*H23年2月28日に ふじみ野市 塚越 洋一 市議(共産党)からお電話いただきました。文書での回答を一週間程後にくださるそうです。
「埼玉は上田知事がだめで、自民と公明が強く、慰安婦意見書が他の市になかなか広まらなくて残念」と教えてくださいました。
ふじみ野市議会議事録(平成22年3月16日)より、意見書可決前の討論。反対の意見を言える議員はいなかったようです。
◆小川愛子議員(無所属正翔会) 議第7号議案・日本軍「慰安婦」に対する国の誠実な対応を求める意見書(案)につきまして、賛成の立場で討論いたします。
かつて、戦時下における性的強制の被害者である、いわゆる従軍慰安婦の問題は、被害者の人間的尊厳を大きく傷つけるものです。1993年当時、官房長官であった河野氏は、その談話において、旧日本軍が歴史的事実として加担したことを認め、こう述べています。その出身地のいかんを問わず、いわゆる従軍慰安婦として数多くの苦痛を経験され、心身にわたりいやしがたい傷を負われたすべての方々に対し、心からおわびと反省の気持ちを申し上げる。また、そのような気持ちを我が国としてどのようにあらわすかということについては、有識者のご意見なども記しつつ、今後とも真剣に討議すべきものと考える。このように述べております。この観点に立ち返るべきであると考えます。
しかし、この談話から十数年がたっているにもかかわらず、何も進展していないのが現状です。政権がかわり、今こそ、高齢になっている被害者に対して公式に謝罪し、彼女たちの名誉回復を急ぐべきです。そして、歴史の教訓に真摯に学ぶべきであると考えます。
以上の観点から、この意見書に賛成といたします。
◆前原かづえ議員(日本共産党) 日本軍「慰安婦」に対する国の誠実な対応を求める意見書に対しまして、賛成の立場で討論させていただきます。
ただいまも賛成の討論が行われたわけですけれども、その中でも述べられておりましたように、この問題は戦後処理問題の重要な課題として政府の責任ある対応が求めらているものであります。ことしは慰安婦問題が社会的、それから国際的問題として争点化されて20年たつと言われています。10年前には、当時の政府がアジア女性基金を発足させて、民間機関で従軍慰安婦への補償にかえようとしましたが、国の責任を明確にしないこの方式は、当該国、関係者からの厳しい批判に遭いまして失敗したことは、記憶に新しいところです。しかし、十数年の歳月が流れても、いまだに政府が日本軍慰安婦の被害者に対して公式な謝罪、賠償と真相究明、責任者の処罰もしていない、こういう状況の中でのこの意見書であります。
現在、11の自治体で意見書が採択されていると聞いております。また、ことしに入って、この問題に対する行動がさらに大きくなっておりまして、慰安婦の解決を急げというシンポジウムや集会、それから日本軍慰安婦問題の解決を求める水曜デモというのが国会前で毎週取り組まれ、1992年から行われ、既に900回を超えているという形で、今、多くの方たちの世論が盛り上がっているところであります。
そして、この意見書の4点目にありますが、歴史の真実を学校の教育の場で教えるということにつきましても、慰安婦問題を知る機会を若者にということで、やはり記述復活を求める集会なども行われております。高校になると日本史は選択、全員が学べる義務教育の中学校で教えられることは大きな意味があるというふうに言われていますが、その中学の歴史教科書を振り返りますと、1997年度は、すべての教科書会社が慰安婦について記述していましたが、今では本文から慰安婦の言葉が消え、2社が関連記述を残しているというだけでございます。この歴史に学び、そして歴史をきちんと知って、二度と再びこのようなことが起きないようにするための学習も必要であります。それらを含めまして、ぜひこの日本軍慰安婦に関する国の誠実な対応を求める意見書、当議会としても採択して国会に出せることを要望いたしまして、賛成討論といたします。
○神木洋寿議長 討論を終了いたします。
採決いたします。採決の方法は起立によって行います。
ただいまの出席議員は23人です。
議第7号議案・日本軍「慰安婦」に対する国の誠実な対応を求める意見書について、原案に賛成の方は起立願います。
