どうか100条調査権の発動同様、重要なものと考えていただき、箕面市議会では箕面市住民全体のニーズに関わるものしか取り上げない、そんな議会になっていくことを心から期待しながら、討論を終わります。

○議長(牧野芳治君) この際、傍聴人に申し上げます。
 箕面市議会傍聴規則により、傍聴席では静粛にすることが定められておりますので、ご協力のほどよろしくお願いいたします。
 

次に、14番 増田京子君

◆14番(増田京子君) 無所属の増田京子です。
 ただいまの議員提出議案第13号「「慰安婦」問題に対する国の誠実な対応を求める意見書」につきまして、賛成の立場で討論させていただきます。
 私は、こういう問題こそ地方から上げていくことが重要だと考えて、この意見書に賛成いたします。
 私は、昨年の宝塚市議会の3月議会で、この慰安婦問題の請願が議員26人中、反対がたった1人で採択され、意見書は全員異議なしで提出されたという情報を聞き、戦後64年になろうとしていますが、あの戦争の反省をきっちりするためにも、この問題は避けて通れない、何かできないかと思っていました。そして、箕面でも意見書が上げられればいいのだがと考えていましたが、そのきっかけがなく、やはり箕面市では無理なんだろうかと思っていた矢先、同じく昨年、2008年の9月ごろ、箕面市民の方がこの問題に対する要望書を議会に持って回られました。皆さんのところにも来られたと思います。
 そこで、これまでの国への法律制定の働きかけなど、細かく教えていただきました。その熱心な取り組みに呼応するように、これまで箕面市で平和への活動をされていた人たちと一緒に学習会などを開催され、また私も若い人たちに知っていただきたいと学習会を開催しました。そのときの講師の方もまだ大学生で、自分が大学で学んだことを実際に見てみようと、韓国まで行かれ、被害者の方たちと会われる中で、その学生さんは、ご自身が、私がその時代にこの国に生まれていたらと考えると、とても人ごととは思えないと、帰国後、多くの方にこの問題を知っていただきたいと、「女子大生と学ぼう慰安婦問題」というタイトルの本を出版されました。とてもわかりやすい本で、この意見書にも書かれております河野談話全文も掲載されています。
 こういう若い人たちとの出会いや、箕面でこれまで在日の運動をされている方とは違った箕面在住の在日の方たちとも知り合うことができ、さまざまな方とお話、また議論をしてきました。世界女性基金が設立され、一たんこの問題は解決したかのように思う人もいるようですが、やはりそれではいけないと、今でも多くの人たちが運動されていることも知りました。
 一方、この被害者の方々が高齢になり、事実を語れる人が少なくなってきていることを肌身で知り、私たち日本人がこの事実をしっかり受けとめ、そして、これからの戦争のない、平和を望むための行動として取り組むべき課題として、ぜひ早急にこの箕面市議会から意見書を上げていきたい、いかなければという意思が強くなりました。
 私はそういう思いで、今回議員提案をさせていただきましたが、その後もぜひ多くの議員の皆さんの賛同をいただきたいと交渉させていただいた結果、より多くの賛同が得られるという修正案が示されました。先ほどの意見書ですが、随分簡潔になった文書ではありますが、昨年9月から議会に来ていただいた市民の方々、あるいはこの問題に取り組まれている在日の皆さんからは、ぜひ慰安婦問題の意見書をこの箕面市議会で採択してほしいと強い要望を受け、また多くの議員の皆さんとも議論を重ねることによって、修正案を受け入れるために私たちの議員提案を取り下げさせていただきました。
 宝塚市の後、札幌市、清瀬市、そしてことしの3月には福岡市で採択されておりますが、この6月議会でも、私が知っている範囲ですが、東京では小金井市と三鷹市が採択予定と聞いております。三鷹市では請願がこの10日に採択され、あした23日に意見書が採択されるということです。大阪府内ではこの箕面市が初めてとなりますが、私は、戦争を二度と行わないためにも、そして日本政府の責任において被害者の方を救済するためにも、ぜひ一人でも多くの議員の皆さんの賛同をいただきたいと思います。
 そして、本日の毎日新聞、朝刊ですけれども、ここに「バターン死の行進」、これは旧日本軍がフィリピン、バターン半島で米捕虜や1万人以上を100キロ無理に歩かせ、少なくとも約800人の犠牲者を出したという事件ですけれども、これに対し、5月30日、日本政府として日本政府が初めて謝罪したとあります。これも2007年、今の意見書にありますが、2007年7月、米下院が従軍慰安婦問題で対日謝罪要求決議を採択したことによると言われておりますが、こうして時代は動いております。ぜひ慰安婦問題の一日も早い誠実な対応を求めるこの意見書採択が日本全国に広がっていくことを願って、賛成討論といたします
○議長(牧野芳治君) 以上で、通告による討論は終わりました。
 ほかに討論はありませんか。13番 中西智子君
◆13番(中西智子君) 市民派ネットの中西智子です。
 通告外ではありますが、議員提出議案第13号「「慰安婦」問題に対する国の誠実な対応を求める意見書」について、ただいまの議論を踏まえまして、賛成の立場で一言意見を述べさせていただきます。
 この意見書の趣旨と意義は、過去に犯した戦争と植民地支配による国家の犯罪、重大な人権侵害について正式に国が犯罪を直視し、真摯に謝罪することと賠償を行い、かつ二度と同じ過ちを犯さないよう歴史的事実を風化させず、後世に伝えていくこと、被害者の名誉回復にあると考えています。その意味において、この意見書が地方自治法第99条の趣旨になじまないとする意見については同意しかねます。
 地方自治法第99条では、意見書の提案権が定められており、社会公共の利益に関することについて、議会としての意思を決定し、国や県などの機関に意見書を提出することができます。その意味で、このたびの意見書がふさわしいものではないという意見には賛同できません。なぜならば、私たちが過去の痛ましい戦争の歴史、植民地政策がもたらしたアジア諸国の辛苦と向き合うことは、地方自治体においても重要かつ密接な関わりがあります。この意見書を採択することは、教育現場で行う歴史教育にも大きく関わることであり、学校、庁内、各施設をはじめ、至るところで歴史を風化させることなく、平和を希求し、女性に対する性暴力を根絶させること、在住の外国人に対する人権、人の尊厳についてしっかりと取り組む自治体であることを再認識し、宣言することになるからです。これは、日本国籍を有する市民にとっても重要な取り組みであり、また外国人市民との信頼関係を築く上でもプラスの要因となります。
 なお、私は、国連ILOからの勧告及びオランダ、カナダ、EU議会やアメリカ下院決議があったからではなく、日本人の主体的立場で誠実に我が国の過去の戦争責任と向き合い、ジェンダーの視点からも、日本軍慰安婦問題の立法解決の促進を求めるこの意見書に賛成するものです。
 私は、すさまじい被害を受けた元日本軍慰安婦の方々からお話を聞く機会がありました。余りにもむごい性暴力と、被害者であるにもかかわらず、戦後も差別的で理不尽な中傷に耐えねばならなかった長く孤独な人生を思うとき、ハルモニたちにかける言葉が見つかりませんでした。
 今回、4会派からの議員提出議案として、この意見書を提案することができたことは、内容的には最大公約数となりましたが、大いに評価したいと思います。この箕面での取り組みが、北摂をはじめ各地へ広がることを願ってやみません。残念ながら、今回提案会派とはならなかった議員の皆さまにもご賛同いただきますよう呼びかけまして、簡単ですが、私の討論といたします。

○議長(牧野芳治君) ほかに討論はありませんか。
  (“なし”の声あり)
○議長(牧野芳治君) ないようでございますので、これにて討論を終了いたします。
 よってこれより、議員提出議案第13号「「慰安婦」問題に対する国の誠実な対応を求める意見書」を採決いたします。
 本案を原案どおり採択することに賛成の諸君の起立を求めます。
  (賛成者起立)

