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【解説】「国連女子差別撤回委員会」最終見解

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外務省は国連への公式文書「国連の報告書・勧告は一方的/20万人は裏付けがない/性奴隷は不適切」をもっと発信してください

国連で慰安婦問題についてこれまで謝罪ばかりを繰り返してきた日本政府は、2014年8月の朝日新聞の吉田清治報道の取り消し以降、国連において事実関係をもってはっきり反論しています。
ただ、折角の反論が殆ど知られておらず、外務省のホームページにも非常に分かりにくいところに掲載されています。
これをもっと発信すべく、外務省や政府のホームページの目立つところに掲載すべきです。

なでしこアクションで日英対訳でPDFに纏めたものはこちら
http://bit.ly/2r7GMLT

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外務省HPから
拷問禁止委員会の最終見解(CAT/C/JPN/CO/2)に対する日本政府コメント(和文仮訳)
より、慰安婦問題 箇所 以下抜粋

英語 Comments by the Government of Japan Concerning the Concluding Observations by the Committee against Torture (CAT/C/JPN/CO/2) 2015.4

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P12 第19段落 ※ 太字は、なでしこアクションによる

51.日本政府は,慰安婦問題そのものを否定したり矮小化したりする意図は毛頭ない。慰安婦問題に関しては,安倍晋三内閣総理大臣は,筆舌に尽くし難いつらい思いをされた方々のことを思い,非常に心を痛めている,この点についての思いは,これまでも繰り返し表明されてきており,歴代内閣総理大臣と変わらない旨繰り返し述べている。

52.実際,日本は,慰安婦問題が多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた問題であることから,日本政府及び日本国民のおわびと反省の気持ちをいかなる形で表すかにつき国民的な議論を尽くした結果,1995年7月19日,元慰安婦の方々に対する償いの事業などを行うことを目的に,国民と政府が協力して「アジア女性基金(AWF)」を設立した。具体的には,AWFは,韓国,フィリピン,台湾の元慰安婦(各政府・当局によって認定され,かつ本人が受取りを望んだ方々)に対し,「償い金」(一人当たり200万円)をお渡しし,最終的に285名(フィリピン211名,韓国61名,台湾13名)の元慰安婦が受け取った。また,AWFは,右に加えて,上記のそれぞれの国・地域において,医療・福祉支援事業(一人当たり300万円(韓国・台湾),120万円(フィリピン))も実施しており,インドネシアにおいては高齢者のための福祉施設整備のための財政支援を実施し,オランダにおいては,先の大戦中心身にわたり癒やしがたい傷を受けた方々の生活状況の改善を支援するための事業に財政支援を行った。政府は,AWFの事業に必要な資金として総額約48億円の拠出を行い,元慰安婦の方々への医療・福祉支援事業(総額約11億2,200万円)や国民からの募金に基づく「償い金」の支給等の基金事業に対して最大限の協力を行ってきた。韓国における事業としては,事業終了までに,元慰安婦合計61名に対し,民間による寄付を原資とする「償い金」200万円を支給し,政府拠出金を原資とする医療・福祉支援事業300万円を実施(一人当たり計500万円)した。さらに,「償い金」が提供された際,その当時の内閣総理大臣(橋本龍太郎内閣総理大臣,小渕恵三内閣総理大臣,森喜朗内閣総理大臣及び小泉純一郎内閣総理大臣)は,政府を代表して,自筆の署名を付したおわびと反省を表明した手紙をそれぞれの元慰安婦に直接送った(別添参照)。AWFは,インドネシアでの事業が終了したことを受け,2007年3月に解散したが,現在も,AWFのフォローアップ事業を行っている。

53.このように,日本政府及び日本国民の善意と真摯な気持ちを少しでも元慰安婦に届けられるよう官民が協力して立ち上げ,多くの元慰安婦にその思いを伝えた「アジア女性基金」の取組について,改めて注意を喚起したい。韓国では,同基金の事業を受け入れた元慰安婦や申請しようとする元慰安婦に対し,韓国内の一部団体から「ハラスメント」が行われ,さらに,同基金の事業を受け入れた元慰安婦は韓国政府が支給することを決定した「生活支援金」の対象外となった。このような理由から全員には受け取っていただけなかったことは残念(ただし,当時,韓国政府により認定を受けていた200名程度の慰安婦のうち,最終的に61名の慰安婦が受け取った)。このような点を含め,同基金の取組については改めて評価されるべきと考える。同基金のような元慰安婦支援事業は,日本が韓国に先がけて行ったものであることにも注意を喚起したい。