〔起立多数〕
意見書
日本軍「慰安婦」に対する国の誠実な対応を求める意見書
日本軍「慰安婦」問題について、2007年7月にアメリカ下院議会が「旧日本軍が女性を強制的に性奴隷にした」ことを「公式に認め」「謝罪」を求める議決を全会一致で採択したのをはじめ、オランダ、カナダ、フィリピン、韓国、EU等においても同様の決議が採択されています。しかし、歴代の自民党政府は、法的責任を拒否したままです。これは「河野談話(1993年当時官房長官)」と矛盾する態度であり、問題を真摯に受け止めない姿勢に、内外で批判が高まりました。
昨年、国連女性差別撤廃委員会からも、あらためて「被害者への補償、加害者処罰、一般の人々への教育を含む永続的な解決を見出す努力を緊急に行うよう」求める勧告が出されました。「慰安婦」問題は、女性の人権の問題であり、人間の尊厳を回復する課題です。
民主党は1998年以降、「戦時性的強制暴力被害者問題の解決の促進に関する法案」を国会に上程しており、鳩山首相も昨年の日韓首脳会議の際の記者会見で「新政権はまっすぐに歴史というものを正しく見つめる勇気を持っている政権だ」と述べています。
アジア各地で「慰安婦」被害にあった女性等は高齢に達し、無念の生涯を終えたという訃報も相次いでいます。戦争遂行のために女性の性を利用されるという人権侵害が二度と起きることのないようにするためにも、日本政府の誠実な対応が急がれます。
よって、下記の点を要望します。
記
1 被害者に公式に謝罪し、被害者の名誉と尊厳の回復に努めること。
2 被害者個人に補償をすること。
3 被害者自身も参加した場で、日本軍「慰安婦」問題の真相究明を行うこと。
4 歴史の真実を学校教育の場で教えること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出します。
平成22年3月16日
埼玉県ふじみ野市議会
内閣総理大臣 鳩 山 由起夫 様
内閣官房長官 平 野 博 文 様
厚生労働大臣 長 妻 昭 様
質問状
ふじみ野市議会 様
質問状
『日本軍「慰安婦」に対する国の誠実な対応を求める意見書』について
平成23年2月1日
平成22年3月16日にふじみ野市議会にて可決された『日本軍「慰安婦」に対する国の誠実な対応を求める意見書』について、ふじみ野市議会及び意見書案を提出された議員先生方にお尋ねいたします。
この意見書は、苦しい歴史を生きたアジア各国の女性に配慮した内容で、ふじみ野市が平和と人権と女性を大切にする自治体であることが理解できます。この意見書が周知されることを望みますが、文中疑問に思う箇所がございますので、質問させていただきます。
質問
1.『日本軍「慰安婦」に対する国の誠実な対応を求める意見書』は(別添1)の通りで間違いございませんでしょうか。間違いなければ次にお尋ねします。
2. 意見書には、『被害者個人に補償をすること。』として、補償が要望されています。
ご存知のこととは思いますが
・慰安婦が日本に賠償を求める裁判は最高裁にて何度も原告敗訴している。(別添2)
・第二次世界大戦時に関する賠償問題は、サンフランシスコ平和条約(1952年4月28日発効)にて、日韓については日韓基本条約(1965年6月22日締結)にて、締結国間で決着済み。(別添3)
・ソウル行政裁判所は、韓国人の個別補償は日本政府ではなく韓国政府に求めなければならないことを2009年8月14日、韓国民に明らかしている。
・日本政府は元慰安婦支援事業「アジア女性基金」に48億円を支出。(別添4)
という事実がございます。
これらの経緯がある中で、ふじみ野市議会が意見書で要望している『補償』とは具体的にどういうものなのか説明願います。
3.地方自治法第99条には『普通地方公共団体の議会は、当該普通地方公共団体の公益に関する事件につき意見書を国会又は関係行政庁に提出することができる。』とありますが、この意見書がふじみ野市の如何なる公益に関する事件であるか説明願います。
以上3点につき、ご多忙とは存じますが、ふじみ野市議会及び意見書案を提出された議員先生方に平成23年3月1日までに郵送にて回答いただきたく、お願い申し上げます。