○議長(牧野芳治君) 起立者多数であります。
 よって、本案は原案どおり採択されました。

議会での慰安婦論争 2- 大阪堺市議会議事録より

地方議会によっては、議事録が検索サイトで簡単に調べられます。

堺市議会会議録検索システム http://www12.gijiroku.com/sakai/ から抜粋した慰安婦についての討論部分をご紹介します。

平成22年第 2回定例会-03月29日-05号

◆46番(小郷一君) (登壇)去る25日に開催されました本委員会の審査結果について報告いたします。
 本委員会に付託されました案件は、平成21年議員提出議案第26号日本軍「慰安婦」問題について政府に誠実な対応を求める意見書でありまして、本意見書に対して、委員から修正案が提出され、お手元に配布しております審査結果報告書のとおり修正して可決されました。
 なお、本意見書及び修正案に対して、まず、自由民主党・市民クラブ及び自由民主党堺市議団を代表して、委員から、今回、市民の方々から堺市議会に対し、慰安婦問題について意見書提出の要望があった。これまで日本政府は、慰安婦問題に関して、平成3年12月以降、全力を挙げて調査を行い、平成4年7月、平成5年8月の2度にわたり調査結果を発表、資料を公開し、内閣官房において閲覧に供してきた。また、平成5年の調査結果発表の際に表明した河野洋平官房長官談話において、この問題は多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた問題であるとし、心からおわびと反省の気持ちを表明し、以後、日本政府は機会あるごとに元慰安婦の方々に対するおわびと反省の気持ちを表明をしてきた。
 慰安婦問題が多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた問題であることから、日本政府及び国民のおわびと反省の気持ちをいかなる形であらわすかについて国民的な議論を尽くした結果、平成7年7月19日、元慰安婦の方々に対する償いの事業などを行うことを目的に、財団法人女性のためのアジア平和国民基金が設立された。日本政府はこの問題に対する道義的責任を果たすという観点から、同年8月、アジア女性基金の事業に対して必要な協力を行うとの閣議了承を行い、アジア女性基金が所期の目的を達成できるように、その運営経費の全額を負担し、募金活動に全面的に協力するとともに、その事業に必要な資金を拠出する等、アジア女性基金事業の推進に最大限の協力を行ってきた。
 また、日本政府は、女性に対する暴力などの今日なお存在する女性問題を解決すべく積極的に取り組んでいくことも、将来に向けた日本の責任であると考え、アジア女性基金が行ってきた女性問題の解決に向けた諸活動に、政府の資金を拠出する等の協力も行ってきた。
 国際的には、我が国の慰安婦問題に対する以上のような取り組みは、平成9年8月、国連人権委員会の下部機関である差別防止・少数者保護小委員会において、本問題の解決に向けてこれまでなされた前向きの措置であると評価する趣旨の決議もなされている。さらに、平成10年のクマラスワミ報告書にも、我が国の慰安婦問題に対する取り組みを歓迎すべき努力と評価をしており、本問題に関する日本のこれまでの取り組みに対し、国際社会が一定の理解を示していると考えられる。今日的な女性問題に関する国際的な相互理解の増進という観点からも、大きな意義があると考える。
 しかしながら、先の大戦において不幸に直面した女性はこれだけではない。何よりも多くの日本人女性が、中国大陸、太平洋諸島において、女性として最悪の辱めを受けたことは紛れもない事実である。中でも、沖縄戦などにおける米兵による日本人女性に対する辱めは、人権上、絶対に許されるものではなく、いまだ陳謝の言葉すらない。また、我が国は北朝鮮による拉致問題という人間の尊厳、人権及び基本的自由の重大の明白な侵害である重要課題にも直面している。
 もとより、歴史認識は国や人種・宗教が変われば、その評価は変わるということが世界の常識ではあるが、日本人として、同じ日本人が受けた許せぬ問題に毅然として対応できていないにもかかわらず、他国からの圧力により、日本政府の解決すべき課題を誤った方向に進めてしまう決議要請には賛同できないとの意見表明がありました。
 続いて水ノ上委員から、もともとこの慰安婦問題は吉田清治氏が私の戦争犯罪・朝鮮人強制連行という著書を出版し、その中で著者自身が韓国に行き、女性を強制連行し、慰安婦にしたという本人の証言から始まっている。それをもとに韓国では、映画を制作し、それが全世界に発信され、そしてそのイメージが非常に強くなった。しかし、著者の吉田氏は、これは創作であると認め、慰安婦問題はうそから始まった問題ということができる。その後、慰安婦と言われる方々から証言が出されたが、その証言も内容がころころと変わる。どれが正しい証言なのかわからず、また、目撃者も私の知る限りいない。すなわち、確定的な事実がなく、この問題が進められている。
 さらに、河野元官房長官の談話は、河野官房長官の歴史観と韓国政府との交渉及び16人の元慰安婦と言われる方の証言をもとに発表され、その中で官憲が直接加担して進めたこともあるとされている。
 そして、この吉田証言とそれに付随する映像または証言の中身、また河野談話が相まって、現在の慰安婦問題が進められている。日本軍の慰安婦、日本軍の相手をした慰安所だけが悪者にされてきたわけである。
 そういう歴史的事実からかんがみると、今回提出された慰安婦問題の意見書については、そもそも慰安婦問題ということから賛成できず、日本共産党堺市議会議員団が出した意見書については、河野談話の矛盾した内容にかんがみても、河野談話自体が怪しいのに、それに追従する意見書は言語道断と思っている。また、修正案が提出されているが、先ほど質疑の場で議論したように、慰安婦問題の定義がはっきりしていない。何を解明するのか、そのことも明言しない意見書を可決しても、その効力には疑問がある。
 したがって、求めるべきは吉田証言が本市の議決にどれだけ影響があるのか、また、河野談話の影響があるのは明らかだが、河野談話の真相を究明することがこの慰安婦問題の核心であり、この真相究明の後に、日本軍の慰安婦が是か非がということを判断するべきであり、この意見書及び修正案については反対するとの意見表明がありました。
 続いて、日本共産党堺市議会議員団委員から、この意見書はさきの12月議会で動議が出され、できれば全会一致で解決したい、そのための協議をしたいということで継続審議となった。私どもはその動議を受け入れ、この間、協議を進めてきた。
 今回提出された修正案であるが、提案委員から、我々の会派が提出した意見書と違う部分もあるとの発言があったが、まず1つは、慰安婦問題の真相究明、被害者の尊厳回復とともに、女性に対する暴力などの今日なお存在する女性の人権侵害の解決に向け、誠実に対応されるよう要望するという内容になっている。私たちは、被害者の声に耳を傾け真相を究明すること、これはそのとおりだと考えるし、この点は一致をしている。また、慰安婦問題の責任を認め、公式謝罪と補償、これは議論のあるところかもしれないが、被害者の尊厳回復には当然含まれるという解釈をしている。さらに、過ちを繰り返さないため、学校教育で史実を教えるという項目については、この修正案の文案にもあるとおり、平成21年7月、国連女性差別撤廃委員会第44会期の最終見解の条項38項の慰安婦の状況の恒常的な解決のための方策を見出す努力を早急に行うという点で言えば、この女性差別撤廃委員会の最終見解において、締約国が慰安婦の状況の恒常的な解決のための方策を見出す努力を早急に行うことへの勧告を改めて表明し、さらにこの取り組みには、被害者への補償、加害者の訴追及びこれらの犯罪に関する一般国民に対する教育も含まれるという点を、この修正案の中で紹介をしていることは一定の評価をする。
 そして、総じて考えた場合に、継続審議となった経過と意見の食い違いはあるとしても、最大公約数でこの問題を一歩でも進めて、堺市議会として意見を表明する、国に求めていくことは非常に大事である。そういうことから、この修正案に同意するとの意見表明がありました。
 以上で本委員会の報告を終わります。

○議長(星原卓次君) 以上で委員長報告は終わりました。
 ただいまの委員長報告に対する質疑に入ります。質疑はありませんか。
   (「なし」と呼ぶ者あり)
 質疑なしと認めます。
 これより討論に入ります。
 通告がありますので、順次発言を許します。16番西林克敏議員。

◆16番(西林克敏君) (登壇)先ほど、議会運営委員長から委員会報告の中で、我が会派の意見報告がありましたが、この問題の方向性を誤らせないためにも、再度、自由民主党・市民クラブを代表いたしまして、慰安婦問題についての討論を行わさせていただきたいと思います。
 これまでの日本政府は、慰安婦問題に対して、平成3年12月以降、全力を挙げ調査を行い、平成4年7月、平成5年8月の2度にわたり調査結果を発表、資料を公表し、内閣官房において閲覧に供してまいりました。また、平成5年の調査結果発表の際に表明した河野洋平官房長官談話において、この問題は多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた問題であるとして、心からのおわびと反省の気持ちを表明し、以後、日本政府は機会あるごとに元慰安婦の方々に対するおわびと反省の気持ちを表明いたしてまいりました。
 この官房長官談話に端を発し、今日の慰安婦問題に続くと考えられるのですが、当時の官房副長官であった石原信雄氏が後に新聞のインタビューに答え、河野談話は政府の調査によって導き出されたものではなく、談話発表直前に韓国で行った元慰安婦16人からの聞き取り調査であったと語り、韓国側の強い要請で結論を導き出したことがうかがい知れるところであります。
 しかしながら、現実的には、日本政府及び国民のおわびと反省の気持ちをいかなる形であらわすかにつき国民的な議論を尽くした結果、平成7年7月19日、元慰安婦の方々に対する償いの事業などを行うことを目的に、財団法人女性のためのアジア平和国民基金が設立されました。日本政府は、この問題に対する道義的な責任を果たすという観点から、同年8月、アジア女性基金の事業に対して必要な協力を行うとの閣議了解を行い、アジア女性基金が所期の目的を達成できるように、その運営経費の全額を負担し、募金活動に全面的に協力をするとともに、その事業に必要な資金を拠出するなど、アジア女性基金事業の推進に最大限の協力を行ってまいりました。また、日本政府は、女性に対する暴力などの今日なお存在する女性問題を解決すべく、積極的に取り組んでいくことも将来に向けた日本の責任であると考えて、アジア女性基金が行ってまいりました女性問題の解決に向けた諸活動に政府の資金を拠出するなどの協力も行ってまいりました。
 国際的には、我が国の慰安婦問題に対する以上のような取り組みは、平成9年8月、国連人権委員会の下部機関である差別防止・少数者保護小委員会において、本問題の解決に向けてこれまでになされた前向きの措置であると評価する旨の決議がなされております。さらに平成10年、クマラスワミ報告書にも、我が国の慰安婦問題に対する取り組みを歓迎すべき努力と評価しており、本問題に関する日本のこれまでの取り組みに対して、国際社会が一定の理解を示しているものと考えられます。今日的な女性問題に関する国際的な相互理解の増進という観点からも、大きな意義があり、慰安婦問題については一定の解決を見たと判断できるものであります。
 加えて、さきの大戦において不幸に直面した女性はこれだけではありません。何よりも多くの日本人女性が中国大陸、太平洋諸島において、女性としての最悪の辱めを受けたことは紛れもない事実としてあります。中でも、沖縄戦において、米兵による日本人女性に対する辱めは戦前だけではなく戦後も行われ、人権上、絶対に許されるものではなく、いまだに陳謝の言葉すらありません。また、現在、我が国は北朝鮮による拉致問題という日本の尊厳、人権及び基本的自由かつ重大な人権侵害である問題にも直面いたしております。
 もとより、歴史認識は、国や人種、宗教が変わればその評価は変わるということが世界の常識でもあります。日本人として、同じ日本人が受けた許せ得ぬ問題に毅然として対応できていないにもかかわらず、歴史的に十分な確証もなく、他国からの圧力により今日の繁栄を築いていただきました英霊をことさらおとしめるような、日本人として進むべき道を誤った方向に進めてしまう意見書には賛同できないことを申し上げまして、討論とさせていただきます。

