カナダの在住のマリノフ利江さんの「カナダ通信NO.3」をご紹介します。
日本の外に住んでいるからこそ見える日本、カナダの現地の情報などをお届けします。
是非お読みください!
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2月7日、移民推進派の坂中 英徳氏がトロント大学の Munk School of Global Affairs(ムンク国際問題研究所)で演題「ACCEPTING FOREIGN WORKERS: JAPAN’S NEW POLICY」の講演を行います。これは主催は日本研究センター(Centre for the Study of Global Japan)で在トロント総領事館が共催するJAPAN NOW Lecture Series のひとつです。
坂中 英徳氏は50年間で1000万人の外国人移民の受け入れ」を主張していおり、なぜこのような人がトロントで講演をするのでしょうか。十分な議論がまったくされずに出入国管理法改正案が成立しましたが、ほとんどの日本国民はこの法案に反対です。日本の実情を知らないカナダ人が元東京入国管理局長である坂中氏の話を聞いたら「日本の移民受け入れはしかたがない」と思うでしょう。「移民は日本に必要である」という世論をカナダ国内で作り出すために、日本からこのような人を呼び講演をさせるのでしょうか。
日本センターは2017年に日本が約5億円(US$500万ドル)を出資して設立された研究機関です。この設立が発表された時、トロント在住の日本人はこのセンター設立を冷ややかな目でみていました。日本人の税金を使うのであれば、カナダ国内において正しい歴史認識が発信できるようなセンターをつくるべきだ、とうのがトロント在住の日本人の切実な願いです。また税金の無駄使いだろう、という強い反発があったのです。
坂中氏の講演だけが問題ではなく、トロント大学という非常にリベラルな大学で行われる講演会は、日本に関するトピックだけでなくすべてがグローバリゼーションを礼賛し健全な国民国家や歴史や伝統を否定するような講師だけが講演をしているのです。
日本の実情を知らないカナダ人と書きましたが、象牙の塔の中、安全なところで研究をしている学者を除いて一般のカナダ人は「日本は移民を受け入れるべきではない」ことを良く理解しています。それはカナダ自身が移民問題で苦しんでいるからです。ヨーロッパやカナダの移民政策の失敗から何も学ばず、日本は移民を受け入れるべき、と主張する政治家はまったくの勉強不足としか言いようがありません。もし、日本が外国人を受け入れるなら、徹底的な議論が必要なのにそれもない。無責任としか言いようがありません。日本の移民受け入れに反対するカナダ人が多いことを日本に人にも知ってもらいたいのです。
以上