回答が出来ない場合、または遅れる場合も同期日までに郵送にてご連絡いただけますよう重ねてお願い申し上げます。
以上
別添2,3,4
(別添2)
< 慰安婦関連裁判 最高裁 原告 敗訴 一覧 >
韓国太平洋戦争犠牲者遺族会訴訟(金学順、他)
最高裁決定 2004/11/29 上告棄却 原告敗訴
釜山「従軍慰安婦」女子挺身隊公式謝罪・補償請求訴訟(関釜裁判)
最高裁決定 2003/3/25 上告棄却「上告理由となる憲法違反はない」 原告敗訴
フィリピン「従軍慰安婦」国家補償請求訴訟
最高裁決定 2003/12/25 上告棄却 原告敗訴
在日韓国人元「従軍慰安婦」謝罪・補償請求訴訟(宋神道)
最高裁決定 2003/3/28 上告棄却「上告理由となる憲法違反はない」 原告敗訴
オランダ人元捕虜・民間抑留者損害賠償訴訟
最高裁決定 2004/3/30 上告棄却 原告敗訴
中国人「慰安婦」損害賠償請求訴訟(第一次)
最高裁決定 2007/4/27 上告棄却 原告敗訴
中国人「慰安婦」損害賠償請求訴訟(第二次)
最高裁決定 2007/4/27 上告棄却 原告敗訴
中国山西省性暴力被害者損害賠償等請求訴訟
最高裁決定 2005/11/18 上告棄却 原告敗訴
台湾元「慰安婦」損害賠償・謝罪請求訴訟
最高裁決定 2005/02/25 上告棄却 原告敗訴
以上
――――――――――――――――――――――――――
(別添3)
日韓基本条約 (1965年6月22日 締結)
財産及び請求権に関する問題の解決並びに経済協力に関する日本国と大韓民国との間の協定
第二条
1 両締約国は、両締約国及びその国民(法人を含む。)の財産、権利及び利益並びに両締約国及びその国民の間の請求権に関する問題が、千九百五十一年九月八日にサン・フランシスコ市で署名された日本国との平和条約第四条(a)に規定されたものを含めて、
完全かつ最終的に解決されたこととなることを確認する。
―――――――――――――――――――――――――
(別添4)
< 日本政府 から国連 女子差別撤廃委員会への アジア女性基金に関する報告 >
外務省 http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/josi/pdfs/hokoku06.pdf より
女子差別撤廃条約実施状況 第6回 平成20年4月
4.アジア女性基金について
91.2003年の第4・5回日本政府報告審査を受け女子差別撤廃委員会より出された
いわゆる慰安婦問題に関する最終コメントを踏まえ、以下のとおり報告する。
92.日本政府は、1995年7月に設立された「女性のためのアジア平和国民基金」
(通称「アジア女性基金」)の行う事業に対して最大限協力してきた(基金設立以降20
05年度末まで、約48億円の予算を支出)。
93.基金は、フィリピン、韓国、台湾において、国民の募金を原資として、一人あたり
200万円の「償い金」をいわゆる元慰安婦に支払うとともに、政府拠出金を原資として
医療福祉支援事業(約5億1千万円)を実施した。その際、本問題に改めてお詫びと反省
の気持ちを表す内閣総理大臣の手紙がそれぞれの方々に届けられている。これらの事業は
2002年9月までに終了した。
94.また、オランダにおいては、オランダ側といわゆる元慰安婦の支援の在り方につい
て協議した結果、生活状況の改善を支援するための事業を実施(総額2億4500万円相
当)した。
95.インドネシアにおいては、インドネシア政府の意向を尊重し、いわゆる元慰安婦を
支援する事業として、高齢者社会福祉推進事業(高齢者のための施設整備事業)に対し、
総額3億8千万円規模の支援が実施されている。本事業は2007年3月までに終了した。
96.アジア女性基金は今日的な女性問題の解決にも取り組んできており、国際フォーラ
ムの開催、NGOが行う広報活動の支援、調査研究事業、女性へのカウンセリングの実施、
メンタルケア技術の研究などにも積極的に取り組んできた。
97.アジア女性基金は2007年に解散したが、政府としては、基金を通じたこれまで
の国民及び日本政府の取組の説明に引き続き努力していく。
以上