○議長(星原卓次君) 2番土師純一議員。

◆2番(土師純一君)会派に属さない議員(みんなの党・堺)
 (登壇)議員提出議案第26号「慰安婦」問題について政府に誠実な対応を求める意見書について、自由民主党堺市議団を代表いたしまして意見を申し上げます。
 慰安婦問題に関しましては、これまで議会運営委員会において継続して議論してまいりました。しかし、まだまだ議論し尽くしているとは言えず、なおかつ国民的議論、合意形成もなされているものではありません。もちろん、慰安婦として心に傷を負った方々に対し、深く同情するものに変わりありません。あくまでも、政府見解は、慰安婦の募集について軍当局の要請を受けた経営者の依頼により、あっせん業者らがこれに当たることが多かったが、その場合も戦争の拡大とともに、その人員の確保の必要性が高まり、そのような状況のもとで、業者らが、あるいは甘言を弄し、あるいは畏怖させるなどの形で、本人たちの意向に反して集めるケースが数多く、さらに官憲等が直接これに加担するなどのケースも見られたとし、国家の関与は明示されていません。
 また、一部政府の補助金で設立された財団法人女性のためのアジア平和国民基金、アジア女性基金は、国家の責任と国民一人一人の責任の区別をあいまいにしたまま国民から募金を募り、元慰安婦の方々に補償を呼びかけています。これらは一方では批判の対象になっており、国論を二分するような激しい論争が起きています。
 いずれにいたしましても、これらの状況を顧みると、元慰安婦の方々にとっても悲劇を生む結果になりかねないものだと思います。なお、政府は、女性に対する暴力などの今日なお存在する女性問題を解決すべく、積極的に取り組んでいます。
 したがいまして、慰安婦問題に関しましては非常に慎重に扱わなければならないものであり、現政権においてめざすべき国家像が示されていない中、本意見書が提出されることはまことに遺憾であり、拙速過ぎるもので、反対せざるを得ません。今後、なお引き続きの協議を行っていくべきであることを申し添え、意見表明とかえさせていただきます。

○議長(星原卓次君) 3番水ノ上成彰議員。

◆3番(水ノ上成彰君) (登壇)プロジェクト堺の水ノ上成彰でございます。
 ただいま議題となりました議員提出議案第26号「慰安婦」問題について政府に誠実な対応を求める意見書の修正案に対し、反対の立場から討論をいたします。
 この意見書は、大きく分けて前段と後段の2つの部分で構成されています。前段は、冒頭2行のさきの戦争に対する歴史認識の部分でございます。また後段は、慰安婦に対する認識と政府に対する要望の部分です。前段と後段に分けて考察し、討論をいたします。
 まず、前段部分のかつての戦争に対する認識ですが、意見書ではかつての戦争において、日本が近隣諸国の人々に多大な被害を与えてから、64年が経過する。しかし、いまだに戦争被害の傷は癒されていないと、日本が一方的な加害者としてアジア各国を侵略し、植民地戦争を遂行したとする、いわゆる東京裁判史観を前提にしています。たった2行といえど、非常に重要な部分であります。
 まず、この意見書を討論するに当たり、この歴史認識に対して我々の立場を明らかにしなければなりません。あの戦争は侵略戦争であったのかどうか。東京裁判は、一言で言えば戦勝国の日本に対する一方的断罪であり、国際法に違反する無効裁判であります。欧米列強が、自分たち白人社会のアジア植民地支配を帳消しにし、有色民族の国として唯一白人支配に刃向かってきた日本の解体を目的として偽造した復讐劇でございました。
 しかし、裁いた英米を初めとする連合国側の関係者や欧米諸国の識者でさえ、後に東京裁判の違法性を告発しています。ここで詳細を述べる余裕はありませんが、東京裁判の有名なパール判事のみならず、レーリング判事、ウエッブ裁判長、キーナン検事も違法裁判であることを認めました。何よりも、GHQの最高司令官のマッカーサーが東京裁判は誤りであったと証言したことが決定的でした。このように、日本を裁いた側の連合国では、東京裁判が誤りであったことは周知となっております。不思議にも、裁かれた側の日本人がそのことを認めようとせず、提案されている意見書の冒頭のように自国を責め続けています。
 さて、それでは、アジア各国は大東亜戦争をどのようにとらえているのか。意見書のように日本を一方的な加害者として断罪しているのか。第二次世界大戦が始まる前まで、世界に有色民族の国で独立を保っていたのは実質的に日本だけでした。アジア、アフリカ、南アメリカなどは、ほとんどの有色民族は欧米列強の植民地となり、差別をされ、筆舌に尽くしがたい搾取、暴力、屈辱を長く受け続けていました。
 意見書では、かつての戦争において日本が近隣諸国の人々に多大な被害を与えたと言っておりますが、日本軍が戦ったのは、アジア各国を植民地とする米・英・仏・蘭の軍隊であって、アジアの住民と戦ったのではありません。唯一戦ったと言えるアジア人は中国国民党軍ですが、現在、歴史の研究が進む中、日中戦争も中国国民軍側から仕掛けられたことが明らかになりつつあります。
 先の大戦がアジアの多くの人々に勇気と希望を与え、日本に対する賞賛の声は数え切れないほどあります。幾つかご紹介いたします。タイ国元首相ククリックド・プラモード氏は、日本のおかげでアジアの諸国はすべて独立した。日本というお母さんは難産して母体を損なったが、生まれた子どもはすくすくと育っている。今日、東南アジアの諸国民が米英と対等に話ができるのは、一体だれのおかげであるのか。それは身を殺して仁を成した日本というお母さんがあったためである。12月8日は我々にこの重大な思想を示してくれたお母さんが、一身を賭して重大な決意をされた日である。我々はこの日を忘れてはならない。
 また、インドネシア元情報宣伝相のブン・トモ氏は、我々アジア・アフリカの有色民族は、ヨーロッパ人に対して何度となく独立戦争を試みたが、全部失敗した。インドネシアの場合は350年間も失敗が続いた。それなのに、日本軍が米・英・仏・蘭を我々の目前で徹底的に打ちのめしてくれた。我々は白人の弱体と醜態ぶりを見て、アジア人全部が自信を持ち、独立が近いと知った。一度持った自信は決して崩壊しない。日本が敗北したとき、これからの独立は自力で遂行しなければならない、独力でやれば50年はかかると思っていたが、独立は意外にも早く勝ち取ることができた。そもそも大東亜戦争は我々の戦争であり、我々がやらなければならなかった。そして、実は我々がやりたかった。それなのに、日本だけに担当させ、少ししかお手伝いできずにまことに申しわけなかった。
 そして、最後に、インドの極東国際軍事裁判判事パール氏は、要するに、欧米諸国は日本が侵略戦争を行ったということを歴史にとどめることによって、みずからのアジア侵略の正当性を保持すると同時に、日本の17年間の一切を罪悪と烙印することが目的であったに違いない。私は1928年から1945年までの17年間の歴史を2年7カ月かかって調べた。その私の歴史書を読めば、欧米こそ憎むべきアジア侵略の張本人であることがわかるはずだ。それなのに、あなた方はみずからの子どもたちに、日本は犯罪を犯したのだ、日本は侵略の暴挙をあえてしたのだと教えている。満州事変から大東亜戦争に至る真実の歴史を、どうか私の判決文を通して十分研究していただきたい。日本の子どもたちがゆがめられた罪悪感を背負って、卑屈、退廃に流されていくのは、私は平然と見過ごすわけにはいかない。誤られた彼らの宣伝の欺瞞を払拭せよ。誤られた歴史は書きかえなければならない。これは昭和27年11月5日広島高等裁判所での講演で話されたことです。
 このような証言は数多くあります。日本はアジア各国を侵略しようとして戦争を始めたのではなく、主に米国に追い詰められたあげく、みずからの独立を守るため、またアジアの解放のために立ち上がったのです。このようなことに耳を傾ける日本人は残念ながら多くありません。戦後の日本人がGHQによる教育政策により、徹底的に贖罪意識をすり込まれたからです。ですから、このような意見書が提出されたんだと思います。
 もちろん、反対の立場の意見も承知しておりますが、少なくとも日本だけが一方的な加害者というわけではありません。本日提案されている修正意見書は、3月25日の議会運営委員会において、日本共産党が提出した意見書に対し、山口典子委員より修正案という形で提出され、その修正案を公明党会派、民主党会派、共産党会派の議会運営委員が賛成したことにより可決されたといういきさつがあります。そもそも、日本共産党が提出していた意見書には、このような大東亜戦争の歴史認識など書かれておりませんでした。修正案は、冒頭にこのような歴史観を挿入することにより、さらに我々にとって悪質になったと思っております。
 折しも、一昨日、私は大阪市住之江区にある大阪護國神社に参拝をしてまいりました。大阪護國神社には、大阪府出身で明治から大東亜戦争まで祖国のために戦い散華された10万5,600柱余りの英霊が祭られています。そのうち堺市出身の英霊は3,266柱、私はこの方々すべては悠久の大義、すなわち日本の独立を守り、アジアを欧米諸国から解放するために命を投げ出された方であると信じております。彼らが命を捨てても守ったものは、祖国であり、家族であり、そして郷土でした。
 しかるに、どうして我々の祖先を踏みにじるような意見書がこの堺市で提案され、可決されようとしているのか。たった2行とはいえ、重大な問題だととらえております。この堺市議会には、私が今まで尊敬をしてまいりました保守系の先輩議員が多数いらっしゃいます。この方々はこの意見書にどうされるのか。私はしっかり注視していきたいと思います。みずからの議員としての信念に間違いがないか、問うていただきたい。
 以上から、まず、この意見書冒頭の東京裁判史観に基づく歴史認識は非常に偏ったものであり、到底賛同できるものではないということを申し上げます。
 次に、後段の慰安婦問題についてですが、まず、2007年7月にアメリカ下院議会で採択された旧日本軍が女性を強制的に性奴隷にしたことを公式に認め、謝罪するよう日本政府に求める決議を引き合いに出されていますが、この意見書を提案された方、または賛成される方は、まずこの決議の内容をご存じなんでしょうか。
 原文から、冒頭の部分を紹介いたしますと、1930年代から第二次世界大戦までの間、日本政府により強制された軍事売春である慰安婦制度は、その残酷さと規模の大きさにおいて前例のないものと見られるが、それは集団レイプ、強制堕胎、性的屈辱、性暴力を含み、結果として、身体障害、死亡、最終的に自殺にまで追い込んだ20世紀最大の人身売買事件の一つであったとしております。これを聞いて、どう思われるでしょうか。全くの事実無根のでたらめであるということは疑いようがありません。
 そもそも、アメリカにこのようなことを言われたくはない。アメリカは、大東亜戦争において日本に原爆2発を落とし、30万人の市民を殺りくし、東京大空襲でも一夜にして10万人の市民を焼き殺しました。その90%以上が女、子どもです。これをホロコーストといわずして何がホロコーストでしょうか。それに対して、今まで一言の謝罪もありません。そのほか、日本人捕虜の虐待は数知れず、戦後日本に進駐してからは、アメリカは東京都に対し、アメリカの兵隊のための慰安所をつくれと命令を出しました。アメリカは、非占領国に女を出せと命じた国であり、日本の女性こそアメリカ軍の性奴隷とされたのでありました。こんなアメリカにでたらめな決議書を決議され、なおかつそれを押しいただいて、このような意見書を提出しようとしている。我々はこのことに我慢がなりません。
 なぜ今さらこのような慰安婦問題が取りざたされるのか。日本では、官憲による強制はなかったと完全に論破されています。このアメリカ発慰安婦問題は、中国の対日政策による問題です。この中心となっているのがマイク・ホンダというアメリカの下院議員。中国系の反日団体、世界抗日戦争史実維護連合会などから多額の政治献金を受けているものであり、実質的にホンダ議員は、中国のための活動を米国議会で行う工作員とみなしてよいと言われている人物であります。わざわざそのような者の片棒を担ぐ必要があるのでしょうか。慰安婦問題のうち、官憲の強制性については捏造であるということが国内では証明され尽くしていますが、ここで簡単に慰安婦問題の経過を私なりにまとめて申し上げます。
 1983年に吉田清治という元陸軍軍人が、私の戦争犯罪・朝鮮人強制連行という本を出版し、その中で軍の命令により済州島で女性を強制連行し慰安婦にしたという体験を発表したことによって、大きな問題となりました。現在では、吉田清治氏の証言はすべてでっち上げということがはっきりしており、本人もそれを認めております。この吉田氏の著書が発表され、朝日新聞が数度にわたり報道したことにより、政治問題化され、韓国内に元慰安婦という女性から数々の証言が出て、さらに大きな問題となっていきます。
 そして、1992年、宮沢喜一首相が韓国訪問時、韓国大統領との会談において謝罪をし、翌1993年、河野洋平官房長官が談話を発表しました。この河野談話は、閣議決定でもなく、国会決議でもありません。この河野談話は、官憲が強圧によって慰安婦を生み出した、また軍による強制の意思が働いたことを公に認める内容であり、今も取り消されておりません。河野談話は、客観的な証拠資料が何一つ存在しない中、韓国政府の強い要請と16人の元慰安婦の証言のみで結論づけられたものですが、いまだに一切が公開されておらず、証言には疑問があると言われています。そもそも、日本側に反問も検証も許されない中で行われた聴取であり、客観性は全く担保されておりません。河野官房長官個人の偏った歴史観が大きく影響した発言に過ぎないのです。
 以上から言えることは、この日本軍の慰安婦問題はすべてはうそから始まったということであります。アメリカやオランダ、カナダ、EU議会または国連での日本軍の慰安婦批判の決議または勧告の内容はすべて、この吉田証言に基づく慰安婦の軍による強制連行のイメージと河野談話がベースになっており、その内容は全くでたらめであると断言して差し支えないと言えます。ですから、我々日本人は何も臆することなく堂々と反論したら済む話であり、このような決議をもって、日本人があわてて市議会で意見書を提出するものではありません。
 日本軍慰安婦に関する意見書は、多くの自治体で日本共産党により提案され、残念なことに既に15以上の自治体で採択されています。慰安婦問題は過去に決着がついている問題であり、今さらわざわざ取り上げる必要は全くありません。それが全国的に取り上げられるようになったのは、2007年のアメリカ下院議会の決議の採択がきっかけであります。先ほど申し上げたとおり、中国の影響によるもので、国内で日本共産党がこれを機に全国展開しており、堺のように日本共産党のお先棒を担いで修正案を提出するところもあります。
 私は、この意見書は堺市議会で絶対採択してはならない意見書であると断言いたします。日本共産党の全国展開の運動に乗ってはならないということです。冒頭申し上げたとおり、東京裁判史観に基づく歴史観を堺市議会の意見としてはならないからであります。この意見書が万が一採択されるようなことがあれば、堺市議会にとって取り返しのつかない汚点を残すことになります。私は、誇りに思う祖先の名誉を守りたい。先ほども申し上げましたが、堺市には3,266柱の英霊がいらっしゃいます。その方々に感謝を申し上げるとともに、英霊の名誉を守らなければなりません。歴史を捏造し、いわれもなき罪をかぶせてまで、我々の祖先をおとしめることに、断固として反対の意を唱え続けます。政治は今の自分の立場のみを考えて行うのではなく、過去に生きた人の意思を十分尊重し、未来に生きる人たちの模範となるような判断をしなければなりません。
 最後に申し上げたい。論語に君子は和すれども同ぜず、小人は同ずれども和せずとあります。人格者は和やかな人間関係の構築に心がけるが、その場の空気に左右されて無責任な賛同はしないということであります。どうか、心ある議員の皆様に和すれども同ぜずという態度をとっていただくことを切にお願いを申し上げて、以上をもって私の反対の討論といたします。

