島根県議会に「慰安婦意見書」撤回を求める8回目請願不採択、9回目請願へ

島根県議会が平成25年(2013年)6月26日 に可決した『日本軍「慰安婦」問題への誠実な対応を求める意見書』は、河野談話、米国下院決議121、国連人権委員会勧告を受け入れて日本政府に対応を求めるものでした。

この意見書の撤回にむけて、島根県の有志が署名、抗議文、集会など様々な取組を行ってきました。
「島根県有志の取り組み なでしこアクションブログより」参照

令和2年6月定例会にも8度目の請願書『島根県議会において平成25年6月26日付で決議された“日本軍「慰安婦」問題への誠実な対応を求める意見書”の撤回決議を求める請願』を提出しましたが、残念なことにまた不採択となってしまいました。

6月25日本会議では、成相安信議員が意見書撤回の請願を支持する素晴らしい意見表明をして下さっています。

諦めずに、令和2年9月の県議会に9回目の請願に挑戦するとのことです。

粘り強い取り組みに頭が下がります。

※島根県議会に関する情報は現地有志の共有情報から教えていただきました。

<令和2年6月定例会 6月25日 本会議 録画>
https://shimane-pref.stream.jfit.co.jp/?tpl=play_vod&inquiry_id=738

49:15~  成相 安信 議員(無会派)

成相議員発言より

二月議会の総務委員会において福田議員が大変重要なことを述べておられます。
「大正に生を受けた男子の内およそ200万人が先の大戦で戦死している。全体の実に7人に1人が戦死している。彼らは地獄の戦場で突撃を繰り返し、子孫を残さないまま多くが何も語らないまま死んでいった。生き残った大正生まれの青年たちは、亡き戦友の無念を胸にがむしゃらに働き、世界から奇跡の復興と呼ばれる経済成長の中核を担った。
子孫を残さず死んでいった若者が礎となって築かれた現代の日本、その思いや無念をきちんと本当に理解されているのだろうか、というのが小沢委員の外交に対する価値観なんだろうと思う」
といった箇所です。
確かに、現在の我が国ではこういった視点が疎かにされている現状を、小沢議員は憂慮しておられました。それが小沢議員の政治に対する姿勢にも現れていたというものです。
以下は小沢議員の言葉ではありませんが、小沢議員もその胸中に抱いておられたであろうことを申し述べます。

民族学者の柳田国男は「御先祖」についてこう述べられています。
「かつて日本では御先祖になる、という言葉が日常的に使われていました。「貴方は良い心がけだから御先祖様になりますよ」とか、子供に対しては「精を出して学問をして御先祖になりなさい」といった言い方です。そして人々は「御先祖になる」ために一生懸命善く生きようとしていたといいます。
柳田の著書にはこう書いています。
「人間があの世に入ってから後に、いかに長らえまた働くかということについて、かなり確実なる常識を養われていた」
それはつまり自分が死んだ後も仕事が待っているということです。
自分のまだ見ぬ孫やひ孫から、いつか「お爺ちゃんは立派な人だった、良い御先祖だ」と言われることによって子孫に対する規範になれるということです。
さらに柳田が戦時中にこれを書いた背景には「戦死者」の存在があったといいます。
多くの若い男たちが兵士として戦場に行き、そこで亡くなっていく。
未婚で子供のない彼らは、親兄弟が亡くなれば忘却され、永遠に御先祖になることはできない。
柳田はそれでは駄目だ、この国はおかしくなってしまう。と言ってこう主張するのです。
戦死者と養子縁組をして、彼らを「御先祖様」とする子孫をつくらなければならない。
そうしなければ私たちは未来と語ることはできなくなるだろう、と。

国家の命令で戦地に赴き、異国の地で無念のうちに短い生涯を終え、そのご遺骨さえいまだに祖国に帰ることも出来ない彼らに、ありもしない汚名を着せるなど絶対にあってはならないのです。
今年ももうすぐ暑い夏となります。お盆と共に終戦の日が訪れます。
我が国では、人は死後も霊魂となってこの世にとどまり、家族のもとへ帰ってくるという一種の祖霊信仰が深く根付いています。
それは魂が幽界から一時帰宅するお盆に祖霊に手を合わせることで、厳粛な気持ちになり、御先祖様に感謝し、自分を振り返ることにより、無意識のうちに自らの魂をも浄化しようとする行為なのです。
お盆と重なる終戦の日、私たちは心から戦死者を悼み、魂の交感をしていくということは、道徳や規律を保ち、より良い社会を目指すために大切なことであります。
しかし戦死者の多くの魂は、帰る家もなく、自らの死を悼んでくれる子孫さえ存在しない現実があるのです。

今の時代、彼らに対して心から思いを馳せる人が少数であることは、当該意見書の撤回が困難なことからでも分かります。こういったことが民主主義の実態であるとしたならば、私たちは改めて本質的な立憲主義というものを考え直していく必要があると言わねばなりません。
「民主主義と立憲主義」のふたつは法学上、あるいは政治学上も相反するというのが基本的な考え方です。
民主主義は多数派によって決定されるという政治システムであり、立憲主義とは憲法が権力を縛る。つまり多数派の支持を得たとしても、してはいけないことがある。というものです。
日本国憲法が発布されたのは74年前の1946年です。作成に関わった人たちは、ほぼお亡くなりになっているでしょう。私たちは死者が作成した憲法に縛られているということです。
民主主義の主体は現在生きている人間、つまり生者に対して、立憲主義の主体は死者であるともいえるのです。立憲主義には死者の民主主義が内包されているということです。
現行憲法は戦争という歴史とその犠牲者の上に立脚しているのです
その現行憲法の是非はともかくとしても、立憲主義を声高に唱える人々が、現在の我が国の立憲主義の主体のなかで、決して少数とは言えない戦死者の存在を意識しないどころか、貶めていこうとする民主主義はグロテスクであり、健全な保守思想とは全く相容れないものです。