54.慰安婦問題を含め先の大戦に係る賠償並びに財産及び請求権の問題については,日本政府は米,英,仏等45か国との間で締結したサンフランシスコ平和条約及び二国間条約等に従って誠実に対応してきており,これらの条約等の当事国との間では,元慰安婦も含めて個人の請求権の問題については法的に解決済みである。特に,韓国との間では,日韓請求権協定第2条1が,「両締約国は,両締約国及びその国民(法人を含む。)の財産,権利及び利益並びに両締約国及びその国民の間の請求権に関する問題が,1951年9月8日にサンフランシスコ市で署名された日本国との平和条約第4条(a)に規定されたものを含めて,完全かつ最終的に解決されたこととなることを確認する。」と規定している。なお,我が国は,この請求権協定に基づき,韓国に5億ドルの資金供与及び3億ドルを超える民間信用供与を実施した。政府が供与した5億ドルは当時の韓国の国家予算の約1.6倍に相当した。上記の「アジア女性基金」は,この法的解決が行われていたにもかかわらず,日本側の善意の努力として行われたものである。

55.また,この機会に,これまでの国連特別報告者による報告書や人権条約委員会による非難・勧告には,一方的で裏付けの取られていない主張が記載されていることを指摘したい。例えば「慰安婦を強制連行した」とする唯一の証言者である吉田清治氏の証言や慰安婦の数字について「20万人」との数字が言及されたが,これまでこれらを積極的に報じてきた日本の大手新聞社が,2014年8月に吉田氏の証言に基づく記事について,証言は虚偽であると判断して取り消し,同氏に関する誤った記事を掲載したことについて謝罪した。また,同社は,慰安婦と「20万人」との数字の基になったと思われる女子挺身隊と慰安婦との混同を認めた。

56.1990年代初頭以降に行った調査で日本政府が発見した資料(対外公表済)の中には,軍や官憲によるいわゆる強制連行を直接示すような記述は見当たらなかった。また「20万人」という数字は,同新聞が慰安婦と女子挺身隊を混同して報じたことが契機に広がった数字であり,具体的裏付けはない。これらの誤った事実関係が国連における報告書や勧告の有力な根拠となっていることがあるのは大変残念。

57.日本政府が求めていることは,正しい事実認識に基づき,日本の取組に対して国際社会から正当な評価を受けることである。

58.これまでの歴史の中では多くの戦争があり,その中で,女性の人権が侵害されてきた。21世紀こそ人権侵害のない世紀にすることが大切であり,我が国としても全力を尽くしていく考えである。

59.最後に,そもそも,拷問等禁止条約は,日本が同条約を締結(1999年)する以前に生じた問題に対して遡って適用されないため,慰安婦問題を同条約の実施状況の報告において取り上げることは適切でないというのが日本政府の基本的な考え方である。また,同条約委員会の最終見解にある「性的奴隷」との表現については,日本政府として,1926年の奴隷条約の奴隷の定義について検討したが,当時の国際法上,奴隷条約第一条に規定された「奴隷制度」の定義に鑑みても,慰安婦制度を「奴隷制度」とすることは不適切であると考える。

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上記と同内容の日本政府コメントが2015年3月社会権規約、同年7月自由権規約委員会にも提出されています。

■ 社会権規約委員会の最終見解(E/C.12/JPN/CO/3)に対する日本政府のコメント

英語 Comments on the Concluding Observations on the Third Periodic Report of JAPAN

■ 自由権規約委員会の最終見解(CCPR/C/JPN/CO/6)に対する日本政府コメント

英語 Comments by the Government of Japan on the Concluding Observations of the Human Rights Committee (CCPRIC/JPN/CO/6)

■ 女子差別撤廃条約第7回及び第8回政府報告審査(2016年2月16日、ジュネーブ)
質疑応答部分の杉山外務審議官発言概要

英語 Summary of remarks by Mr. Shinsuke Sugiyama, Deputy Minister for Foreign Affairs
in the Question and Answer session