○議長(星原卓次君) 9番田中丈悦議員。

◆9番(田中丈悦君)会派に属さない議員(スタンス明確市民派) (登壇)田中丈悦でございます。
 ただいま議題となりました議員提出議案第26号「慰安婦」問題について政府に誠実な対応を求める意見書案につきましての、私のほうからの意見を申し述べたいというふうに思います。
 本意見書案は、日本軍慰安婦問題につきまして、なおこれらの問題が解決されていないという観点から提出をされました2009年7月の国連女性差別撤廃委員会第44会期での最終見解をもとに、誠実な対応を政府に求めようとするものであります。また、2008年3月の宝塚市議会から今日まで、河野洋平官房長官談話に基づく真相の究明と被害者の名誉回復をもとにして、閣議決定などによる公式な謝罪と償い、歴史教科書への記述を初めとした歴史の継承を求めることなどが盛り込まれた20にわたる意見書、決議が全国の自治体議会で採択をされてきているのであります。
 一方、既にお話が出てますとおり、河野談話につきましては、申し上げるまでもなく、業者による甘言、強圧による本人たちの意思に反して集められた例や、官憲等が直接これに加担したことの確認と募集、移送、管理等につきましても、これらが当時の日本軍の関与のもとに、多数の女性の名誉と尊厳を傷つけたこととして確認をしたところでございます。
 一方、この間の経過におきましては、女性基金を初めとした償い事業におきまして、該当の被害女性の皆さんの中で、この助成金等の問題について大変大きな議論と深い亀裂を生じさせてきているところでもございます。これらにつきましての事実の経過、この変遷につきましても、極めて深刻な議論が行われてきたところでございます。
 そしてまた、私たち堺市議会におきましても、たしか記憶のするところ12名であったと思いますが、2008年6月に被害証言者として来られ、その際、市議会を訪問されましたイ・ヨンスさん、キル・ウオノグさんのお2人のお話をお伺いをしたところでもございます。このお2人の話からは、まさに当時の本人の意思に反して、慰安所へと強圧的に連れていかれる状況や、あるいは慰安所におけるその生活の状況、人間としての心身を深く傷つけられた当時の状況と事実について、私たちはお話をお伺いすることができたわけでございます。既に80歳を超えている、大変失礼な言い方でございますけども、彼女たちの言う、残り時間はそう長くはない。私たちの人生の最後の1つの希望である。幼いときに日本軍に踏みにじられ、奪われた名誉と人権を取り戻すこと、このことが最後の希望であるという言葉、そしてまた、日本政府がこれらの真実を正しく明らかにして、公式な謝罪と法的な償いを行ってほしい。再び私たちのような被害者が生まれないようにしてほしいという言葉を聞いたわけでございます。私たちは、こうした彼女たちの思いと願いにこたえるという、その努力を行う義務があるというふうに考えております。
 こうした立場に立ちまして、多くの自治体議会での意見書、決議で表明されています被害者への謝罪と償い、歴史教育が盛り込まれてないという点、あるいはまた12月議会で提案されましたこの意見書案につきましてのもとの表題の日本軍「慰安婦」という、この表題から今日、日本軍という文言が省かれている点、こうした点につきましては、私は留意を残し、加えまして国連女性差別撤廃委員会の最終見解の38には、本意見書案の問題解決の勧告の後に続きまして、これらの取り組みとして、被害者への補償、加害者の訴追及びこれらの犯罪に関する一般国民に対する教育が含まれるとの文言が続けられていることを補強して申し上げ、こうした立場から、本意見書案につきましては、同意賛成するとの私の意見表明をいたしまして討論といたします。以上です。

○議長(星原卓次君) 以上で討論は終わりました。
 これより本件を採決いたします。本件については、委員長報告のとおり可決することに賛成の議員の起立を求めます。
   (賛成者起立)
 起立多数であります。よって、本件は委員長報告のとおり可決されました。

議会での慰安婦論争 1 – 大阪堺市議会議事録より

地方議会によっては、議事録が検索サイトで簡単に調べられます。

堺市議会会議録検索システム http://www12.gijiroku.com/sakai/ から抜粋した慰安婦についての討論部分をご紹介します。

平成22年 3月25日議会運営委員会(1)-03月25日-01号

◆水ノ上 委員  (大阪維新の会堺市議会議員団)
議員提出議案第26号日本軍「慰安婦」問題について政府に誠実な対応を求める意見書の、まず題名、日本軍「慰安婦」問題というものはどういう問題でしょうか。

◆城 委員  (日本共産党)
かつての大戦における日本軍による女性に対する性の問題で、慰安婦という女性の性の関係で非常に悲痛な思いをされ、被害を与えたという問題です。

◆水ノ上 委員  慰安婦というのは、第二次世界大戦中、日本軍だけにあった制度でしょうか。日本軍だけにあった制度でしょうか。

◆城 委員  慰安婦制度があったかどうか、私は定かではありません。日本にあったことは事実であると思います。

◆水ノ上 委員  もちろん日本には、慰安婦、慰安所というのがございました。でも、世界じゅう、世界の軍隊、特にヨーロッパの軍隊でも慰安所というのはありました。第一次世界大戦でもありました。第一次世界大戦のときに、日本は向こうのヨーロッパ戦争を見て、そこで慰安所があるのを知って日本軍にも取り入れたというふうに聞いております。もともと日本軍が発明したものでもなければ、やり始めたものではない。ですから、現に第二次世界大戦、ドイツでもロシアでも慰安婦というのはありました。
 その中で悲痛な思いをした女性は世界じゅうにおったでしょうけれども、日本軍の慰安婦だけを問題視される、特に日本軍の従軍慰安婦を問題にされる理由は何かあるんでしょうか。

