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川崎市・NPO宛て 映画「主戦場」上映に関する公開質問状 -双方の見解を聞く公開討論の場を設けよ-2019.11.1

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 映画「主戦場」上映に関する公開質問状
-双方の見解を聞く公開討論の場を設けよ-

川崎市市民文化振興室室長 山崎  浩 殿
市民文化振興課課長 田中 智子 殿

NPO法人KAWASAKIしんゆり映画祭
実行委員会代表 中山 周治 殿

令和元年(2019年)11月1日

ケント・ギルバート
藤岡 信勝
藤木 俊一
山本優美子
映画「主戦場」被害者を支える会

 

(1)映画「主戦場」上映の動き
11月1日付けの神奈川新聞(電子版)によれば、川崎市で開催中の「KAWASAKIしんゆり映画祭」で慰安婦問題を扱ったドキュメンタリー映画「主戦場」の上映が中止になった問題で、主催者のNPO法人は31日、同映画を上映する方向で検討を進めていることを明らかにしたとのことです。

これは極めて遺憾なことであり、映画「主戦場」において、無断で「登場」させられ、「歴史修正主義者」などの誤ったレッテルを貼られて一方的に攻撃され、人格的に侮辱されている被害者の私たちとしては、絶対に容認できないことです。

昨日、10月31日、私たちはすでに、川崎市役所の市民文化振興課にうかがいましたが、課長も上司も用事で外出中とのことで、別の担当者に託して資料と動画のDVDを手交して参りました。私たちは映画「主戦場」を中止した市の立場を支持する者ですが、このような対応は後日責任が問われます。

そのあと、市の記者クラブで記者会見を行い、私たちの立場を資料に基づき詳細に説明いたしました。会見は2時間近くになりました。同会見は、10月31日付け共同通信配信記事等によって全国的に報じられております。

 

(2)不正な手段で入手した映像の詐欺映画で人格攻撃
実行委員会の委員の一人は「中止によって多くの映画人、観客を傷つけた」などといっていますが、上映によってもっとも傷つけられるのはわれわれ被害者です。話は真逆です。

「主戦場」の監督を自称する出﨑幹根は、上智大学の大学院修士課程の「卒業制作」のための学術研究として、私たちに研究協力を求めました。「上智大学」の「学術研究」という信頼によって、私たちはインタビューに協力しましたが、実際には、上智大学が定めている手続きや規定を完全に無視し、事前の告知が義務付けられている重要事項がことごとく隠匿されたままにインタビューは進められていたのです。もちろん、商業公開の準備も、全く伏せられていました。つまり、詐欺的手法で入手した映像・音声によって作られたのが、商業映画「主戦場」なのです。

私たちは、5月30日に出崎幹根および東風に対して同映画の上映中止を求めて、その欺瞞性・問題性を指摘した「共同声明」を発しており、既に運営委員会および市当局においても、ご検討されたことを仄聞しております。その後、民事・刑事の訴訟になっています。大学で出﨑と共謀してこの陰謀を指揮した指導教授の中野晃一氏に対しては、共同声明に連名した出演者全員が「研究参加同意撤回書」を提出済みです。上智大学の規程では、撤回書が出された場合、無条件で、入手した研究資料(この場合は映像・音声)を廃棄しなければならないことになっています。従って映画「主戦場」は廃棄される義務下にある映像資料であり、すでに世の中に存在する正当性を失っているものなのです。

研究に協力した善意の国民を騙し違法な手段によってつくられた映画について「表現の自由」を求めることは、泥棒が盗品の所有権を主張することと論理的に同一であり、法治社会では絶対に許されないことです。もちろん、盗品であることを知りながら、それを売買した古物商も、同じく罪を問われます。他者の人権を踏みにじる権利は、誰にも与えられておりません。

 

(3)公開の討論会を求める
実行委員会が「上映実現にむけて前向きに協議」するというのであれば、この映画の存在根拠そのものが失われていることを主張し、重要な当事者である私たちの意見も当然聞くべきです。

上記のような事情を知らずに、制作者側の見解だけを聞いてものごとを判断するのは、自由で民主的な社会のルールに違反します。上映を推進する立場の人々は、しばしば「民主主義」を口にしますが、民主主義は異なる双方の意見を聞いた上でことを判断するのが最低の条件です。今の実行委員会の進め方は、反民主主義的なやり方です。

