国連女子差別撤廃委員会宛て「女子の皇位継承に関する事項を問題点一覧表より削除するための要請」

国連の女子差別撤廃委員会が日本政府に対し
「皇室典範について、現在は皇位継承から女性を除外するという決まりがあるが、女性の皇位継承が可能になることを想定した措置についての詳細を説明せよ」
という質問を出しました。(詳細はこちら

これに対して市民団体「国連委信頼性向上協会」が質問の削除を求める要請を送りましたのでご紹介します。

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原文英語/English

 

2020年4月15日

発信: 長尾秀美、国連委信頼性向上協会代表

宛先: 国連女子差別撤廃委員会

主題: 「女子の皇位継承に関する事項」を問題点一覧表より削除するための要請

出典: 日本政府が第9期定期報告書提出前に考慮するべき問題点および質問事項一覧表(2020年3月9日付けCEDAW/C/JPN/QPR/9 未編集版)

親愛なる委員会の皆さま

1. 要請

小生は国連委信頼性向上協会代表として、貴委員会が差別および法制化構想と題された第2段落にある以下の文章を撤回・削除されることを要請します。

「現行の女子を皇位継承から除外する皇室典範に関し、女子を継承させるべく、どのような方途が審議されているのかについて詳細を報告されたい」

2.  撤回・削除を求める理由

貴委員会は、誤解に基づいて上記文章を挿入されたのではないでしょうか。その誤解を解くために皇室に関連する重要事項などを説明させていただきたい。簡潔に述べることが肝心なので、ヘンリー8世イギリス王が6人の妻に対し述べたように、長い時間は掛けません。

2.1. 皇室の歴史

2.1.1. 初期皇室の歴史は、712年に編纂された古事記と720年に編纂された日本書紀に書かれています。歴史家は最初期の歴史を神話だとみなし、これについては議論の余地がありません。その神話によれば、日本の島が誕生後、3柱の神が降臨されました。その神はそれぞれ天と夜と海とをつかさどられました。注目するべきは、最初の2柱は女子で、残りの1柱が男子だったことです。神話自体に男尊女卑はありません。

2.1.2. 皇室(天皇)が歴史上いつから実在したのかについてはいまだに議論があります。初代神武天皇は紀元前660年に即位され、今上天皇は第126代目になりますが、4世紀の第16代仁徳天皇は実在したと考えられています。言い換えると、皇室には少なくとも1800年以上の歴史があります。

2.1.3. 皇室は現在まで男子による皇位承継を維持されています。しかし、日本には女子の天皇が8人おられました。最初は推古天皇(在位592-628年)で最後は御桜町天皇(在位1762-1770年)でした。8人の内お2人は2度重祚(ちょうそ)されたので、その御代(みよ)は10代となります。これは例外でした。なぜなら、8人の女子天皇は、皇室の家系を維持するために即位されたからです。つまり男子の子孫が承継するまでの間だけ在位されました

2.1.4. 男子承継を維持するため、皇室が子孫を探した例があります。山田宏参議院議員は、2019年12月1日の講演会で、以下のように述べています。

「第26代継体天皇が皇位を継承された時、皇室は男子皇孫を探すため、数代まで尊属を遡り、福井県でやっと子孫を見つけられた。」

2.2. 女子天皇と女系天皇制度

2.2.1. 先ほど述べたように、女子天皇は存在しましたが、それは例外でした。皇室が男系天皇制度を維持しているのは、皇統の血筋を承継するためです。その血筋とは人のDNAに関連していますから、それを簡単に説明します。

「DNAは、遺伝情報を持つ鎖状に連なった化学物質で、2本鎖で2重らせん構造となっていて、タンパク質と結合し、染色体を作ります。人の細胞核には、46本(23組)の染色体があり、22組は常染色体、23組目は性染色体と呼ばれ、X+Xとなれば女子となり、X+Yとなれば男子となります。」

2.2.2. つまり、女系天皇制度の導入は、内親王や女王が外部の男子と婚姻することになり、これまで続いていた皇室のY染色体を断絶させることになります。したがって、女系天皇制度は受け入れられません。

2.2.3. 皇室に男子承継者がいない場合、国会決議により特例法を定め、暫定措置として、内親王や女王を天皇にすることは可能です。しかし貴委員会の勧告はその点を明らかにしていません。

2.3. 不当な介入

2.3.1. 皇室典範改正により女子天皇を制度化するという勧告は、一見、問題ないように思われます。しかし、その勧告は主権国家に対する越権行為になります。

2.3.2. なぜならば、上記2.1-2.2.で述べたように、勧告が日本の皇室が長い間守り続けてきた血筋、すなわち、歴史を否定するからです。歴史が否定されれば、皇室が執りおこなう神式の儀式も否定されます。

2.3.3. 世界にはユダヤ教、キリスト教、イスラム教、ヒンズー教や仏教を信奉する国家があり、それぞれの宗教には神話らしい事柄も含まれていますし、さまざまな形で儀式がおこなわれます。宗教上の教えが史実と異なるとしても、国際機関や諸外国はその是正を求めるでしょうか。主権国家の宗教に介入するでしょうか。それこそ越権行為になります。

2.3.4. 1947年に施行された皇室典範附則第2項「現在の皇族は、この法律による皇族とし」は、連合国軍最高司令官総司令部の意向を忖度(そんたく)したもので、その意図は皇室を絶やすためだといわれています。これにより、皇室は天皇と2親王と天皇の弟とその弟の3親王と天皇の甥の1親王だけに限られました。これこそが連合国軍の越権行為だったのです。1947年10月、同附則第2項に基づき、経済的な理由もあったので、11の旧皇族が皇籍を離脱されました。

3. 結論

3.1. 日本の皇室を断絶させるような権利は、国際機関や諸外国に与えられていません。

3.2. そのような権利の行使は、皇室がこれまで育くんできた貴重な文化的遺産を遡及的に否定することにもなります。皇室の存在がなければ、11世紀初頭までに完成したとされる2人の女子が書いた『源氏物語』(世界最古の長編小説)や『枕草子』(随筆)は生まれませんでした。

3.3. 以上の説明に基づき、貴委員会が冷静な判断をされ、皇室に関わる勧告の撤回・削除を伏して要請いたします。

4.  補足

2020年4月6日、エリザベス2世英国女王は、テレビを通じ、コロナウィルスに立ち向かう国民に対し次のように述べています。

「私たちが何者かという誇りは、過去の一部ではなく、現在と将来を決める。」

とはいえ、エリザベス女王は過去を否定してはいません。伝統を受け継ぐからこそ英国人は国家に誇りを持ち、その誇りがあるからこそ、彼らと国家は現在と将来に立ち向かうことができるのです。同じことが日本にも当てはまります。もちろんそこには天皇制の保持と皇室の歴史が含まれます。

敬具

長尾 秀美

国連委信頼性向上協会代表

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