◆城 委員  時の政府、日本軍によってそうしたことが行われたという事実はあるということで、当然これは責任があると思います。

◆水ノ上 委員  日本軍がどういうふうな関与をしたというふうにお考えでしょう。

◆城 委員  日本軍がですか

◆水ノ上 委員  そうです。いかがですか。

◆城 委員  政府と日本軍による慰安所の設置ということです。

◆水ノ上 委員  慰安所の設置をして、慰安婦というのは、このときは公娼制度があって、いわゆる売春で、それは違法ではなかった。日本国内でもありましたように世界じゅうにもそういうなのが、軍隊の中にもそういうのがありました。それは確かです。軍隊の中であった。ところが、特に日本軍によって何か悲痛な、特にその方々が悲痛な思いをしたというのがあるんでしょうか。

◆城 委員  実際に被害に遭われた方の証言から、それはもう事実でありますし、実際ですね、そうしたことが事実であるということも証明されていると思っております。それが日本軍、時の政府、そしてそのことに対して補償、償い、陳謝という問題で、この意見書を出させていただいているというふうに考えています。

◆水ノ上 委員  軍と性の問題というのは非常に難しい問題で、ずっともう有史以来、軍のあるところにはそういう女性への暴力なり、そういう慰安所なりがつきまとっている問題でして。
 ただ、日本軍は、この中でアメリカ下院とかEU、いろいろ問題視されているということになっておりますけれども、日本軍だけが何か慰安所で女性に対して性奴隷という悲痛な思いをさせたというようなことがあるのかどうか。特に日本軍だけそういう思いがあるのは、どういったところにあるんでしょうか。

◆城 委員  いや、日本軍だけという限定はしておりません。日本政府としてということですから、ほかのことについてどうこうという点で言えば状況がいろいろあるかと思いますけども、これは日本軍と政府における、私たちは犯罪という認識をしていますから。それで言えば、この意見書との関係で言えば、諸外国ではこの問題についてもいろいろ関心が高まりながら議決もどんどん進んでいっているという状況の中で、その点で言えば日本の認識は相当おくれているという認識をしてます。

◆水ノ上 委員  今、政府と日本軍の犯罪とおっしゃいましたけれども、犯罪性はどこにあるんですか。

◆城 委員  当時、軍と政府によって一方的に、それは内容で言えば証言からも明らかだというふうに思いますけれども、当時、素人であった方々が強制的にそのような状況に置かれていったというのは事実だろうと思っております。

◆水ノ上 委員  強制的に連れていったのは、だれが連れていったんですか。

◆城 委員  軍と政府による、そのときのですね。そのときの、戦争というのは非常に、常識、人権も無視されるというような状況があるというのは、もう皆さんもご承知のとおりだと思うんですね。自分の意思ではどうにもできないという、そういう働くのが戦争やというように思うんです。そういう中から強制力が働いたと思います。

◆水ノ上 委員  強制力。だから、軍や政府、官憲が連れていったということですか。

◆城 委員  連れていったという部分もあると思います。

◆水ノ上 委員  このEU、このアメリカの下院で議決され、オランダ下院、EUの議会とかあるんですが、]
その中で言われているのが日本が性奴隷にした、強制的に連行したという恥ずべき行為です。実際、その描写もあるわけですね
。なおかつ、河野談話、その2つ。
 そもそも、この日本軍慰安婦が出てきたのは1980年代の後半、89年に吉田清治という人間が、83年ですか、
「私の戦争犯罪・朝鮮人強制連行」という本を発表して、その中に済州島に実際行って自分が強制連行してきたと、
泣く泣く女性をトラックに入れて運んだというような証言をしているんですね。この吉田清治ってご存じですか。
吉田清治さんを知らないですか。この吉田清治さんは共産党員ですよ。

◆城 委員  いや、知らない。

◆水ノ上 委員  1947年、下関市の市議会議員選挙で、吉田清治さん、共産党から立候補しております。この方が。いや、共産党員。

◆城 委員  そんな事実は、私は認知しておりません。

◆水ノ上 委員  調べてください。それは事実ですから。

◆城 委員  いや、調べるつもりはない。

◆水ノ上 委員  そうですか。その方がそういう本を書いて、後日、これはうそだったと言っているんです。創作だったと、この本は。

◆城 委員  その事実も、私は認識はしておりません。

◆水ノ上 委員  そうですか。要は共産党と、この人は共産党員かどうか知りません、共産党と密接な関係があったこの人間が、そういう「私の戦争犯罪・朝鮮人強制連行」というのを書いて、その方は韓国に行って謝罪もし、碑も建て、ここで自分がこういうことをやったということを言った。その後、済州島に行った学者たちが行って調査したら、そんな事実は全くない。済州島の人たちも、そういうことがあればわかっているはずだと、それはもう完全に捏造だと。それで、そういうところを突き詰めたら、その本人はうそだったと、創作だったと認めたわけですね。その方は何でそういうことを言うたんやというたら、これはある本では、もう一度選挙に出るために目立つためにそういうことを言うたということを言ってるわけですね。もともと、そのでっち上げからこの慰安婦問題というのは始まっているんです。
 今でも、それ以外に強制、証言はいろいろあります、本人が連れ去られたという証言はいろいろありますけれども、目撃者は私は存じておりません。あの子が連れていかれたという目撃者は一人も私は知りません。証言は、確かに連れていかれたという証言は幾つかある。
 ですから、今のEUとかそういうアメリカの下院の、そういう日本軍が強制的に連れていったという描写はすべてこの吉田証言によっているわけです。うそだと本人が言うてるにもかかわらず、ひとり歩きして、今でもその描写が使われて日本が悪者にされている。ですから、日本軍慰安婦問題といいますけれども、もともとは共産党と密接に関係のあった者のでっち上げから始まっているんです。

◆城 委員  そういう勝手な解釈はやめてください。

◆水ノ上 委員  いやいや、これは調べてください。

◆城 委員  調べるつもりもない。

◆水ノ上 委員  いやいや、違う。調べてくれというか、勝手な解釈ではありません。

◆城 委員  議題とは関係ない。議題とは関係ないです。

◆水ノ上 委員  いやいや、あらゆる角度からこれを審議するということですわ。もともとそういうところから発して、共産党の皆さんがこの意見書を出している。言うたら、マッチポンプで、自分でやっておいて、火をつけて、こんなふうに。

◆城 委員  事実認識が誤っているんと違いますか。

◆水ノ上 委員  いやいや、事実認識1回してください。休憩とってもいいですよ、本当に

◆城 委員  いや、そんなするつもりはないです。

○小郷 委員長  かなり時間がたっておりますので、特に時間を設けておりませんけども、とりあえずこの議論をまとめていただきたいというように思いますが、どうですか。

◆水ノ上 委員  きょうはもうとことん審議を尽くすつもりで来ておりますので。この間の山口委員のあれでは、もう十分な審議を尽くしていただきたいというふうに前の答弁のときにもおっしゃっています。だから、十分な審議を尽くした上でやりたいと思います。
 この点については非常に大事なことで、共産党さんから出されたということ、そういう意図があるんか。
 あと、河野談話ですけれども、これはまた後で山口委員に対してお聞きしたいと思いますけどね。河野談話では、16人の証言によって従軍慰安婦が強制的に連行されたというふうになっているんですけれども。ここでは、この意見書では1993年の河野洋平官房長官談話と矛盾した対応をとらないこととなっているんですが、この官房長官談話は16人の証言から出てきた談話ですが、この16人の証言は一切公開されていません。それで、矛盾した対応をとらないことといいますけれども、河野官房長官談話というのはどんな談話でしたか。ちょっとお聞きしたいと思います。

◆城 委員  基本的には歴史事実を認めるということと、謝罪をするということが基本ではないかと思います。私、ちょっとそのものを持っていませんので、具体的な最終の内容は今ちょっとわかりませんけども、そういうことやったと思います。

◆水ノ上 委員  この河野談話の一番ネックは官憲が関係したという、政府官憲がそういうことに関与したということが非常に大きな問題。だから、それが世界じゅうのそういう議会、議決で問題になっているわけです。女性が悲痛なことというよりも、官憲が関係というか関連をしたという、その官憲が関係をするということが事実かどうかというのは、これは全く証明されていないんです。その16の証言がもし公開されればはっきりすると思いますけれども、一切非公開となっている。その中で、河野談話だけがひとり歩きをして各地でこういう日本に不利になるような議決をしている。そこに大きな問題があって、私は、河野談話のもとになったこの16人の証言がオープンにならん限り、この慰安婦問題というのは原則的に解決できないと思います。ですから、河野談話のもとになった証言をオープンにせよという意見書なら私はいいと思うんですが、もう河野談話ありきで話しするのは非常におかしいと思います。

◆城 委員  この内容をお話しするときに、事実関係、諸外国とのことをお話しすると思うんですけども、女子差別撤廃委員会という国連の機関の委員会がありまして、去年の7月20日から8月7日までということで委員会の最終見解というのを出しているんですね、出しておると思うんですね。その中でも紹介してますけども、委員会は、「慰安婦」の状況に対処するために締約国がいくつかの措置を講じたことに留意するが、第二次世界大戦中に被害者となった「慰安婦」の状況の恒久的な解決策が締約国において見出されていないことを遺憾に思い、学校の教科書からこの問題への言及が削除されていることに懸念を表明すると、これは日本に対してですね。委員会は、締約国が「慰安婦」の状況の恒久的な解決のための方策を見出す努力を早急に行うことへの勧告を改めて表明するというような内容になっております。この取り組みには、被害者への補償、加害者の訴追及びこれらの犯罪に関して一般国民に対する教育が含まれているという問題も含まれている点で言えば、世界的にはこういう認識が当然ということになっているという認識をすべきではないかなというふうに思います。

◆水ノ上 委員  そのもとになったものは、吉田証言と河野談話だけなんです。だけとは言いませんけれども、そういう部分つきの証言はあったかわかりませんけれども。もうそれが、ヨーロッパも慰安所があり慰安婦がいました。その中で、日本軍だけをターゲットにして、政府にそういう誠実な対応を求めろと、国連やそういうところと呼応してやるのも非常に私は問題だと、このように思います。そういうことをすべきやない。もっと真相を究明してしかるべきだと思います。その中で、うその吉田証言がどれだけそれに影響を与えているか、まだ明らかにされていない河野談話がどれだけこういう議決に影響を与えているか、それを徹底的に追求してからやるべきだと私は思います。
 それ
ともう一つお聞きしたいんですが、すべての被害者への1日も早い尊厳回復と言いますが
、すべての被害者、これは一体何人ぐらいの被害者がいると思っているんですか。