川崎市に対しては、映画「主戦場」はすでに民事事件・刑事事件となっており、それは上映中止の理由としては十分な根拠となり得るもので、市の判断は妥当です。川崎市は公的機関なのであり、恣意的判断をしてはならず、明確な基準を示す必要が義務づけられています。もし、上映再開を認めるとしたら、このような映画に公金を支出してよいという「川崎市の公金支出基準」を示していただきたいと要求します。

以上の理由から、私たち「被害者」は、市または実行委員会の主催(または両者の共催)による双方の当事者の主張を聞く公開の討論会を強く要求します。この手続きなしには、川崎市における「主戦場」の上映は法的・道義的正当性を完全に喪失するものとなることを重ねて強調しておきます。

2日正午までにご回答頂きますよう求めます。
(以上)

 

<連絡先電話番号>
川崎市役所(直通)044-200-2416 市民文化振興課 田中智子課長
市民文化振興室 山崎浩室長
NPO法人しんゆり映画祭実行委員会事務局044-953-7652 中山周治代表

映画「主戦場」被害者グループ 連絡先 ****(藤岡信勝)

川崎市役所記者会見 映画祭における「主戦場」上映中止について 被害者の見解 2019.10.31

映画「主戦場」の上映中止問題に関する「詐欺被害者」の見解

令和元年(2019年)10月31日
川崎市役所 記者会見室にて

<出席者>
出席者  (被害者として) ケント・ギルバート
藤岡 信勝
藤木 俊一
山本優美子

(代理人弁護士) 中野 浩和(著作権担当)
尾崎 幸廣(元検事正)

川崎市「しんゆり映画祭」における「主戦場」上映中止問題

川崎市が公費600万円を支出して行われる「しんゆり映画祭」で上映が予定されていた映画「主戦場」が、上映取りやめとなったことが報道されました。取りやめの理由として、主催者側は、映画が上映中止を求める訴訟が提起されていることと、「映画館での妨害・いやがらせなど迷惑行為」への懸念を理由にあげています。

この理由は半分正しく、半分間違っています。訴訟が起こされていることは事実ですが、混乱が起こる危険があることを理由にするのは適切ではありません。そういう理由では、逆に、混乱さえ起こらなければどんな映画でも上映して構わないという論理になっているからです。現に、上映中止への抗議文のなかで、同映画の配給会社・東風は、同映画が上映された国内50箇所の映画館で一つの混乱も起こっていないことを理由に、主催者の中止決定を批判しています。

この映画の問題はそんなところにあるのではありません。私たちは、映画「主戦場」の監督を名乗っている出崎幹根が上智大学の大学院生として、修士論文に相当する動画を学術研究としてつくるとのふれ込みでインタビューへの協力を求められ、善意で無償の協力をしたところ、思いもよらぬ商業映画に使われ、しかもその映画のなかで悪逆非道な人物であるかのようにレッテルを貼られ、攻撃され、愚弄されました。

私たちは5月30日に、被害者7名(ケント・ギルバート、加瀬英明、櫻井よしこ、トニー・マラーノ、藤岡信勝、藤木俊一、山本優美子)の連名で共同声明を発表し、映画の上映の差し止めを要求しました。しかし、出﨑はこの要求を拒否したので、著作権侵害、肖像権侵害、名誉毀損で上映差し止めと損害賠償を求め、東京地裁に民事告訴しました。のちには、著作権侵害のかどで刑事告訴も行いました。

さらに上智大学教授で、出﨑の指導教員であった中野晃一教授に対し、上智大学が規定する書式に基づいて「研究参加同意撤回書」を全員が送りました。上智大学の規程では、同意撤回書がだされた場合は無条件で映像や音声を廃棄することが義務づけられています。これによって映画「主戦場」は、もはや存在の根拠を失い、世の中に存在してはいけないものになっているのです。これこそが、この映画が上映されてはならない最大の理由です。

私たちは公的機関での上映については抗議の意思表示をしてきましたが、この映画の素性を公知させる努力に欠けていたことを深く反省し、この記者会見を皮切りに、この映画上映問題に今後積極的に取り組んでいくことを表明します。

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映画「主戦場」被害者を支える会
https://punish-shusenjo.com/wp/

映画「主戦場」上智大学研究不正事件の全体像
-中野晃一教授と大学院生出崎幹根による人権侵害と大学当局による隠蔽工作-
https://rinri.punish-shusenjo.com/