戦時中の朝鮮半島の警察官 半島出身と日本出身者の割合 

戦時中の朝鮮半島、市民の生活に一番身近なお巡りさん。朝鮮半島出身者と日本出身者の割合はどうだったんだろう? 疑問に思ったのですが、戦前の数字はあっても(下に記します)、戦時中の統計資料が見当たりません。

そこで、「国立国会図書館デジタルコレクション」にある昭和18年(1943年)の「朝鮮総督府警察職員録 朝鮮警察協会 編 (朝鮮警察協会, 1943.5)」に職員の出身地が書いてあるので、数えてみました。

その結果、朝鮮半島全道の警察署の職員(警視、警部、警部補、巡査部長、巡査)20,011人のうち、日本人は11,930人(59.6%)、朝鮮人は8,081人(40.4%)。
市民に一番身近な巡査は、日本人7,464人(51.5%)、朝鮮人7,038人(48.5%)でした。

この数字は山本優美子(なでしこアクション)が数えて纏めたものです。他の数字や資料をお持ちの方、知っている方がいらっしゃいましたら教えて下さい。コンタクト・フォーム

******************************************************************

( 以下の資料の PDF版 ) 作成  山本優美子

朝鮮総督府警察職員録 朝鮮警察協会 編 昭和18年(1943年)5月
朝鮮半島 警察署(駐在所、派出所、出張所含む)職員 日本人・朝鮮人の構成

【朝鮮半島全道】

警察署 警視 警部 警部補 巡査部長 巡査 割合 (巡査)
日本人 38 308 548 3,572 7,464 11,930 59.6% 51.5%
朝鮮人 0 56 122 865 7,038 8,081 40.4% 48.5%
38 364 670 4,437 14,502 20,011

【道別】

警察署 警視 警部 警部補 巡査部長 巡査 割合
京畿道 日本人 10 45 69 294 1,085 1,503 59.8%
朝鮮人 0 11 11 90 898 1,010 40.2%
10 56 80 384 1,983 2,513
忠清北道 日本人 1 10 15 117 173 316 55.5%
朝鮮人 0 2 7 21 223 253 44.5%
1 12 22 138 396 569
忠清南道 日本人 1 14 27 151 325 518 56.4%
朝鮮人 0 2 6 41 351 400 43.6%
1 16 33 192 676 918
全羅北道 日本人 2 16 25 223 331 597 56.9%
朝鮮人 0 3 5 55 389 452 43.1%
2 19 30 278 720 1,049
全羅南道 日本人 3 24 41 273 580 921 59.6%
朝鮮人 0 1 10 67 546 624 40.4%
3 25 51 340 1,126 1,545
慶尚北道 日本人 2 25 49 283 596 955 57.1%
朝鮮人 0 3 12 85 617 717 42.9%
2 28 61 368 1,213 1,672
慶尚南道 日本人 2 28 48 355 589 1,022 60.3%
朝鮮人 0 5 9 65 594 673 39.7%
2 33 57 420 1,183 1,695
黄海道 日本人 1 17 33 215 383 649 54.8%
朝鮮人 0 3 9 57 466 535 45.2%
1 20 42 272 849 1,184
平安南道 日本人 4 20 32 246 459 761 56.5%
朝鮮人 0 6 10 61 508 585 43.5%
4 26 42 307 967 1,346
平安北道 日本人 3 29 55 399 924 1,410 61.8%
朝鮮人 0 8 14 76 773 871 38.2%
3 37 69 475 1,697 2,281
江原道 日本人 1 22 40 250 407 720 57.2%
朝鮮人 0 3 10 76 450 539 42.8%
1 25 50 326 857 1,259
咸鏡南道 日本人 3 28 54 389 776 1,250 63.7%
朝鮮人 0 5 8 82 618 713 36.3%
3 33 62 471 1,394 1,963
咸鏡北道 日本人 5 30 60 377 836 1,308 64.8%
朝鮮人 0 4 11 89 605 709 35.2%
5 34 71 466 1,441 2,017

※各道警察署(駐在所、派出所、出張所含む)の警視、警部、警部補、巡査部⾧、巡査の人数を集計

※朝鮮総督府と各道の警察部、警察署以外(消防署など)の人数は含まず

※データ元
国立国会図書館デジタルコレクション
朝鮮総督府警察職員録
朝鮮警察協会 編 (朝鮮警察協会, 1943.5)
https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1445869

******************************************************************

他の資料による戦前の数字

◆ 「歴史を偽造する韓国」  徳間書店  中川八洋 著

↓(104ページ) 1911年 明治44年
計6,006人のうち朝鮮人3,715人(61.8%)
———————————-
↓(98ページ)1910年 明治43年
計5,693人のうち朝鮮人3,428人(60.2%)

◆ 「The New Korea 」アレン・アイルランド  桜の花出版編集部
↓(303ページ) 1922年 大正11年 10月時点

警察官 合計19,188人のうち朝鮮人8,160人(42.5%)

◆ 日本国勢総覧 第八巻 外地編 昭和9年12月発行

↓(15ページ)


昭和6年 1931年 警察職員

事務官 警視 警部 警部補 巡査
内地人 13 48 338 591 9,761 10,751
鮮人 9 86 154 7,913 8,162
13 57 424 745 17,674 18,913

計 18,913人のうち鮮人8,162人(43%)

One thought on “戦時中の朝鮮半島の警察官 半島出身と日本出身者の割合 

  1. YOSHIKO F GENTILE says:

    このような統計資料は、多くの文字を羅列される資料よりも一目瞭然です。他の数字資料がある時に、是々非々で比較出来ますし読解力が弱い方でも容易に理解可能でしょう。統計資料の閲覧と精査のご尽力大変ありがとうございます。


Leave a Reply

Your email address will not be published. Required fields are marked *


*