◆城 委員  今現在では、ちょっと資料もありませんのでわかりません。

◆水ノ上 委員  いや、すべての被害者ですからね。大体どのぐらいだというのも頭になく、こういう文書をつくるんですか。

◆城 委員  いや、被害者に対しましても、今問題になっているのは被害者が高齢になってきてどんどん亡くなっていっているという。この解決せずして命を絶っていっているという、みずからと違いますよ、高齢化しているという、こういう現状を見たときに1日も早くという点でありますから、今現在何人の被害者というのは認識していません。

◆水ノ上 委員  被害者というのはどういう考え方ですか。

◆城 委員  そういう行為をさせられた方と。

◆水ノ上 委員  慰安所に。

◆城 委員  そうそう。

◆水ノ上 委員  そしたら、このすべての被害者というのは、国籍はどういう国籍ですか。

◆城 委員  いや、国籍は別に関係ないと思います。人間として、人間としてだと思います。

◆水ノ上 委員  大体、それなら慰安所にいらっしゃった方全員が被害者とおっしゃるんやったら、大体何人ぐらいでしょう。

◆城 委員  いや、それはちょっと認識してません。そのことをきちっと、この解決するという立場に立って、どのような被害がどの程度あったのかということで、その気になって政府も含めてきちっとやるべきだと私は思います

◆山口 委員 クリエイティブ フェニックス
 今、水ノ上委員のほうから、るる歴史考証的な見解の違いが述べられておりますけれど、ここは議運に付託されておりますのでそういう質疑も結構かと思うんですが、慰安婦問題につきまして、いきなりこういう細かな点について知ってるんか、知ってないのか、数字は何ぼやというような議論というのは、非常にセンシティブな問題でありますので、公式にこれは議事録に残っていきますのでね。そういったものというのは、るる我々も、そういった歴史考証とか、水ノ上委員のような考え方がこの世の中にも確かにあるということを踏まえた上で今回の意見書を提出しているわけです。
 前回の議会で継続審査になったときにですよ、今あなたがおっしゃっているようなことは各会派に対してやっぱり働きかけるべきだったと私は思う。今回の提案されている共産党の原案にしましても、我々が出した修正案はまだ議題に上っておりませんけれども、そういった中で、いろいろな考え方がある中で、各会派がきょうの日までにという期限で議論し、お互いがいろいろと考えた上できょう出してきたんです。ですから、そういったことを踏まえた上で、ご意見はるるあるでしょうけれども、じゃ水ノ上委員はこの意見書に対して賛意を表明されるのか、反対であるのかということを、きょうは議会で、できたら簡潔に表明をしていただけたらと思うんですけれど。

◆水ノ上 委員  この日本軍慰安婦問題、この問題の本質がわからない。私自身は、こういう問題についての、先ほども申し上げたとおり、その経過といい、今言われている結果といい、事実に基づかない、基づくかどうかもわからないことでつくられていることに対して賛成も反対もできない。だから、皆さんにお聞きしているという立場です。もちろん、批判的な意味でもありますよ。
 ただ、こういう問題は決して日本軍だけの問題じゃないのに、なぜ日本軍だけがそれを悪者にされてやるか。世界じゅうであるじゃないですかと思います。女性の人権を守る、私はこれは大事やと思います。それはもちろん大事やと思う。しかし、日本の名誉とか、いわれもなき汚名を着せられることについては耐えがたいと思うから、ここで議論をしている。
 ですから、すべての被害者といって、どのくらいの方々が慰安所におったかわからない。その中で、その議論すらできないんと違いますか、すべての被害者を何でも一くくりにして、どういう被害者がどこにどれだけおったか。韓国では20万人が強制連行されたなんていう説もあるんです。慰安所には日本人もおったし、他の台湾人も、台湾の人らもおったし、ほかの方々もおると。日本の慰安婦の方々は全く声を上げてない。

◆山口 委員  上げてますよ。

◆水ノ上 委員  わずかです。

◆山口 委員  わずかですけど、上げています。

◆水ノ上 委員  その中で、そういう人権も考えて、もう幅広く、ヨーロッパにもおったわけです。

◆山口 委員  そうです。

○小郷 委員長  水ノ上委員、今いろいろ議論していただいていますけども、私としては、聞いておったら、この議論はいつまでたっても決着がつかないというふうに思いますので。もう一定かなり時間がたちましたので、私としては、水ノ上委員の言うてる主張もよく理解はできますし、あなたのお考えで、質問をし、十二分に理解した上でやりたいということはわかるわけですが、できれば修正案も出ております。それで、この案に対してどうなのか、こういうふうな、そろそろ議論をできればしていただくようにお願いしたいというふうに思います。何も抑する気はありませんから。よろしいですね。
 かなり時間たちました。時間も決めてませんけれども、一定15分、30分程度、委員会の発言時間をめどにというふうなことで進めさせてもらいたいというふうに思います。

◆水ノ上 委員  今の共産党さんに対する質疑はもう、これで。

◆西林 委員  大阪維新の会
この記の中の3、慰安婦問題の責任を認め、公式謝罪と補償を行うことというのがありますけれども、
この補償というのは一体何を考えておられるんですか。

◆城 委員  まず謝罪することが大事でありますし、
あと被害者が相当高齢になっているという、そういうこと。今まで迷惑かけたという、こういう補償だという意味です。

◆西林 委員  だから、それは何ですか。

◆城 委員  それは、賠償金なり、何という名前にしたらいいんかわかりませんが。
私は謝罪をして、そしてそれに対する賠償だというふうに私は思います。

◆西林 委員  その謝罪というのは、先ほど、この1番にも書いてはりますけれども
、当時の官房長官という公の立場にある方がそのような発言をされてますけれども、
それが公式な謝罪にはならんということなんですか。何回せえと言うんですか。

◆城 委員  ならんと思ってます、はい。政府がきちっと機関として認めるということが大事、
それをまた世界に発信をするということが大事だと思います。

◆池田 委員  この意見書の本文の最後の部分なんですけど、この慰安婦問題に関する記述もさることながら、
これを解決すること自体が現代における女性への暴力を初めとする女性たちをめぐる諸問題の解決に大きく寄与するというような
ロジックになっておりますけど、これはどういう意味合いで書かれておられるんですか。

◆城 委員  性暴力の最たるものだというふうに思うんですね、当時の慰安婦問題という点でいえば。
そういうことからすれば、ここをやっぱりきちっと解決しないと、女性差別等の問題についても、
ここが根幹になるんじゃないかなというふうに考えています。
 今は、男女共同参画ということで国の取り組みもしていますけども、
そういった中にもこういう問題もきちっと位置づけることが私は大事だなというふうに考えています。

○小郷 委員長  修正案も、次に出ております。できましたら、
共産党さんに対するこの原案に対しての質問についてはここで終わって、次に進みたいと思いますけど、よろしいですか。
   (「異議なし」の声起こる)
 それでは、そのようにいたします。

┌─────────────────────────────────────────┐
△平成21年議員提出議案第26号 日本軍「慰安婦」問題について政府に誠実な対応を求める意見書に対する修正案
└─────────────────────────────────────────┘

○小郷 委員長  それでは、本日付で山口委員及び吉川委員から提出されました議員提出議案第26号に対する修正案を議題といたしたいと思います。
 提案理由の説明を求めます。
◆山口 委員  お手元に配付させていただいておりますとおり、平成21年議員提出議案第26号日本軍「慰安婦」問題について政府に誠実な対応を求める意見書に対する修正案といたしまして、ここに表記しておりますとおり修正をさせていただき、共産党さん案を存分に尊重し、各会派との調整のもと、公明党の皆様とともに共同提案をさせていただいております。文面のとおりでございます。よろしくお願いいたします。

                                 平成22年3月25日

議会運営委員会
 委員長 小郷 一 様
                        提出者
                         委員  山 口 典 子

                         委員  吉 川 敏 文

                修正案の提出について

 下記の修正案を別紙のとおり会議規則第66条の規定により提出する。

                     記

      「平成21年議員提出議案第26号 日本軍「慰安婦」問題について
      政府に誠実な対応を求める意見書」に対する修正案

 
      「平成21年議員提出議案第26号 日本軍「慰安婦」問題について政府に誠実な対応を求める意見書」に対する修正案

 平成21年議員提出議案第26号 日本軍「慰安婦」問題について政府に誠実な対応を求める意見書を次のように修正する。

 表題中「日本軍」を削る。
 本文を次のように改める。
 かつての戦争において、日本が近隣諸国の人々に多大な被害を与えてから、64年が経過する。しかし、いまだに戦争被害の傷は癒されていない。
 平成19年(2007年)7月にはアメリカ下院議会が、「旧日本軍が女性を強制的に性奴隷にしたことを公式に認め、謝罪するよう日本政府に求める決議」を採択している。
 そして、アメリカの議会決議に続いて、オランダ、カナダ、EU議会などでも同種の決議が採択され、国連などの国際的な人権擁護機関からも早期解決を求める勧告が出されている。
 わが国においては、平成7年(1995年)7月19日、日本政府のイニシアチブにより、「女性のためのアジア平和国民基金」(アジア女性基金)が設立され、国民から寄せられた募金総額5億6500万円余は、フィリピン、韓国、台湾における285名の元「慰安婦」に「償い金」として届けられたという経緯があった。
 しかし、平成21年(2009年)7月には国連女性差別撤廃委員会第44会期の最終見解においても、第37項では「慰安婦」の状況に対処するために、日本政府がいくつかの措置を講じたことに留意するが、第二次世界大戦中に被害者となった「慰安婦」の状況の恒久的な解決策が見出されていないことを遺憾に思い、学校の教科書からこの問題への言及が削除されていることに懸念を表明するとしており、さらに第38項においては、日本政府が「慰安婦」の状況の恒久的な解決のための方策を見出す努力を早急に行うことへの勧告が改めて表明された。
 よって、国及び政府においては、「慰安婦」問題の真相究明、被害者の尊厳回復とともに、女性に対する暴力などの今日なお存在する女性の人権侵害の解決に向け、誠実な対応をされるよう要望する。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 平成22年3月29日
                                    堺 市 議 会