ここで一点、すでに意見書撤回にご賛同いただいている方のご発言に少々異論を述べさせていただきます。
小沢議員の議員活動について、国防や竹島を中心とする領土問題など国家レベルの課題に取り組んでおられたことを指して「地方議員として特徴のある活動」とも仰っておられました。

地方議員だからと言って国家意識や国防意識が希薄であって良いわけはないのです。
国政選挙となれば政党間でし烈な選挙活動を繰り広げるなかで、当落においては地方議員の動きがその行方を決定づけることは誰しもが知っていることです。その地方議員の国家意識あり方が、将来の国家の姿に直結していくという現実をご理解して下さい。
当該意見書こそが、地方議員の国家意識の欠落の間隙を突いてきたものであることは明らかです。
グレンデール市の母親からの手紙がそのことを如実に物語っているではないですか。
平凡に生きる私たちも国家という集合体の一部なのです。
「自分は一億分の一だから国家のことを考えなくていい」などと一億人が考えては、国家は立ち行きません。県議会議員諸氏も国家のあり方については常に考えていただきたいと思います。
そして、死者が大切にした国土や、そこで作り上げてこられた文化や伝統も、この国に生まれ、育てられた私たちも国家そのものであります。
私は、終戦の日は、戦死者の方々もかつて眺めておられたであろう山河と同じ景色を眺め、
戦死者の方々は御先祖様であるのだという思いと共に、あまたの戦没者のご冥福と、
国家の安寧を祈りたい思いであります。
また小沢議員の初盆でもありますので、故人を偲ぶ時間も大切にしたいと思います。

どうか、島根県議会の皆さんにおかれましては、これらのことを念頭に当該意見書の存否をご再考いただきますようお願い申し上げます。

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【 成相議員・有志が撤回を求めている意見書 】

島根県議会 平成25年6月26日 可決

日本軍「慰安婦」問題は、女性の人権、人間の尊厳にかかる問題であり、その解決が急がれています。
この問題について、日本政府は 1993 年「河野談話」によって「慰安婦」への旧日本軍の関与を認めて、歴史研究、歴史教育によってこの事実を次世代に引き継ぐと表明しました。
その後、2007 年 7 月には、アメリカ議会下院が「旧日本軍が女性を強制的に性奴隷にした」として、「謝罪」を求める決議を全会一致で採択したのをはじめ、オランダ、カナダ、フィリピン、韓国、EUなどにおいても同様の決議が採択されているところです。
また、日本政府は、本年 5 月 31 日、国連の人権条約に基づく拷問禁止委員会より、「公人による事実の否定、否定の繰り返しによって、再び被害者に心的外傷を与える意図に反論すること」を求める勧告を受けるなど、国連自由権規約委員会、女性差別撤廃委員会、ILO専門家委員会などの国連機関から、繰り返し「慰安婦」問題の解決を促す勧告を受けてきているところでもあります。
このような中、日本政府がこの問題に誠実に対応することが、国際社会に対する我が国の責任であり、誠意ある対応となるものと信じます。そこで政府におかれては以下のことを求めます。
1 日本政府は「河野談話」を踏まえ、その内容を誠実に実行すること。
2 被害女性とされる方々が二次被害を被ることがないよう努め、その名誉と尊厳を守るべく、真摯な対応を行うこと。
以上、地方自治法第99条の規定により、意見書を提出します。島根県議会
(提出先)
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
外務大臣
内閣官房長官

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<参考 島根県有志の取り組み なでしこアクションブログより>

2020年3月24日付
島根県議会に「慰安婦意見書」撤回を求める7回目の請願
http://nadesiko-action.org/?p=14391

2014年12月31日付
竹島を領有する島根県議会がこのままで良いのでしょうか?
http://nadesiko-action.org/?p=7752

2014年9月29日付
日本を愛する島根女性の会「朝日新聞の大誤報を起因とする「河野談話」の即時撤回を要求する県民大会」
http://nadesiko-action.org/?p=7140

2014年6月23日付
日本を愛する島根女性の会から県議会議長宛て抗議文
http://nadesiko-action.org/?p=6582

2014年6月5日付
島根県議会「慰安婦」可決の説明を ネット署名3600人、提出へ
http://nadesiko-action.org/?p=6528

2014年4月13日付
竹島奪還を目指す島根県議会がなぜ「慰安婦意見書」?県議会議長に説明を求めます!
http://nadesiko-action.org/?p=6265

2014年1月14日付
カルフォルニアの母の会が島根県議会に抗議!
http://nadesiko-action.org/?p=5600

2013年12月12日付
島根県から報告「議長の椅子取りゲームに慰安婦問題を利用するのは許せない」
http://nadesiko-action.org/?p=5440

2013年10月4日付
「島根県議会の歴史認識をただす 島根県民の会」から活動予定お知らせ
http://nadesiko-action.org/?p=5033

2013年9月9日付
島根県民が「慰安婦意見書」撤回に立ち上がった!
http://nadesiko-action.org/?page_id=4791

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<参考 地方議会の慰安婦意見書について なでしこアクションブログより>

ねつ造慰安婦問題解決に向けて地方議会の意見書・決議・請願・陳情まとめ
http://nadesiko-action.org/?page_id=7180

地方議会の慰安婦意見書
http://nadesiko-action.org/?page_id=2

左派市民団体と国連のマッチポンプ
http://nadesiko-action.org/?page_id=7

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