沖縄ではH22年3~6月に、5カ所で同題名の意見書が可決されています。
意見書
日本軍「慰安婦」問題の解決をめざす法制定を求める意見書
沖縄は6月23日の慰霊の日を迎えようとしています。終戦から65年が経った今日でも戦争体験者にとっては未だ戦争の傷が癒えることはありません。
沖縄戦では20万人余の軍人や民間人の犠牲だけでなく、当時植民地にされた朝鮮半島から連れてこられた約1万人もの軍夫・慰安婦も生きて帰ったのは1千人ほどだと言われ、過酷で多大な犠牲を強いられたことがわかります。
特に「女子挺身隊」の美名のもとに連れてこられ「軍人倶楽部」と称した「慰安所」で強制的に日本軍の相手をさせられた若い女性たちの人権侵害は想像を絶するものであります。読谷村にも11か所の慰安所があり、40人以上の朝鮮半島出身の「慰安婦」がいたことが判明しています。
日本政府は、1991年から日本軍「慰安婦」問題について調査を行い、その結果を1993年8月河野内閣官房長官談話として発表しました。
談話では「当時の軍の関与の下に、多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた問題である。」として「心からお詫びと反省の気持ちを申し上げ、また、そのような気持ちを我が国としてどのように表すかということについては、今後とも真剣に検討すべきものと考える。」とされました。ところが、17年を経過した今日でも解決へむけた取り組みがなされていません。
この間、世界では2007年7月のアメリカに続き、オランダ・カナダ・EU・フィリピン・韓国・台湾などの議会と、国連女性差別撤廃委員会が「被害者への謝罪と補償」を求める決議・勧告がなされています。
国内の地方議会においても日本軍「慰安婦」問題を次世代に持ち越すべきではないとして根本的な解決を求める意見書が次々と採択されています。
被害女性の方々は高齢に達し、無念の訃報も相次いでいる現状です。
韓国併合100年の節目に当たる今日、過去の歴史の反省に立ち、日韓両国の友好の絆を一層強いものにするためにも、国際的な信頼を得るためにも一日でも早く下記のことが実行されることを要請します。
記
1、国において「戦時性的強制被害者問題解決促進法」を早期に制定すること。
以上、地方自治法第99条の規定により、意見書を提出する。
平成22年6月22日
沖縄県読谷村議会
質問状
読谷村議会 様
質問状
『日本軍「慰安婦」問題の解決をめざす法制定を求める意見書』について
平成23年2月1日
平成22年6月22日に読谷村議会にて可決された『日本軍「慰安婦」問題の解決をめざす法制定を求める意見書』(別添1)について読谷村議会及び意見書案を提出された議員先生方にお尋ねいたします。
『日本軍「慰安婦」問題の解決をめざす法制定を求める意見書』は、苦しい歴史を生きたアジア各国の女性に配慮した内容であり、読谷村が平和と人権と女性を大切にする自治体であることが理解できます。この意見書が周知されることを望みますが、文中疑問に思う箇所がございますので、質問させていただきます。
質問
1.『日本軍「慰安婦」問題の解決をめざす法制定を求める意見書』は(別添1)の通りで間違いございませんでしょうか。間違いなければ次にお尋ねします。
2.意見書では、『世界では2007年7月のアメリカに続き、オランダ・カナダ・EU・フィリピン・韓国・台湾などの議会と、国連女性差別撤廃委員会が「被害者への謝罪と補償」を求める決議・勧告がなされています。』として、米国決議を肯定的に取り上げています。
この米国決議文には『日本政府による強制的な軍隊売春制度「慰安婦」は、「集団強姦」や「強制流産」「恥辱」「身体切断」「死亡」「自殺を招いた性的暴行」など、残虐性と規模において前例のない20世紀最大規模の人身売買のひとつである。』と書かれています。(別添2)
読谷村議会は、この記述を含め、米国決議内容を事実として信用した上で意見書に加えたのでしょうか。説明願います。
3.地方自治法第99条には、『普通地方公共団体の議会は、当該普通地方公共団体の公益に関する事件につき意見書を国会又は関係行政庁に提出することができる。』とありますが、この意見書が読谷村の如何なる公益に関する事件であるか説明願います。
以上3点につき、ご多忙とは存じますが、読谷村議会、及び意見書案を提出された議員先生方に