○小郷 委員長  提案理由の説明が終わりました。
 これに対しての質疑はありませんか。

◆水ノ上 委員  これ、さっきも同じことですけど、慰安婦問題、「日本軍」を削るということですね。慰安婦問題がどういうことかというのは一文もここにないんですが、これでは慰安婦問題の核心、こういうものが慰安婦問題というのは触れなくて、慰安婦問題という表題だけというのは意見書としておかしくないですか。
◆山口 委員  いや、日本軍慰安婦とか従軍慰安婦とかという表記でされてきておりました。自民党政権時代には従軍慰安婦問題として公式に取り扱われておりましたが、実際に被害者の女性たちのほうから、決して従軍ではない、強制連行されたんだというケースもあるということで、今は日本軍とか従軍とか、慰安婦とも言わない人たちもあります。もっと厳しい言葉で言えば、「当時の日本軍によって性奴隷とされた」という表記もあるため。
 それと、もう一つの理由につきましては、これを例えば英語に直した場合に、一般的に現代の中で日本軍と言ってしまったら、これが自衛隊も含まれるというような誤解を招くおそれもあるという見解をお持ちの会派もありまして、一般的に慰安婦問題とさせていただきました。

◆水ノ上 委員  いや、そうではなくて。慰安婦問題はいいんですけれどもね。慰安婦問題がどういう問題か、慰安婦問題とは何ぞやというのが。

◆山口 委員  慰安婦問題というのは、戦争という国家的暴力、そのときの政府について、女性の性というものが兵士を慰めるため、兵士を士気するためという形で、あるいは民族浄化の名のもとに敵軍の兵士が敵国の女性を強制的に強姦、暴行して殺したり、自分の民族の子どもをはらませたり、そういった行為に関して総合的に、私はこれを慰安婦問題だというふうな理解をしております。ここに書く必要はないと認識しておりますから書いておりません。

◆水ノ上 委員  慰安婦問題がどういうものだということを定義せずに、慰安婦問題について誠実な対応を求める意見書というふうに出すのはおかしいんじゃないですか。慰安婦問題が何かわからないじゃないですか、これで。

◆吉川 委員 クリエイティブ フェニックス
 私どもは広くこの慰安婦問題というのをとらえておりまして、いろんな今議論されている中身もございました。当然、先ほどおっしゃった河野談話についても認識をしておるんですが、広く日本国内で、あるいは世界で、このことが議論をされている、このことも一つの慰安婦問題だというふうに思っているんです。
 少し先走って考えを述べさせていただくと、そういうふうなさまざまな、先ほど慰安所があったということもおっしゃっていました。世界のいろんな国が同じことをやっているじゃないかと、なぜ日本軍だけがというとらえ方ではなくて、そういう事実を世界もつくったかもしれないけれども日本もつくってしまった、そのことをまず認識して、そのことに対して日本政府として、先ほどおっしゃった真相究明も当然やる姿勢を見せないといけないでしょうし、敷衍して言うならば、今世界になお存在するそういう女性の人権侵害の解決に向けて日本が積極的にリーダーとなって、その問題を解決していかないといけない、その一つの象徴しての言葉としての慰安婦問題というふうに我々はとらえておりますけれども。

◆水ノ上 委員  全く理解できん。この慰安婦問題という表題という以上は、今山口委員がおっしゃったことを、慰安婦問題がこういう問題だと、こういうことを日本がしてきたから、こういう批判を受けているんやと。それに対して日本の政府はその真相究明と被害者の尊厳回復をせえと言うならわかるけれども、そういう日本軍慰安婦問題というものを、この言葉だけで内容を説明せずに意見書を出されても、全くこれは意見書の意味がない。
 まず、今そういうふうに山口委員がおっしゃったんやったら、そこを書いて、慰安婦問題とはこうやと、それからじゃないんですか。

◆吉川 委員  この修正案の文書に書いていますように、世界がいろんな認識を示しているということも一つの慰安婦問題だと。こうした事実を、それを総括して慰安婦問題だというふうにこの意見書は述べていると我々は認識しているんですけども。

◆水ノ上 委員  慰安婦問題もいろんなとり方がありまして。ですから、そのとり方があるんですから。だから、ぼかすんじゃなくてはっきりと提案者が言うべきだと。
 例えば官憲が関係して連れていったとか、そういう日本軍の慰安所の女性たちが、それは強制的に働かされて悲痛な目に遭ったんだと、そういう具体的といいますか、そういう慰安婦問題というのは何の問題かというのがわからんのに、ただ他の国でそういう議決がされて、日本を非難する議決がされて、慰安婦に対する議決がされた。そういうことを書いて、そういうことから日本も、国・政府もやらなあかんというのは、僕は筋としては違うと思う。まず、慰安婦問題とは何ぞやというのをはっきりしてほしい。そうでないと議論もできない。どう思います。

◆吉川 委員  この問題を、我々は国及び政府に対して要望を申し上げるわけなんですが、今おっしゃったように慰安婦問題というのは定義できない部分もたくさんある。実は我々も、この修正案をつくる過程で2ページも3ページも文章をつくった経緯もあるんです。でも、それでも、要するに言葉として、全部これが慰安婦問題という定義をはっきりさせたものはない、ないというか表現し切れない。したがって、こういう文章にならざるを得なかったということもご理解いただきたいんですが、そういうことも含めて、この問題の真相究明をするという政府の姿勢を、我々は求めたいという意見書にしなければならないんじゃないかというふうに考えておるんですけどね。

◆水ノ上 委員  下から3行目の、国及び政府においては、「慰安婦」問題の真相究明と書いていますね、真相究明。慰安婦問題の真相究明というのはどういうふうな意味なんでしょう。何を真相究明するんでしょう。

◆吉川 委員  まず、事実をしっかりと認識し、日本政府として正式にこの事実に対しての見解を表明された場所はないと我々は認識しております。公明党自身も、それを公明党の姿勢として発表したこともない。しかし、そういうさまざまな世界でこれが問題視されているということに対して、その事実がまずあったのかどうかというところまでさかのぼって、そこから今何をしなければならないのかということも含めて、そしてそのことについてどう考えるのかということも含めて、それをはっきりさせるという姿勢を示していることが、私は真相究明だというふうに考えております。それはちょっと山口委員と意見が違うのかもしれませんが、我が会派としてはそういうふうに考えています。

◆水ノ上 委員  私は、まず慰安婦問題という意味が。他のこういう、時系列でそれを出されて、それをもって真相究明と言うても、なかなかもうぴんとこないと思います。
 ただ、先ほど共産党さんにも言ったこと、同じことを繰り返しても何ですけれども。ただ、どのくらいの被害者がいるのか。例えば韓国の人、台湾の人、いろいろおるけれども、その民族にどれだけの人がいたのか、そういうこともご存じでしょうか、どうでしょう。

◆吉川 委員  私どもが修正案を出させていただいたのは、共産党さんが出された意見とは違うと、したがって修正案を出したということでございまして、共産党が出された意見書では、やっぱりこのままでは我々は同意できない、だから修正案を出させていただいたと。

◆水ノ上 委員  先にそこを聞くべきでした。済みません。修正案を出された理由を聞くのを忘れていました、済みません。まずは共産党さんが出されて、修正案を出された。共産党さんのどこがあかんと修正出された、そこを聞くのを忘れてました。済みません、申しわけない。

◆吉川 委員  それは、この修正案に書いてあるとおり、共産党さんがこの1、2、3、4というふうに出されていますけれども、我々はそれに真相究明という部分では同意できる部分もありますけれども、同意できないという部分もありますので、最終この修正案の文案に書かれている趣旨でということなんです。

◆水ノ上 委員  この修正案の1行目、かつての戦争において、日本が近隣諸国の人々に多大な被害を与えてから、64年が経過する。しかし、いまだに戦争被害の傷は癒されていない、こういう歴史観、いろんな歴史観がある。そういう面もあるけれども、日本が貢献した面もあるということ。
 まず最初に、もうこういう文章が来た段階で、私なんかはこれはもう全然受け付けないわけです、あと何があっても。歴史観が違うから。いい、悪いは違いますよ、皆さんでもいろいろ違う。それで、もう他の議会がこうなっておるだとか言われて、まさにそういうところから始められたら、日本を攻撃するための意見書というふうにしか見えないわけです。
 先ほど申し上げたとおり、慰安婦の真相究明、もうその以前の河野談話の真相究明は、私は絶対必要やと思う。自民党時代は、あれは出せなかった。ですから、民主党にかわって、ぜひあれを出してもらって、それで専門家の方々に見てもらって、それこそ真相究明してもらったら事実が判明するだろう。そこからだと思うんですね。それ、もう河野談話がひとり歩きして、政府が認めたからということで各世界じゅうの議会がこれをやるわけです。まずそこからやること、そういう意味でも真相究明というのが出ている、反対じゃないんですけれど、そういう意味では。ただ、この慰安婦問題という全体をとらえた場合、それで出だしの、日本が多大の被害を与えたということからして、流れからして、私はもうこれは賛成できない。ここは意見言う場所ではありませんけれども。

○小郷 委員長  わかりました。もう時間もかなりたちました。制限時間は特に規約にはありませんけども、打ち切ります。打ち切って、次に入りたいと思います。
 討論に入りたいと思います。討論は、議員提出議案第26号の原案及び修正案を一括して行います。
 ご意見はありませんか。