【解説】国連 女子差別撤廃委員会と慰安婦問題

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※画像をクリックすると別ウィンドウで拡大で表示されます。
スライド1

スライド3

スライド2

【音声/日・英】日本政府代表団 外務審議官 杉山氏 答弁 (慰安婦問題の箇所のみ)/ 国連 女子差別撤廃委員会 2016.2.16

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【日本語版】

 

【英語版】

 

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<外務省 女子差別撤廃条約 より>

「慰安婦の強制連行の証拠はあるのか?無いのか?」日本政府の回答

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国連 女子差別撤廃委員会から63セッションにむけて日本政府に出された質問
「『慰安婦』の強制的連行(forcible removal)を示す証拠はなかったという最近の公式声明について日本政府のコメントを求める」
に対する日本政府の回答が発表されました。

2-(1)
日本政府は、1990年代初頭以降、慰安婦問題が日韓間における政治問題として取り上げ始められた際、事実関係に関する本格的な調査を行った。右調査とは、関係省庁における関連文書の調査、米国国立公文書館等での文献調査、更には軍関係者や慰安所経営者等各方面への聞き取り調査や挺対協の証言集の分析等である。当該調査を通じて得られた、日本政府が発見した資料の中には、軍や官憲によるいわゆる「強制連行」は確認できなかった。

※原文は英語 日本語は外務省仮訳。

以下原文、該当箇所を太字にしています。

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2015.7.30
CEDAW から 日本への 質問(List of issues and questions )

慰安婦問題についての質問
9. The Committee has been informed of recent public statements that there was no evidence that proved the forcible removal of “comfort women”. Please comment on this information. Please also indicate whether the State party intends to take compensatory measures on behalf of “comfort women” in countries other than those covered by the Asian Women’s Fund, including in China and Timor-Leste, and
prosecute the perpetrators. Please indicate whether the State party intends to
reintegrate into school textbooks references to the issue of “comfort women”, and
raise awareness among the population of the issue.

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2016.1
日本 から CEDAWの質問への回答(Reply to List of Issues)

(Answer)
1. With the recognition that the comfort women issue continues to impact the development of Japan-ROK (Republic of Korea) relations, Governments of Japan and the ROK agreed at the Japan-ROK Summit Meeting held on November 2, 2015, to continue and accelerate consultations on the issue toward its conclusion as promptly as possible. Subsequently, intensive bilateral consultations, including the Director-General consultations between the diplomatic authorities of the two countries, were carried out. On December 28, the Foreign Ministers of Japan and the ROK met and made an announcement (see Attachment) at a joint press occasion. Later on the same day, the leaders of Japan and the ROK spoke over the telephone and confirmed the content of the announcement. With this agreement, the Government of Japan (GOJ) and the Government of the Republic of Korea confirmed that the issue of comfort women is resolved finally and irreversibly.

2. Under the above-mentioned circumstances, the GOJ answers the questions posed by the committee as follows:

(1) Regarding the question on the “recent public statements that there was no evidence that proved the forcible removal of ‘comfort women’ ”:
The GOJ has conducted a full-scale fact-finding study on the comfort women issue since the early 1990s when the issue started to be taken up as a political issue between Japan and the ROK. The fact-finding study included 1) research and investigation on related documents owned by relevant ministries and agencies of the GOJ, 2) document searches at the U.S. National Archives and Records Administration, as well as 3) hearings of relevant individuals including former military parties and managers of comfort stations and analysis of testimonies collected by the Korean Council. “Forceful taking away” of comfort women by the military and government authorities could not be confirmed in any of the documents that the GOJ was able to identify in the above-mentioned study.

(2) Regarding the question “whether the State party intends to take compensatory measures on behalf of ‘comfort women’ in countries other than those covered by the Asian Women’s Fund, including in China and Timor-Leste, and prosecute the perpetrators”:
The GOJ does not have such intention of doing so.

(3) Regarding the question “whether the State party intends to reintegrate into school textbooks references to the issue of ‘comfort women’, and raise awareness among the population of the issue”:
The GOJ is not in a position to answer the question on the specific contents which are taken up in school textbooks and how these contents are described, since the GOJ does not adopt a government-designated textbook system.

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<参考ニュース>
産経 2016年01月31日
【「慰安婦」日韓合意】強制連行を国連で否定へ 政府、来月初報告へ