平成23年3月1日までに郵送にて回答いただきたく、お願い申し上げます。
回答が出来ない場合、または遅れる場合も同期日までに郵送にてご連絡いただけますよう重ねてお願い申し上げます。
以上
別添2,3,4
(別添2)
< 慰安婦関連裁判 最高裁 原告 敗訴 一覧 >
韓国太平洋戦争犠牲者遺族会訴訟(金学順、他)
最高裁決定 2004/11/29 上告棄却 原告敗訴
釜山「従軍慰安婦」女子挺身隊公式謝罪・補償請求訴訟(関釜裁判)
最高裁決定 2003/3/25 上告棄却「上告理由となる憲法違反はない」 原告敗訴
フィリピン「従軍慰安婦」国家補償請求訴訟
最高裁決定 2003/12/25 上告棄却 原告敗訴
在日韓国人元「従軍慰安婦」謝罪・補償請求訴訟(宋神道)
最高裁決定 2003/3/28 上告棄却「上告理由となる憲法違反はない」 原告敗訴
オランダ人元捕虜・民間抑留者損害賠償訴訟
最高裁決定 2004/3/30 上告棄却 原告敗訴
中国人「慰安婦」損害賠償請求訴訟(第一次)
最高裁決定 2007/4/27 上告棄却 原告敗訴
中国人「慰安婦」損害賠償請求訴訟(第二次)
最高裁決定 2007/4/27 上告棄却 原告敗訴
中国山西省性暴力被害者損害賠償等請求訴訟
最高裁決定 2005/11/18 上告棄却 原告敗訴
台湾元「慰安婦」損害賠償・謝罪請求訴訟
最高裁決定 2005/02/25 上告棄却 原告敗訴
以上
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(別添3)
日韓基本条約 (1965年6月22日 締結)
財産及び請求権に関する問題の解決並びに経済協力に関する日本国と大韓民国との間の協定
第二条
1 両締約国は、両締約国及びその国民(法人を含む。)の財産、権利及び利益並びに両締約国及びその国民の間の請求権に関する問題が、千九百五十一年九月八日にサン・フランシスコ市で署名された日本国との平和条約第四条(a)に規定されたものを含めて、
完全かつ最終的に解決されたこととなることを確認する。
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(別添4)
< 日本政府 から国連 女子差別撤廃委員会への アジア女性基金に関する報告 >
外務省 http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/josi/pdfs/hokoku06.pdf より
女子差別撤廃条約実施状況 第6回 平成20年4月
4.アジア女性基金について
91.2003年の第4・5回日本政府報告審査を受け女子差別撤廃委員会より出された
いわゆる慰安婦問題に関する最終コメントを踏まえ、以下のとおり報告する。
92.日本政府は、1995年7月に設立された「女性のためのアジア平和国民基金」
(通称「アジア女性基金」)の行う事業に対して最大限協力してきた(基金設立以降20
05年度末まで、約48億円の予算を支出)。
93.基金は、フィリピン、韓国、台湾において、国民の募金を原資として、一人あたり
200万円の「償い金」をいわゆる元慰安婦に支払うとともに、政府拠出金を原資として
医療福祉支援事業(約5億1千万円)を実施した。その際、本問題に改めてお詫びと反省
の気持ちを表す内閣総理大臣の手紙がそれぞれの方々に届けられている。これらの事業は
2002年9月までに終了した。
94.また、オランダにおいては、オランダ側といわゆる元慰安婦の支援の在り方につい
て協議した結果、生活状況の改善を支援するための事業を実施(総額2億4500万円相
当)した。
95.インドネシアにおいては、インドネシア政府の意向を尊重し、いわゆる元慰安婦を
支援する事業として、高齢者社会福祉推進事業(高齢者のための施設整備事業)に対し、
総額3億8千万円規模の支援が実施されている。本事業は2007年3月までに終了した。
96.アジア女性基金は今日的な女性問題の解決にも取り組んできており、国際フォーラ
ムの開催、NGOが行う広報活動の支援、調査研究事業、女性へのカウンセリングの実施、
メンタルケア技術の研究などにも積極的に取り組んできた。
97.アジア女性基金は2007年に解散したが、政府としては、基金を通じたこれまで
の国民及び日本政府の取組の説明に引き続き努力していく。
以上