◆西林 委員  自民党堺市議団、自民党・市民クラブを代表いたしまして、今提案されております「慰安婦」問題について政府に誠実な対応を求める意見書についての意見、討論をさせていただきたいと思います。
 今回、市民の方々から堺市議会に対して慰安婦問題について意見書提出の要望がありました。これまでの日本政府は、慰安婦問題に関して、平成3年12月以降、全力挙げての調査を行い、平成4年7月、平成5年8月の2度にわたりまして調査結果を発表、資料を公表し、内閣官房において閲覧に供してきました。また、平成5年の調査結果の際に表明した河野洋平官房長官の談話において、多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた問題であるとして心からのおわびと反省の気持ちを表明し、以後、日本政府は機会あるごとに元慰安婦の方々に対するおわびと反省の気持ちを表明してきました。
 慰安婦問題が多数の女性の名誉と尊厳を傷つけた問題であることから、日本政府及び国民のおわびと反省の気持ちをいかなる形であらわすかにつき、国民的な議論を尽くした結果、平成7年7月19日、元慰安婦の方々に対する償いの事業などを行うことを目的に財団法人女性のためのアジア平和国民基金が設立されました。日本政府は、この問題に対する道義的な責任を果たすという観点から、同年8月、アジア女性基金の事業に対して必要な協力を行うとの閣議了承を行い、アジア女性基金が初期の目的を達成できるように、その運営経費の全額を負担し、募金活動に全面的に協力するとともに、その事業に必要な資金を拠出するなど、アジア女性基金事業の推進に最大限の協力を行ってきました。また、日本政府は、女性に対する暴力などの今日なお存在する女性問題を解決すべく積極的に取り組んでいくことも将来に向けた日本の責任であると考え、アジア女性基金が行ってきた女性問題の解決に向けた諸活動に政府の資金を拠出するなどの協力も行ってまいりました。
 国際的には、我が国の慰安婦問題に対する以上のような取り組みは、平成9年8月、国連人権委員会の下部機関である差別防止・少数者保護小委員会において、本問題の解決に向けてこれまでなされた前向きの処置であると評価する旨の決議もされております。さらに、平成10年のクマラスワミ報告書にも、我が国の慰安婦問題に対する取り組みを歓迎すべき努力と評価しており、本問題に関する日本のこれまでの取り組みに対し国際社会が一定の理解を示していると考えられます。今日的な女性問題に関する国際的な相互理解の増進という観点からも、これは大きな意義があると考えております。
 しかしながら、さきの大戦において不幸なことに直面した女性はこれだけでは当然ありません。何よりも、多くの日本人女性が、中国大陸、太平洋諸島において女性として最悪の辱めを受けたことは紛れもない事実としてあります。中でも、沖縄戦などにおいて、米兵による日本人女性に対する辱めは、人権上絶対許されるものでなく、いまだ陳謝の言葉すらありません。また、我が国は、北朝鮮による拉致問題という人間の尊厳、人権及び基本的自由の重大かつ明白な侵害である重要課題にも直面いたしております。
 もとより、歴史認識は、国や人種、宗教が変わればその評価も変わるということが世界の常識ではありますが、日本人として同じ日本人が受けた許せぬ問題に毅然として対応できていないにもかかわらず、他国からの圧力により、日本政府の解決すべき課題を誤った方向に進めてしまう決議要請には賛同できないということを申し上げまして、討論とさせていただきます。

◆水ノ上 委員  今までずっと質問をしてきましたので、改めてということでもないんですが、でも、改めてお願いしたいと思います。
 もともと、この慰安婦問題は吉田清治という詐話師の「私の戦争犯罪・朝鮮人強制連行」という著書が出されたところから始まります。それで、この方が韓国に行き、謝罪をし、そういう証言をした。それをもとに韓国は映画をつくったりして、それが世界に発信されて、そのイメージが非常に強くついた。しかし、この方は、それは創作であると認めたものであります。ということで、うそから始まった問題だと思います。
 その後、慰安婦と言われる方々が、証言が出てきました。しかし、その証言も、当初はキーセンに売られたと言いながら、証言がころころ変わる、どれが正しい証言かわからないということもございました。また目撃者というのも、私の知る限りございません。ですから、何のそういう確定的な事実がなく、この問題が進められたと。
 なおかつ、河野談話、河野官房長官、当時の官房長官の談話が、河野官房長官の歴史観と、それと韓国政府との交渉、なおかつ16人の元慰安婦と言われる方の証言をもとに出されたわけです。その中には、官憲によってこれを進めたこともあるという河野官房長官の談話がある。吉田証言と、それから付随する映像または証言の中身、それと河野談話が相まって現在の慰安婦問題が進められ、日本軍の相手をした慰安所、慰安婦だけが悪者にされてきたわけでございます。
 そういう歴史的事実から、私は、事実からかんがみますに、今回出されている慰安婦問題の意見書については、もともと慰安婦問題ということから私は賛成はできませんし、この共産党さんの出されているものについては、河野談話と矛盾した対応をとらないと、河野談話自体がどうか怪しいのに、それと矛盾した対応をとるのは言語道断とも言っております。
 また、修正案が出ておりますが、先ほど来議論しましたが、慰安婦問題という定義がはっきりしていない。何を解明するのか。その解明も、そのことも提言されない中でこういう意見書を出されても、効力といいますか、そういうものはないだろうと。
 ですから、私は求めるべきは、今までの、先ほど申し上げたとおり、吉田証言が今の世界の議決にどれだけ影響があるか、また河野談話が影響があるのはわかっておりますが、河野談話の真相究明をすることがこの慰安婦問題の核心であり、その後、日本軍の慰安婦が是か非かということを判断されるべきだと思いますので、この意見書については反対の表明をいたします。

◆城 委員  私どもの意見書に対する修正案を出されましたので、修正案についての意見を申し
上げたいというふうに思います。
 この意見書につきましては、さきの12月議会で動議が出されまして、ぜひ多数で議決、できれば全会一致で議決したいと、そのための協議をしたいということで継続審査となりました。私どもはそれを受け入れて、この間協議をしながら進めてきたつもりです。
 この出されております意見書ですけども、私どもの出した分と、先ほど吉川委員が言われた違う部分もあるという、こういうこともありましたけども、1つは「慰安婦」問題の真相究明、被害者の尊厳回復とともに、女性に対する暴力などの今日なお存在する女性の人権侵害の解決に向け、誠実な対応をされるようという、こういう内容になっております。私どもは、1つは被害者の声に耳を傾け真相を究明すること、このとおりだというふうに思います。この点では一致をしているというふうに思います。
 それと、慰安婦問題の責任を認めて公式謝罪と補償という、これは議論のあるところかもしれませんけれども、私どもは、被害者の尊厳回復という点では当然こういうものも含まれると、こういう解釈もしております。
 それと、過ちを繰り返さないため学校教育で史実を教えるということがありますけれども、この修正案の文案にも書かれておりますように、平成21年9月、先ほど紹介しましたけども、7月に国連女性差別撤廃委員会第44会期の最終見解においてという条項の中で、この38項においてという、慰安婦の状況の恒久的な解決のための方策を見出す努力、方策を見出す努力、これを早急に行うと。こういう点でいえば、この女性差別撤廃委員会の最終見解によれば、これも先ほど紹介をしました委員会は、締約国が「慰安婦」の状況の恒久的な解決のための方策を見出す努力を早急に行うことへの勧告を改めて表明すると。さらに、この取組には、被害者への補償、加害者の訴追、及びこれらの犯罪に関する一般国民に対する教育が含まれると、こういう点もこの修正案の中にも、この文案の中に、これは紹介ですけども、表明されたという紹介をしているという点では一定の評価をするというふうに考えております。
 そうした中で、総じて考えた場合に、さきの継続審査となったこの経過と、意見の違いがあったとしても、最大公約数でこの問題を一歩でも進めて堺市議会として一定の意見を表明する、あと国に求めていくというのは非常に大事だろうと思います。そういう点では、この修正案に同意したいと思います。

○小郷 委員長  ほかにご意見はありませんか。
   (「なし」と呼ぶ者あり)
 ご意見なしと認めます。
 これより採決を行います。まず、議員提出議案第26号に対する修正案を採決いたします。本件は、修正案のとおり可決することに賛成の委員の挙手を求めます。
   (賛成者挙手)
 挙手多数であります。よって、本修正案は可決されました。
 以上で、本会から付託されました案件の審査を終わります。
 これをもって議会運営委員会を閉会いたします。
〇午前11時58分閉会

 
 ┌───────────────────┬───────────────────┐ │委員長        小 郷   一 │                   │ ├───────────────────┼───────────────────┤ │委員         池 田 克 史 │                   │ ├───────────────────┼───────────────────┤ │委員         水ノ上 成 彰 │                   │ └───────────────────┴───────────────────┘

 
 〇審査結果報告
                                 平成22年3月25日
堺市議会議長
 星 原 卓 次 様
                           議会運営委員会
                           委員長  小 郷   一

            議会運営委員会の審査結果報告について

本委員会に付託された案件は、審議の結果次のとおり決定したので、会議規則第74条の規定により報告します。
                     記
┌───────┬───────────────────────────┬────┐│ 番   号 │          件     名          │ 結 果 │├───────┼───────────────────────────┼────┤│ 平成21年 │日本軍「慰安婦」問題について政府に誠実な対応を求める意│別紙のと││ 議員提出議案 │見書                         │おり修正││  第26号  │                           │して可決│└───────┴───────────────────────────┴────┘

 
      「平成21年議員提出議案第26号 日本軍「慰安婦」問題について政府に誠実な対応を求める意見書」に対する修正案

 平成21年議員提出議案第26号 日本軍「慰安婦」問題について政府に誠実な対応を求める意見書を次のように修正する。

 表題中「日本軍」を削る。
 本文を次のように改める。
 かつての戦争において、日本が近隣諸国の人々に多大な被害を与えてから、64年が経過する。しかし、いまだに戦争被害の傷は癒されていない。
 平成19年(2007年)7月にはアメリカ下院議会が、「旧日本軍が女性を強制的に性奴隷にしたことを公式に認め、謝罪するよう日本政府に求める決議」を採択している。
 そして、アメリカの議会決議に続いて、オランダ、カナダ、EU議会などでも同種の決議が採択され、国連などの国際的な人権擁護機関からも早期解決を求める勧告が出されている。
 わが国においては、平成7年(1995年)7月19日、日本政府のイニシアチブにより、「女性のためのアジア平和国民基金」(アジア女性基金)が設立され、国民から寄せられた募金総額5億6500万円余は、フィリピン、韓国、台湾における285名の元「慰安婦」に「償い金」として届けられたという経緯があった。
 しかし、平成21年(2009年)7月には国連女性差別撤廃委員会第44会期の最終見解においても、第37項では「慰安婦」の状況に対処するために、日本政府がいくつかの措置を講じたことに留意するが、第二次世界大戦中に被害者となった「慰安婦」の状況の恒久的な解決策が見出されていないことを遺憾に思い、学校の教科書からこの問題への言及が削除されていることに懸念を表明するとしており、さらに第38項においては、日本政府が「慰安婦」の状況の恒久的な解決のための方策を見出す努力を早急に行うことへの勧告が改めて表明された。
 よって、国及び政府においては、「慰安婦」問題の真相究明、被害者の尊厳回復とともに、女性に対する暴力などの今日なお存在する女性の人権侵害の解決に向け、誠実な対応をされるよう要望する。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 平成22年3月29日
                                    堺 市 議 会